概要・あらすじ
核戦争の危機が迫る中、青山博士によって作られたむらさき色の薬を注射された子どもたちは、高い知能と体力を持ち、大人たちの悪事を監視するため、世界こども連盟を設立。パトロール隊長オズマは、同僚の少女アッペとともに難事件を解決していく。昭和36年から3年間に渡って『サンケイ新聞』に連載された短編シリーズ。
SF的小道具をちりばめ手塚治虫が描く未来世界の探偵事件簿。
登場人物・キャラクター
青山 オズマ (あおやま おずま)
1991年10月11日生まれ。大人たちの悪事を監視するための組織、世界こども連盟日本支部パトロール隊長。同僚の少女・アッペとともに、数々の難事件に挑んでいく。
アッペ
金髪の少女。世界こども連盟日本支部捜査23課所属。オズマの競争相手の腕利き警部。数10種類の声色を使い変装を得意とする。
青山博士 (あおやまはかせ)
オズマ隊長の父親。自分の作った薬ルボン―Xを悪の組織に渡さないために研究成果を燃やした。
おじさん
青山博士の兄。オズマの伯父。生きたまま細胞を固めてしまうルボン―Xによって固まってしまった弟に代わって赤ん坊のオズマを育てる。妙義山中にこもり都会の人間を汚れているとして嫌う。手塚治虫のレギュラー・キャラクター、ヒゲオヤジが演じてる。
柳生 一郎 (やぎゅう いちろう)
世界こども連盟の一員。柳生一門の直系の子孫。抜きうちを得意とする。オズマにライバル心を燃やし、果たし合いに及ぶこと数回。巨大なイソギンチャクの触手を切り落とした腕前を見て、同僚のアッペ警部が剣豪の柳生連也斎になぞらえレンヤ斎と呼んだ。
チル
ゼウス博士により作られたヒューマノイド。染色体の操作によりウサギ、ネズミ、ムササビのほか様々な動物を混ぜ合わせて作られた。危険を予知する能力を持ち、東京にロケットが落下するのを未然に防ぐ。
放射能ヤドカリ
『オズマ隊長』に登場する怪物。ある国が誤って水爆を発射し、直後に空中分解させたものの、弾頭は破壊を逃れ海に落下。その後、空洞部に巨大なヤドカリが入り込み、船や村を襲うようになった。
むらさき色の薬 (むらさきいろのくすり)
青山博士によって作られた一種の成長促進剤。核戦争の危機が迫る中、世界中の科学者がこっそりと相談し、世界中に「放射能や死の灰からこどもを守る薬」として配布。注射されたこども達は、高い知能と体力を持ち、団結して大人たちに平和を誓わせた。そのこどもたちで作ったのが世界こども連盟である。
集団・組織
世界こども連盟 (せかいこどもれんめい)
『オズマ隊長』に登場する組織。悪い大人たちを見張るために世界中のこども達で作った組織。
ユダ秘密結社 (ゆだひみつけっしゃ)
『オズマ隊長』に登場する組織。青山博士が作ったルボン―Xを悪用しようとする悪の結社。本部はアマゾン。
その他キーワード
ルボン―X (るぼんえっくす)
『オズマ隊長』に登場する、生物の細胞を固めて生きたまま動かなくする薬。オズマ隊長の父・青山博士により作られた。腐敗菌まで固まらせてしまうので、腐ることもなく何百年も保存できる。
思考投影機 (しこうとうえいき)
『オズマ隊長』に登場する、ひとの思考をスクリーンに投影する機械。投影されたデータを読み取るには専門知識が必要。
ハイク・プレーン
『オズマ隊長』に登場する装置。わずかな原子力燃料で世界を楽に3周できる性能を持つ。
ビデオ・ホーン
『オズマ隊長』に登場する装置。世界こども連盟で使われるテレビ電話。
シネマリウム
『オズマ隊長』に登場する装置。映画館とプラネタリウムを合わせたような上映システム。
公衆エア・カー (こうしゅうえあかー)
『オズマ隊長』に登場する乗り物。エア・カーは圧縮空気を使って浮上し、高速移動する未来の車。公衆エア・カーは、無人で街のあちこちでお客を待っており、乗客は移動したい分だけの料金を入れ、到着したらそのまま乗り捨てていく。
書誌情報
オズマ隊長 3巻 講談社コミッククリエイト〈手塚治虫文庫全集〉
第1巻
(2011-12-09発行、 978-4063738780)
第2巻
(2012-01-12発行、 978-4063738797)
第3巻
(2012-02-10発行、 978-4063738803)