14歳

22世紀、チキン製造会社の工場でササミ細胞から生まれた天才科学者のチキン・ジョージは、14歳で地球と人類が滅ぶと予測する。環境破壊など人間の傲慢さがもたらす災害や進化などのテーマを哲学的に追究したSF長編。

概要・あらすじ

22世紀、チキン製造会社の工場でササミ細胞から生まれた天才科学者チキン・ジョージは、14歳で地球と人類が滅ぶことを予言する。環境破壊、宇宙人襲来、大災害などで人口が激減する中、ロケットで地球を脱出した3歳の選ばれた子どもたちは、14歳で未来が消失するというタイムリミットを抱えながら、破滅が拡大していく宇宙で生存の道を探す。

登場人物・キャラクター

アメリカ・ヤング

『14歳』に登場する、後半の主人公となる少年。アメリカ合衆国大統領であるアーサー・ヤングと妻スーザンの一人息子。全植物の遺伝子データが入った葉緑体をもつため緑色の髪をしているほか、全生物の遺伝情報を持つ。ロケットで地球を脱出した、選ばれた子どもたちの代表。ヘリコプターの事故で死亡するが、遺伝子配列がほぼ同一の戸川きよらが自ら遺伝操作を希望し、チキン・ジョージ博士の技術でアメリカ・ヤングと融合したため、生まれ変わった。

チキン・ルーシー

『14歳』に登場する、チキン・ジョージに改造され、人語を解し、喋れるようになったメスのニワトリ。チキン・ジョージを愛しており、行動を共にする。テレビで見たバーバラの美しさに心を奪われ、人間に服従することを決意したチキン・ジョージに裏切られたと思い、怒っていた。選ばれた子どもたちが操縦するチラノザウルス号に乗り込んだ後は、言葉をしゃべらないただのニワトリに戻っている。

戸川 洋子

『14歳』に登場する、戸川きよらの母。ロックコンサートを観に行った後、バンドのメンバーに遊ばれて妊娠、14歳の中学生で全身が緑色をしたきよらを出産する。妊娠中、占い師に見てもらった時、占い師のエクトプラズムに生まれてくる子どもの未来が「14歳で終わる」と予言された。学校の友達の力を借りて、1人で「きよら」を育て続ける。 きよらが自らの希望でアメリカ大統領の息子アメリカ・ヤングと融合した時、1つだけ余った細胞が岬一郎総理大臣から送られてきた。

繁野 良行

東京ピラミッドにあるチキン製造会社の工場から出荷するチキンの品質管理責任者。ササミ細胞に目玉がついているのを発見し、責任問題になる前に処分しようとするが、研究者としての興味から工場内で密かに育成した。後に、繁野はササミ細胞が成長した姿であるチキン・ジョージ博士と東京ピラミッドにある東京大学化学室で再会し、不老不死の研究を手伝うことになる。

ローズ

アリゾナ砂漠にある豪邸に住み、世界経済を自在に操る。不老不死にこだわり、3歳までの幼児の生きたホルモンを材料にした若返りクリームを使わないと、皺だらけの姿になってしまう。チキン・ジョージ博士に9千兆ドルを払って、不老不死の理論を入手。知能が退行したチキン・ジョージ博士を拉致し、不老不死を完成させようとする。 自分のコピーである少女のばらに、兼松博士(兄)の手術で脳の一部を移植した。

のばら

少女の姿をしたローズ氏のコピーで、意識が乗り移っているため、ローズ氏そのもののような存在。自分の脳を移植するため、ローズ氏は自分自身のクローン人間である「もの」をつくった。その後、ローズ氏の脳の一部分が移植される。ロケットで宇宙へ脱出し、ならず者たちとチラノザウルス号に乗り移って支配しようとするが、子どもたちの反撃にあい、洞窟に閉じこもる。 脳移植の手術のために兼松博士(兄)を冷凍して連れてきていたが、失敗して腐らせてしまった。

戸川 きよら

『14歳』に登場する日本人の少年で、14歳で出産した戸川洋子の私生児。全植物の遺伝子データが入った葉緑体を体内にもち、全身緑色で生まれた子どもたちの1人。宇宙へ脱出する選ばれた子どもたちの試験を全てクリアするが選ばれず、世界一運の良い子どものアメリカ・ヤングになりたいと母と共に願う。アメリカが事故死した後、ほぼ同一の遺伝子配列を持つきよらが、自ら遺伝操作を希望し、チキン・ジョージ博士の技術によりアメリカと融合することで、生まれ変わっている。

バーバラ

『14歳』に登場する女性。全世界で同時に緑が枯れ死し、パニックを恐れたアメリカ政府は迫力のドラマをテレビ放映して、国民の目をくぎ付けにしようとする。その救出ドラマで、ゴミ処理通路に落ち込んだホテルがマグマに飲まれる寸前に人々を救い出す、SOS(科学調査機関)の特別隊員。テレビを見たチキン・ジョージはバーバラの美しさに心を奪われ、罠と知りながら愛のため人間への服従を決意するが、同時に自ら知能を退行させてしまう。 バーバラも自分の意識を操って、チキン・ジョージを愛する。

岬 一郎

『14歳』に登場する日本の総理大臣。一人息子の岬タロウは、破滅する地球から宇宙へ脱出する選ばれた子どもたちの1人。妻はおらず、人類最後の日が近づいた時、岬タロウの母親代わりをしていたあやめという女性に結婚を申し込む。

兼松博士

『14歳』に登場する双子の博士で兄は物理学者、弟は病理学者。兄弟とも自分の研究にしか興味がなく、ひねくれていて、人を見下したような態度を取る。ローズ氏の下、チキン・ジョージ博士と研究に取り組む。兼松博士(弟)は宇宙人に襲われて死亡。兼松博士(兄)はローズ氏の脳の一部を移植したのばらの主治医として、冷凍されてチラノザウルス号に運び込まれたが、生命維持に失敗して腐ってしまう。

ゴキンチ

『14歳』に登場する、人間がいなくなった地球で進化したゴキブリの少年。人間語をしゃべる。先生の教えの通り、人間を賢く、美しく、慈悲深い生き物と崇拝し、大破滅の年に宇宙に脱出した人間が安住の地を見つけたら、ゴキブリたちを救いに来ると信じている。ゴキンチたちはバーバラが操るクモたちと戦い、その際、バーバラは死亡する。 チラノザウルス号の方向指示器を掴んだまま倒れているヤング大統領を発見したゴキンチは、方向指示器を動かして人間が帰るまで正しい方向を守ろうとする。

選ばれた子どもたち

『14歳』に登場する、地球を脱出するロケットへの搭乗に選ばれた3歳児たち。地球が破滅することに気付いた各国首脳が、3歳の優れた子どもたちを選んで宇宙に脱出させようとする。現在の3歳児が14歳になった時、人類のエントロピー(無秩序)が最高値となるという予測に基づく。日本の岬一郎総理大臣は、子ども選びの条件を「頭が良い」「健康」「運が良い」の3つにした。 さらに、運の良い子どもを選ぶ条件に、「予知能力」「徳」「運そのものを持っていること」の3つを設定した。

宇宙人

『14歳』に登場する宇宙人。西暦2121年、人類滅亡の危機に直面し、各国政府首脳が宇宙へ向けSOSメッセージを発信すると、巨大なUFO船団が十字架の陣形を組んで地球に向かってきた。宇宙人は次々と人々を襲うが、それは地球人の遺伝子で自分たちの遺伝子を変えるためだった。宇宙人も種族の終わりを迎えようとしており、地球人に未来がないことを知ると、襲撃を中止して外宇宙へ向かう。 その際、宇宙船のエネルギーとして地球の霊エネルギーを使用した影響で、人類は大災害に襲われる。

もの

『14歳』に登場。不老不死実体化の実験から派生した、遺伝子読み取りの方法で創り出された無機質状態のクローン人間。チキン・ジョージ博士に命じて不老不死の実験を続けるローズ氏だが、財源が底を突いたため、新たな財源調達の必要に迫られて、クローン人間を商品として売り出そうとする。地球の危機から人々の目をそらす思惑もあって「もの」は日本で商品化され、心臓を抉り出し握りつぶす殺人プロレスが大人気となった。 「もの」は自覚を持ち、人間を襲うようになる。

その他キーワード

チキン・ジョージ

『14歳』に登場する、チキン製造会社の工場で培養肉となるササミ細胞が突然変異した生物。超スピードで成長し、人体にチキンの頭部という姿になり、チキン・ジョージと名乗った。驚異の知性を有する天才科学者で、ケンブリッジ大学の学位を持つ。すべての動物の怨念が集結して生まれたと自称し、人間を憎んでいた。 人類と地球に未来がないことを知り、動物たちを連れて地球を脱出するためのロケットであるチラノザウルス号を建設した。

アーサー・ヤング

『14歳』に登場するアメリカ合衆国大統領。22世紀、科学技術の進歩などで繁栄を極める世界のリーダー。妻のスーザンが高齢出産した際、緑色の髪のアメリカ・ヤングを一人息子として授かる。政界と財界の癒着を嫌い、世界経済を牛耳るローズ氏に不信感を抱いて敵対する。アメリカがチラノザウルス号に乗り込んだ後、チキン・ジョージ博士の部屋に入って主となり、息子と交信して見守りながら、方向指示器でロケットの正しい方向を保ち続ける。

チラノザウルス号

『14歳』に登場する恐竜型ロケット。チキン・ジョージ博士が動物たちを連れて地球を脱出する目的で建造した。特殊な空間操作で、内部には雄大な自然が広がる。市民の暴動でロケットを奪われ、地球を脱出できなかった各国の選ばれた子どもたちがチラノザウルス号に乗り込む。ヤング大統領はボディーガードにしていたものたちを、食料として乗り込ませた。 チラノザウルス号の外壁にチキン・ジョージの死体があり、ロケットを奪われた怨念による亡霊が出没する。

書誌情報

14歳 全20巻 小学館〈ビッグコミックス〉 完結

第1巻

(1990年9月発行、 978-4091823311)

第2巻

(1991年1月発行、 978-4091823328)

第3巻

(1991年6月発行、 978-4091823335)

第4巻

(1991年10月発行、 978-4091823342)

第5巻

(1991年12月発行、 978-4091823359)

第6巻

(1992年3月発行、 978-4091823366)

第7巻

(1992年6月発行、 978-4091823373)

第8巻

(1992年11月発行、 978-4091823380)

第9巻

(1993年4月発行、 978-4091823397)

第10巻

(1993年8月発行、 978-4091823403)

第11巻

(1993年11月発行、 978-4091833112)

第12巻

(1994年2月発行、 978-4091833129)

第13巻

(1994年5月発行、 978-4091833136)

第14巻

(1994年8月発行、 978-4091833143)

第15巻

(1994年11月発行、 978-4091833150)

第16巻

(1995年2月発行、 978-4091833167)

第17巻

(1995年4月発行、 978-4091833174)

第18巻

(1995年6月発行、 978-4091833181)

第19巻

(1995年9月発行、 978-4091833198)

第20巻

(1995年12月発行、 978-4091833204)

14歳 全13巻 小学館〈小学館文庫〉 完結

第1巻

(2001年8月発行、 978-4091925817)

第2巻

(2001年9月発行、 978-4091925824)

第3巻

(2001年10月発行、 978-4091925831)

第4巻

(2001年11月発行、 978-4091925848)

第5巻

(2001年12月発行、 978-4091925855)

第6巻

(2002年1月発行、 978-4091925862)

第7巻

(2002年2月発行、 978-4091925879)

第8巻

(2002年3月発行、 978-4091925886)

第9巻

(2002年4月発行、 978-4091925893)

第10巻

(2002年5月発行、 978-4091925909)

第11巻

(2002年6月発行、 978-4091925916)

第12巻

(2002年7月発行、 978-4091925923)

第13巻

(2002年8月発行、 978-4091925930)

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