オチビサン

オチビサン

日本の四季のうつろいを、季節の行事や植物、風景などと共に、のんびり、マイペースに過ごすかわいらしいキャラクターたちの日々を描いたオールカラー作品。普通の人たちの、何もおこらないゆるやかな日常を掘り下げて表現する、いわゆる日常系漫画に分類される。これまで主に、女性向けに恋愛、仕事などをテーマに描いてきた安野モヨコが休筆後に新たに挑んだ新境地となる作品である。作品内の、水彩や色鉛筆などを用い、柔らかなタッチで描かれた美しい植物や風景描画は、この作品の大きな魅力のひとつである。

正式名称
オチビサン
ふりがな
おちびさん
作者
ジャンル
日常
関連商品
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概要・あらすじ

とても小さいけれど、美しい自然がいっぱいの平和な町、豆粒町に住む、赤と白のボーダー姿としかめっ面がトレードマークの主人公オチビサンは、仲良しのナゼニパンくいシロッポイと共に、春はお花見、夏は花火、秋はもみじ狩り、冬は枯れ葉踏みに雪見など、四季の移ろいの中で、あてなき散策や遊びを通して、色々な発見をしながら日々をのんびりと大切に過ごす物語。

登場人物・キャラクター

オチビサン

白い大きなぼんぼりのついた赤と白ボーダー柄のニット帽に、お揃い柄のTシャツを合わせた服装がトレードマーク。寒い日はトレンチコートを羽織る事も。夏は同じ柄のタンクトップを着用。大きく真っ黒な瞳とつり眉で、普段はしかめっつらに見える事が多いが、怒っているわけではなく大概ご機嫌で元気いっぱい。蟻のような細く黒い脚でちょこまかと町中を走り周る事が多い。 未知の事象に遭遇すると深く考え込む癖があるが、博識の友人、ナゼニに聞くことが多い。仲間と遊ぶ事も好きだが、一人で過ごす時間も大切にしている。一人称はオチビ。

ナゼニ

トイプードルのような風貌の犬のキャラクター。毛色は黒。赤いスカーフを巻いている。本や辞典で調べ物をする事が好きで、散策の際も、遊ぶ時も常に持ち歩いている。疑問があったり見知らぬ植物などを発見すると、必ず本で調べる。博識が故に、オチビサンやパンくいから質問や疑問を投げかけられる事も多いが、ちゃんと調べて教えようとする。 几帳面で思慮深く、まじめな性格。哲学的。オチビサンと時々けんかする事もあるが、すぐに仲直りする。

パンくい

トイプードルのような風貌の犬のキャラクター。毛色はミルクティー色。水色のスカーフを巻いている。元々はナゼニの親友で豆粒町に引っ越してきた。その名の通り、パンが大好きで、1日中パンを食べて過ごす事も。パンに限らず食べることが大好きな食いしん坊で、誘われてもいないのにオチビサンの家に押し掛けて、ちゃっかりごちそうになる事も。 ナゼニと比べると、天然ボケでのんびり、マイペースな性格で少し子供っぽい。そののんびりさゆえ、オチビサンたちを困惑させる事も。

おじい

白髪頭に白い太い眉毛と口ひげを蓄えている。着物、浴衣姿の事が多い。オチビサンとは、夏の暑い日に打ち水ライバルとして知合う。オチビサン同様、しかめっ面ではあるが、怒っているわけではない。少々頑固な一面も。夏の終わりには一人で流しそうめんをしたり、オチビサンたちをリンゴ狩りに誘ったり、意外とアクティブな遊びも大好き。 花粉症で、オチビサン曰く、鼻かみ名人。自宅の縁側でうたた寝する事が多い。

ジャック

灰色地に黒いシマシマ模様の猫。黄色いするどい目をしている。いたずら好きで、塀や壁にオチビサンやナゼニ達の悪口を書いてみんなを傷つけてやろうと画策するも、大した悪口にもなっておらず、見かねたおじいに、もう少しとんちを利かせろ、と注意される。また、花粉症のおじいへの嫌がらせのため、花粉をまんべんなく振りかけるも、珍しい光る猫として逆にありがたがられる始末。 根っからの悪人にはなりきれない性格らしい。時々おじいの手伝いをしたり、うたた寝しているおじいに毛布をかけてあげたりする。

シロッポイ

雪のふった次の日の日曜日に、湯気の中から現れ、オチビサンと友達になる。綿飴のような形でいつもオチビサンたちのまわりをふわふわと漂っており、パンと勘違いしたパンくいに食べられそうになってしまったことも。言葉を覚えている途中段階のようで片言口調。全ての物に存在する意味がある事をオチビサンに諭す。

場所

豆粒町 (まめつぶちょう)

その名の通り、とても小さな小さな町だが、春夏秋冬、豊かな自然と穏やかな気候に恵まれており町内には海もあるが、夏は多くの人間が訪れるため、砂浜にはゴミがあふれてしまう事も。木造の古民家が並んでいる。町中には黄色と緑の2両編成の小さな電車が運行しており、オチビサンはそれを見かけるたびに、なぜか追いかけてしまう。 鎌倉がモデルとなっている。

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