オールドファッションカップケーキ

オールドファッションカップケーキ

同性同士、社内恋愛、年の差とさまざまな問題を抱えつつも、純粋に愛し合う野末と外川実の姿をシリアスに描いたラブストーリー。なお、コミックス第1巻のタイトルは『オールドファッションカップケーキ』だが、第2巻は『オールドファッションカップケーキ withカプチーノ』とサブタイトルが付いている。「ihr HertZ」2019年3月号から2021年5月号にかけて掲載された作品。

正式名称
オールドファッションカップケーキ
ふりがな
おーるどふぁっしょんかっぷけーき
作者
ジャンル
同性愛
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あらすじ

野末と外川の女の子ごっこ

39歳で独身の野末は、現在の生活に特に大きな不満もなく、変わり映えのない日々を過ごしていた。そんなある日、野末は部下の外川実との外出中、ふと若い女の子たちのキャピキャピとした会話がうらやましいとつぶやく。すると外川は野末に対して「女の子ごっこ」をしないかと提案し、その日から曜日を問わず、二人はパンケーキ店や動物園など、若い女の子が好みそうなモノや場所を楽しむ遊びを始める。これまで仕事に明け暮れ、特に楽しみもないまま年を重ねてきた野末にとって、外川との外出は大きな楽しみの一つになっていく。「女の子ごっこ」を通して、時には些細(ささい)なすれ違いがありながらも、野末と外川は距離を縮めていく。その一方で、二人にはそれぞれ女性との出会いや交流があり、この関係も長く続かないのだろうとお互い理解していた。そんな中、野末は外川の女性関係の話を聞くと心が乱れるようになり、自らが外川をどう見ているのかがわからなくなっていく。時を同じくして、外川はずっと野末に好意を抱いていたことを打ち明けるが、野末に負担をかけたくないからと、このまま上司と部下の関係でいさせて欲しいと告げる。

野末と外川の未来

野末外川実は交際をスタートさせ、平日もほぼ野末の自宅から時間差で通勤するようになっていた。そんなある日、野末は自分が使わなくなった高級ブランドのネクタイを外川にプレゼントしたところ、柿谷から大切にしていた思い出の品なのに、なぜ部下の外川に渡したのかと指摘を受ける。完全に気が緩んでいると感じた野末は、このままでは二人の関係が社内にばれてしまい、外川に迷惑がかかるのではないかと不安を覚える。そこで野末は恋に溺れている自分が冷静に行動ができるまで、外川と距離を置くことにする。しかし周囲に、二人の関係がばれても構わないと肝っ玉が据わっている外川と、保守的な野末は意見が合わず、初めての喧嘩(けんか)へと発展してしまう。さらに外川は野末に対して、二人の将来のことを考え、転職活動をしていることを打ち明ける。野末は自分との交際のため、外川の人生をも変えてしまうことに罪悪感を覚えて転職をやめさせようとするが、外川は自分にとっても必要な選択だからと意見を曲げない。二人の関係はますますこじれていく一方で、野末は自分が想像しているよりも、外川が大切な存在になっていたことに気づく。

登場人物・キャラクター

野末 (のずえ)

一般企業の営業部に所属している独身男性。年齢は39歳。上司や部下からの信頼も厚く、ビジネススキルも高いながら出世欲はあまりない。20代から30代まで仕事に打ち込み、もうすぐ40歳になるが、特にしたいことも目標もなく、毎日を平凡に過ごしている。若い女の子のキラキラとした楽しそうな姿にあこがれ、その思いをふと部下の外川実の前で口にしたことで、若い女の子が好きそうなモノや場所を楽しむ遊び「女の子ごっこ」をしようと彼から誘われ、流されるままに二人きりの時間を過ごすようになる。穏やかな人のよさそうな顔立ちで、女子社員からは母性本能をくすぐる癒し系として非常に人気が高い。また社外にも女性ファンがおり、指名を受けて営業に行くこともある。温和な性格の平和主義者で家事能力も高く、特に料理を得意としている。

外川 実 (とがわ みのる)

野末と同じ会社の営業部に所属している独身男性。年齢は29歳。野末の部下にあたる。仕事ぶりもまじめで優秀なことから、野末からの信頼も厚い。以前から野末に好意を抱いており、彼が若い女の子のキラキラとした感じにあこがれていると聞き、女の子が好きそうなモノや場所を楽しむ遊び「女の子ごっこ」をしようと提案した。考えていることが顔に出ないため、クールな性格だと思われがちだが、実際は一途で情熱的な一面を秘めている。

柿谷 (かきたに)

野末と同じ会社に勤務している30代の男性。野末と桐島の同期にあたる。野崎とは飲みに行ったり、お互いの近況に関して報告し合ったりと、仕事だけでなくプライベートでも親しくしている。出世欲もなく、ただ毎日をなんとなく過ごしているだけの野末を心配している。ぶっきらぼうな口調のため、おおざっぱな人物に見られがちだが、他人の細かな変化も見逃さない繊細な一面を持つ。

桐島 (きりしま)

野末と同じ会社に勤務している30代の女性。役職は部長。野末と柿谷の同期にあたる。会社では立場上、野崎の上司になっているが、野末が出世を望んでいないために現在のポジションに留まっていることを知っているため、同等な立場で話すことが多い。バツイチで子供が一人おり、離婚後も仕事を続けていくにあたって前向きなアドバイスをしてくれた野末に感謝し、いつか彼に恩返しをしたいと考えている。

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