オーロラ放送局

オーロラ放送局

南アメリカ大陸と南極大陸の間にぽつんと浮かぶカリン島を舞台に、日本語を話すペンギンたちと人間の小港美優が繰り広げる、不思議に満ちた日々を描いたファンタジー。「LCミステリー」1992年1月号から1993年2月号まで掲載された作品で、コミックス刊行にあたり描き下ろしのエピソードも収録されている。

正式名称
オーロラ放送局
ふりがな
おーろらほうそうきょく
作者
ジャンル
ファンタジー
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概要・あらすじ

小港美優は、カリン島ただ一人の人間としてプクトと一緒に海賊放送局でDJをしている。島のあちこちに残るパジンコ博士の発明品や、海賊ペラドウナのガイコツ軍団、死者の国との結界を封じる岩など、カリン島には不思議がいっぱい。謎を追いかけて解明したり、そのままそっとしておいたり、美優とペンギンたちのちょっと奇妙で、輝きに満ちた冒険の日々は続く。

登場人物・キャラクター

小港 美優 (こみなと みゆう)

カリン島に住むたった一人の人間で、ゴズメダ町の海賊放送局DJ。好奇心が強くて行動力があり、カリン島にゴロゴロ転がっている謎を解くために、不思議な現象に進んで飛び込んでいく。鯨油工場を経営しており、最近景気がいいため塩風丘の土地一帯と伯爵邸を購入した。

プクト

小港美優の相棒として海賊放送局でDJを務めるペンギン。ロックンロールが大好きで、特にジョン・レノンのファン。自分でもギターを演奏するのが趣味で念願の氷ギターを買ったばかり。無鉄砲に謎の解明に飛び込んでいく美優を心配している。

パジンゴ博士 (ぱじんごはかせ)

カリン島の歴史に残る天才博士のペンギン。今でも島のあちこちで博士の作った機械が発見される。博士の発明品である証として、機械のどこかに必ず花押という署名代わりの記号が刻みつけられている。1940年に亡くなったが、月面にパジンコ博士の足跡が残されているため、地球から最初に月に行った生物はペンギンだったことが証明されている。

ウニ頭 (うにがしら)

カリン島のならず者、ウニ頭一家の親分。子分の孝二と光政を引き連れ、いつもお宝を手に入れることばかり考えている。小港美優が掘り当てたパジンコ博士の発明品を奪ったり、女海賊ペラドウナの残した財宝を横取りしようとしたりする。一方で男気のある性格で、ガイコツ軍団に冥界へ連れて行かれそうになった美優を必死で助けたこともある。

ペラドウナ

スペインの海賊のボス。かつてカリン島のゴズメダ町に上陸し、島のどこかに財宝を産めたと言われている。ずっと男性だと思われていたが、実は小港美優にそっくりの女海賊だった。高熱を出して一人だけカリン島に残り、部下たちだけで船出したが大嵐に遭遇して船が沈んでしまった。そのため部下たちはガイコツになってもペラドウナを探し続けており、美優をペラドウナだと思い込んでいる。

バアちゃん

プクトの祖母で呪術師。不思議な力を持ち、小港美優に取り憑いたガイコツも見ることができる。ガイコツを追い払うために、冥界から戻る力を美優に授けた。美優に術師としての才能を見出し、自分の後を継ぐために鍛錬しないかと誘う。

巨母師 (きょぼし)

カリン島に突然現れた新興宗教「ウニ月(ルーナ)神教」の教祖。全身に包帯を巻き、王冠をかぶっている。ロックンロールは神聖な心を冒涜する邪音だと主張し、ロックンロールを流す海賊放送局に抗議するため、信者を引き連れてデモに訪れた。

バロウ

ウニ頭のライバルで、バロウ一家の親分。長年島中を掘りまくり、ペラドウナの残した財宝を探し回っている。ペラドウナ祭の呼び物として、小港美優がゴズメダ町長に頼まれてガイコツ部下を呼びだした時は、ペラドウナが歌った宝の隠し場所を示す暗号を説き、先回りして奪おうとした。

クガク

カリン島の北西部にあるねじれ谷で行方不明になった冒険家。宝石屋の店先でオパールを見ていた小港美優が、ウニ頭に誘われてねじれ谷にオパールを採りに出かけ、町に戻るとクガクが道端に座っていた。しかしその町から住民は姿を消しており、以前に行方不明になった者だけが存在していた。

岩花男 (いわはなおとこ)

鉱物でできた花の中に立っている、岩と植物の中間のような生物で、ねじれ谷で迷子になっていた小港美優とウニ頭が、オパールを見つけて持ち帰ろうとした時に現れた。この谷で鉱物を採ってはいけないと忠告し、聞き入れないものには攻撃を加える。

ミケネ

大西洋で客船から落ちて、漂流していたところをシロナガスクジラに呑みこまれ、長い間腹の中で過ごしていたイギリス人。クジラが「日本語会話」という本を呑みこんでいたため、日本語を話すことができる。同じようにクジラに呑まれた小港美優とウニ頭に、腹の中で出会った。

ラゲモア

キノコを研究している博士。ロックンロールが好きで、小港美優の海賊放送局を楽しみに聞いていた。秋になるとキノコをたくさん送ってくれていたが、行方が分からなくなっており、美優はカリン島に来てから初めてキノコを買った。家族から発見者に100万の賞金が出ている。行方不明になる数ヵ月前に、美優に鍵のかかった箱を送っている。

場所

カリン島 (かりんとう)

南アメリカ大陸と南極大陸の間にある小さな島。日本語を話すたくさんのペンギンたちと、ただ一人の人間である小港美優が住んでいる。島の中央から東部にかけては標高が高く、雨宮岳とダテ山がある。西部は比較的平坦で拓けており、美優の家がある塩風丘やプクトが住むゴズメダ町がある。

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