金の国 水の国

金の国 水の国

長い間いがみ合ってきたA国とB国は、和平の印として互いの国から花嫁と花婿を送り合う約束を結んだ。それぞれの国王たちが抱く思惑のずれに導かれて出会ったA国の王女サーラと、B国の青年ナランバヤルは、次第に心を通わせるようになる。相手を大切に想う気持ちを秘めながら、国を揺るがす事態に飛び込んでいく2人の姿を描く。「月刊flowers」2014年12月号から2016年6月号にかけて不定期に掲載された作品。

正式名称
金の国 水の国
作者
ジャンル
ファンタジー一般
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概要・あらすじ

隣り合いながらも昔からいがみ合っていたA国B国。そこで神様が仲裁に入り、和平の印としてA国は国で一番美しい娘をB国に嫁がせ、B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやることになった。ところが和平に乗り気でないA国のラスタバン3世は、名目上の花嫁としてB国近くに住む王女のサーラを花嫁に指名しつつ、B国には猫を送り、B国のオドゥニ・オルドゥは名目上の花婿としてA国との境の町に住む青年のナランバヤルを指名しつつ、A国には犬を送る。

そうとは知らず、送られて来た猫と犬を伴侶の代わりに可愛がる2人は、偶然に国境で出会う。姉姫たちに夫を紹介するよう言われて困っていたサーラが、ナランバヤルに夫のふりをしてもらったことをきっかけに、2人はA国でともに暮らすようになった。

次第に互いへの想いが胸に育ちはじめ、かけがえのない存在へと変化していくものの、2人とも打ち明けられないでいる。一方でナランバヤルは、水が枯渇しかけているA国に、水の豊富なB国から水路を引こうという計画を進めていた。敵対する2つの国を結び付けようとするこの試みが、やがて国を大きく動かしていく。

登場人物・キャラクター

サーラ

A国の第93王女。おっとりした性格で、食べるのが大好きなぽっちゃりした娘。気は優しいが、ナランバヤルが責められると必ずかばう芯の強さも併せ持つ。美しい姉姫たちとは違う自分の外見にコンプレックスを抱いている。ナランバヤルが結婚していると勘違いしており、思いを寄せながらも打ち明けることができないでいる。

ナランバヤル

A国との境にある町に住むB国の青年で、図書館長の息子。土木関係の設計技師をしている。ややお調子者で口が上手いが、仕事には真面目で、サーラには誠実で思いやりに満ちた態度で接する。仕事への熱意と、サーラを助けたいという思いから、B国からA国へ水路を引く計画を左大臣のムーンライト=サラディーンに提案する。

ばあや

サーラに仕える老婦人。おっとりしたサーラをいつも心配しており、自分が守らねばと常に気丈に振る舞っている。気が強くしっかり者で、ナランバヤルをサーラが連れて来た時には問答無用で締め出した。ナランバヤルの人柄を知ってからは、友好的な関係を築く。料理がとても上手。

ルクマン

ナランバヤルの代わりに、花婿としてA国に送られた子犬。やんちゃで食いしん坊だが、とても賢い。散歩中にB国との国境に迷い込み、穴に落ちてしまう。それをナランバヤルに助けられ、サーラと出会うきっかけになった。

サーラの代わりに、花嫁としてB国に送られた片耳が黒い子猫。ナランバヤルに懐いていて、よく頭や肩の上に乗っている。「オドンチメグ」という名前は「星の輝き」という意味。ナランバヤルがルクマンを助けた時に、... 関連ページ:オドンチメグ

ナランバヤルの父親。B国で図書館長をしている。穏やかで理知的な性格だが、ナランバヤルに似て口が上手く、ひょうひょうとしたところがあり、腹も据わっている。ナランバヤルを探してB国に迷い込んだオドンチメグ... 関連ページ:サンチャル

ウーリーン

ナランバヤルの姉。ナランバヤルを探してB国に迷い込んだオドンチメグを追いかけて来たサーラと出会う。物事をはっきり言う竹を割ったような性格で、おっとりのんびりしたサーラを当初は頼りなく感じるが、その優しさと芯の強さに気づき好感を持つようになる。

A国の王様付きの祈祷師で右大臣を務める男性。先のB国との戦争でピリパッパが祈っていたからA国が優勢だったとラスタバン3世が盲信している。ラスタバン3世とは10年前にマッサージ屋として出会い、持病の頭痛... 関連ページ:ピリパッパ

A国の第1王女。愛人のムーンライト=サラディーンを左大臣にしている。父親のラスタバン3世がB国に美しい娘ではなく猫を送ったことを知りながら、サーラにB国の夫を連れて来るよう命じて、縁談の背後にある2つ... 関連ページ:レオポルディーネ

レオポルディーネの愛人で、A国の左大臣を務める男性。歌って踊ってトークもできる、A国一のイケメン俳優。デビュー当時のキャッチコピーは「漆黒の砂漠の夜を照らす月明かり」。北の遊牧民の出身で、5年前にA国... 関連ページ:ムーンライト=サラディーン

レオポルディーネに仕える暗殺部隊の女性。目の部分だけを出した黒ずくめの衣装を身に着けており、素顔も年齢も不詳。小柄だが、そうとうに腕が立つ。陰で暗躍する部隊らしい非情な性格で、ピリパッパの親衛隊バウラ... 関連ページ:ライララ

アジーズ

A国一の建築家の男性。自らが手がけた建築物が立ち並ぶ町に、1000年先まで多くの人が住み続けることを望んでいるため、B国を占領して移り住むという開戦派には反対している。ナランバヤルが持ち込んだ水路の設計図を見て、計画に参加することを即決した。

ジャウハラ

A国の知識階級の学者で、ピリパッパに逆らって投獄されていた男性。ナランバヤルの要請により解放された。強面で口が悪く、学者というより凶悪犯のような立ち居振る舞いだが、その実30か国語を操り、建築の知識も豊富。かつての敵国だったB国から来たナランバヤルの危険な立場を理解しており、護衛役も務める。

バウラ

ピリパッパに仕える親衛隊。スパイとしてナランバヤルとムーンライト=サラディーンの会話を盗み聞きしていたため、A国の水が枯渇しようとしていること、その解決策としてB国から水路を引こうとしている計画を知ってしまう。それをライララに悟られ、家族を人質に取られることとなる。

A国を統治する国王で、サーラとレオポルディーネの父親。その名は900年前にA国を治めていたラスタバン2世にちなんでいる。ラスタバン2世は唯一B国と国交交渉を行った王であり、そのためA国では現在に至るま... 関連ページ:ラスタバン3世

B国を統治する族長の男性。A国から花嫁として子猫が送られて来ていることを知らず、A国一美しい娘が嫁いで来ていると思い込んで、ナランバヤルの故郷の町まで顔を見に来る。かなりの面食いで、サンチャルから嫁の... 関連ページ:オドゥニ・オルドゥ

場所

A国

24時間、欲しい物が欲しい時に手に入る、稀代の商業国家として繁栄を誇っている。貿易の中継点として栄えてはいるが、国土のほとんどが砂と岩で覆われており、天然資源に乏しく、とりわけ水資源は枯渇しかけている... 関連ページ:A国

B国

水と緑の豊かな国だが、A国との戦争で長い間商業ルートを封鎖されていたため備蓄はほとんどなく、国民の生活は貧しく、国の体力も残っていない。「限りない」を意味する「ヘムジールシグィ」という名前の高山があり、この山の上には一年中雨が降り、絶え間なく水が湧き出る。

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