あらすじ
扇谷颯太は、中学最後の駅伝大会で転倒して棄権したためにタスキをつなげることができず、それが原因で高校生になった今でも全力で走ることができないでいた。転倒時に負った足のケガは完治しているものの精神的な面は治っておらず、高校では部活に所属せずに落ち込む日々を送っていた。そんな颯太を心配した姉の扇谷亜弓は、気分転換のために颯太を荷物持ち役として買い物に付き合わせる。文句を言いながらも荷物持ちをする颯太は、街である一枚のポスターを見つける。そして、そのポスターに写っている守山啓介から声をかけられ、これがトレイルランニングであることを知る。守山からトレイルランニングの魅力を聞かされた颯太は、週末トレイルランニングの体験会に誘われる。颯太は亜弓と共に参加し、最初は足のこともあって乗り気ではなかったが、山の中を走っているうちに日常とは違う風景に感動するのだった。体験会後、トレイルランニングに興味を持った颯太は、守山から話を聞いたり、いっしょに走ったりして本格的にトレイルランニングに取り組むことを決める。そして守山から、駅伝方式で富士山の周辺を走るトレイルランニング「ウルトラトレイル・マウントフジジュニア」の神奈川県代表を決める予選レースに出てほしいと頼まれる。
登場人物・キャラクター
扇谷 颯太 (おうぎや そうた)
鎌倉にある県立鎌倉浜高校の1年生の男子。仲間思いで負けず嫌いな性格をしている。中学最後の県予選の駅伝大会で仲間のためにがんばる気持ちが空回りし、転倒して大ケガを負う。タスキをつなげることができずにチームも途中棄権となり、仲間に迷惑をかけてしまったことをずっと気にしている。そのため、全力で走ろうとすると当時のことを思い出してしまい、以前のように走れなくなっている。しかし、街で偶然出会った守山啓介からトレイルランニングのことを聞き、体験会に参加したことでトラウマを克服する。その後、真剣にトレイルランニングに取り組むことを決める。トレイルランニングは初心者ながらランナーとしての能力が高かったため、レースでは好走する。
守山 啓介 (もりやま けいすけ)
プロのトレイルランナーをしている男性。トレイルランニングのレースに参加する傍ら、トレイルランニングを広める活動を行っており、興味を示した扇谷颯太をトレイルランニングの世界に誘う。ランナーとしても実力者で、人当たりがよくて教え方も上手なために幅広い層から人気がある。
氷室 一馬 (ひむろ かずま)
扇谷颯太がトレイルランニングの体験会で出会った高校1年生の男子。地方のトレイルランニングの大会で何度も優勝している実力者。守山啓介の知り合いでもある。無愛想な性格で、他人とできるだけ接点を持たないようにしている。
クレジット
- 企画協力
-
YAMAP