カツカレーの日

カツカレーの日

西炯子の代表作の一つ。現代日本を舞台に、両親がわずか5年で離婚した経験から恋愛結婚に夢を抱けなくなった斎藤美由紀と、カフェのノートを通じて出会った謎めいた男性、高橋美紀を中心に描かれる、恋愛模様と人生観を綴ったラブストーリー。小学館「flowers」2015年1月号から12月号にかけて連載された作品。

正式名称
カツカレーの日
ふりがな
かつかれーのひ
作者
ジャンル
ラブコメ
 
恋愛
レーベル
フラワーコミックス α(小学館)
巻数
既刊2巻
関連商品
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大人の婚活と人生の物語

本作は、30歳を目前に恋人と別れた美由紀が婚活を始め、自分らしい幸せを見つけていく姿を描いた大人のラブストーリー。物語は、読書カフェに置かれた一冊のノートをきっかけに始まり、美由紀はそこで出会った謎めいた男性、美紀とノートを通じて交流を深め、これまでの人生や価値観を見つめ直していく。当初はノートでのやり取りだけだった二人が、やがて直接会うことで互いに影響を与え合い、少しずつ変化していく様子がヒューマンドラマとして展開される。また、アラサーの美由紀が抱える結婚や人生への焦りや葛藤が、繊細な心理描写によってリアルに表現されている。

交換日記が紡ぐ不思議な関係

大恋愛の末に結婚した両親の失敗を見て育った美由紀は、現実を見つめ直し、同棲していた売れない劇団員の一法師護に別れを告げる。友人の勧めで結婚相談所に登録し婚活を始めるものの、なかなかうまくいかない。そんなある日、偶然立ち寄ったカフェのノートに、美由紀は婚活の愚痴や悩みを書き込む。後日、そのノートに見知らぬ誰かから辛辣な返事が書かれているのを見つけ、顔も知らない相手との不思議な交換日記が始まる。やがてノートの相手と直接会う約束をするが、待ち合わせ場所に現れたのは、なんと会社の同僚で年上の男性、美紀だった。

揺れる心と運命の選択

カフェで知り合った高橋美紀との出会いをきっかけに、美由紀はさまざまな悩みを彼に相談するようになり、次第にその存在に依存していく。一方、美由紀との結婚をあきらめきれない元恋人の護は、劇団を辞めて就職活動に励んでいた。また、婚活で出会った野田との関係にも進展が生まれる。職場の同僚や婚活の先輩たちから多くの助言を受けながら、美由紀は悩みつつも自分の人生を模索し始める。そんな中、親戚から聞かされたのは、離婚した両親が亡くなるまで互いに愛し合っていたという衝撃的な事実だった。これまでの価値観が揺らぎ、美由紀の心は大きく揺れ動く。謎に包まれた美紀の正体、そして美由紀の選択がもたらす感動的な結末が見どころとなっている。

登場人物・キャラクター

斉藤 美由紀 (さいとう みゆき)

竹清水建設の設備設計部に勤務する女性。年齢は28歳。両親がわずか5年で離婚した経験がトラウマとなり、ふつうの恋愛結婚では幸せになれないと思い込んでいる。そのため、愛情を理解することが苦手で、恋愛に対してどこか冷めたところがある。恋愛感情を抜きにした結婚を目指し、同棲していた売れない劇団員の恋人、護に別れを告げ、お見合い組織に登録して婚活を始める。しかし、計画性のない婚活はすぐに行き詰まってしまう。そんな中、悩みを書き込んだ読書カフェのノートを通じて、顔も知らない美紀との交流が始まり、反発しながらも次第に親近感を抱くようになる。

高橋 美紀 (たかはし よしのり)

竹清水建設の事業部に勤務する中年男性。橋梁建設一筋のベテラン技術者で、これまで海外支社の現場最前線で活躍してきたが、最近日本へ帰国した。帰国後、カフェのノートを通じて美由紀と出会い、婚活に悩む彼女に対して当初は厳しく辛辣な助言を送っていたが、次第に不器用ながらも彼女を気にかけるようになる。生涯現場で働き続けたいという思いから、将来的には海外で建設会社を設立することを夢見ている。好物はカツカレー。

書誌情報

カツカレーの日 2巻 小学館〈フラワーコミックス α〉

第1巻

(2015-07-10発行、978-4091374349)

第2巻

(2016-01-08発行、978-4091382344)

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