世界観
作品が描かれた背景
原作の河原和音が担当編集者との雑談で「アルコさんの描く男性が好き」と話したところ、「原作書いてみます?」との話になり、アルコからも快諾され描かれることとなった。猛男のイメージは男にモテるタイプの男子として「ごうだ!とかたけお!といった感じ……」というくらいの注文で作られたという。砂川誠については「イケメン」としか指定がなかったようだ。
作品構成
基本的には猛男と凛子の恋を中心に、モテるけど彼女を作らない砂川誠や、砂川の姉・愛、猛男たちと同じ集英高校に通う同級生たちの恋模様を描いている。
あらゆる男性に好かれる猛男と、あらゆる女性に好かれる砂川の対比も見どころ。
あらすじ
筋骨隆々で身長2mの剛田猛男と幼なじみで親友の砂川誠を中心に進む物語。2人が電車内で痴漢をされている大和凛子を助けたことから猛男と凛子の関係がスタートする。猛男は普段から女性にはモテず、自分が好きになる女の子はみんな砂川を好きになっていたため、今回も砂川が好きなのだと思い込み、実際には猛男に恋をしていた凛子に砂川を薦めるようなことを言って泣かせてしまう。泣いてしまった凛子に動揺した猛男が砂川に相談すると、彼は凛子の気持ちを察しており、猛男を諭し、さらに後から相談しにきた凛子に猛男が隠れている部屋で告白させて猛男との恋を実らせる。
主に猛男と凛子が恥ずかしがりながらも少しずつ進展を見せていくストーリーを中心に、猛男に思いを寄せる砂川の姉・愛や、猛男を師匠と呼び慕う西城まりやの恋心、幼稚園時代から砂川に恋をし続ける天海悠紀華のアタックを描くなど、サイドストーリーも充実している。主なエピソードは下記を参照。
猛男と凛子が付き合うまで
猛男と砂川が電車に乗っていると怪しい男に痴漢されている凛子を見つける。正義感あふれる猛男はすぐに助けに入り痴漢を撃退。その際、痴漢の言動に憤慨した猛男は相手を殴り停学に。その後、助けた縁で凛子と会うようになり、二人の恋が始まる。
砂川愛の失恋
実家を離れて大学に通う砂川誠の姉・砂川愛が休暇に帰ってくると、小さい頃から密かに思いを寄せていた猛男に彼女が出来たと知り号泣。猛男が悪い女にだまされていないか心配な愛は、凛子に会って真意を確かめようとする。
二人の同級生同士の合コン
凛子の同級生で彼氏のいない女子たちと、猛男の同級生の彼女のいない男子たちで合コンが開かれることに。凛子の印象のままに猛男について聞いていた女子たちは、彼の容姿に驚き戸惑ってしまう。しかし、合コン会場が火事になり、そこで体を張って助けに向かった猛男を見て、考えを改めるのだった。
柔道部への助っ人
ライバル校との試合に向けて高校の柔道部から助っ人を頼まれた猛男。二つ返事でOKした猛男を凛子は差し入れでサポートする。
誕生日と砂川の父
凛子の誕生日が近いことを知った猛男。誕生日プレゼントを用意するためにバイトをして奮闘するが、なぜか砂川に元気がない。問い詰めると父親の手術が同日だという。デートを取るか、親友を取るか。猛男の漢が試される。
ピクニック
山の中にピクニックに来た猛男と凛子。しかしひょんなことから崖を落ちて遭難してしまい、二人だけの夜が訪れる。
みんなで海へ
高校の同級生たちと海に行くことになった猛男たち。凛子はいつも猛男にドキドキさせられていると考え、今度は自分がドキドキさせたいと魅力的な水着を選ぶ。
砂川誠の誕生日
親友の誕生日を祝うため、映画とプレゼントを贈る猛男と凛子。素直に喜んでくれる砂川に猛男は満足するのだが、その帰り道、かつて猛男が好きだった女子に出会い、凛子との関係に暗雲が立ち込める。
一緒の学校を目指す受験勉強
猛男と凛子の同級生同士が集まりスケートへ。そこでの楽しい時間から、一緒の学校だったらと思う二人。同じ大学を目指したいと考えた猛男は、凛子が目指す紫藤大学を目標に勉強を始めるのだった。
砂川愛と織田隼人
いまだに猛男への思いを振りきれない愛が休みに実家に帰ってくるが、彼女に恋する大学の同級生・織田隼人も、愛を追って猛男のもとへやってくる。
西条まりやと猛男
体育祭でリレー選手に選ばれたが、足に自信のない西条まりやは猛男と一緒に練習することに。苦手ながらも猛男とともに頑張り、見事クラスは1位に。親身になって練習に付き合ってくれた猛男に、西条は意を決して告白するが、彼女である凛子を前にして「人間として好き」と言い換える。
栗原と菜々子
それぞれの同級生たちでクリスマスを過ごすことになった猛男と凛子。猛男のクラスメイトの栗原は、いつも一緒に遊ぶ凛子の同級生・菜々子に告白することを決意する。菜々子もまんざらでもない雰囲気だが、デリカシーのない栗原に対し、イライラしてしまうのだった。
正月と誕生日
猛男の誕生日である1月1日。誕生日ケーキを持って猛男のもとを訪れる凛子だったが、実は心に秘めたある考えがあった。それは猛男とキスをすることであった。
母の出産
出産が近づくが変わらず家事に勤しむ母を見て、体に負担はないかと心配する猛男。そんな心配をよそに母はいつもどおりに過ごす。しかし母が階段から落ちそうになった妊婦を助けた際に、事態は急変。タクシーで病院へ行き、そのまま入院することになる。
バレンタイン
今までに一度も本命チョコを貰ったことがなかった猛男に、彼女が出来て初めてのバレンタインデーが到来する。しかし、帰りに凛子と会うも、チョコをもらえず、先に帰って欲しいといわれ、猛男は意気消沈する。
バレンタインの手紙
バレンタイン以降、誰かの視線を感じている猛男。度々振り返るが中々見つけることが出来ずにいたが、ついに視線の主を発見。その正体は、幼稚園時代から砂川に思いを寄せる天海悠紀華だった。天海に声をかけるが、驚かせて手紙を川に落とさせてしまう。
猛男と凛子の父
春が来て、2年生となった猛男たち。二人で下校している最中に凛子が足をくじいてしまい、家までお姫様抱っこで連れて帰ることに。家に着くと玄関の前には凛子の父が。期せずして父と対面することとなった猛男は緊張のあまり、挨拶だけして帰るのだった。その後、凛子の父からお礼のために自宅へと招待される。
姉さんと織田
いまだに猛男を忘れられない愛と、彼女にしつこくアピールを繰り返す織田。愛が休暇に実家へと向かうと、またもや織田は追いかけてくるのだった。今回は猛男のもとに身を寄せ、いまだ叶わない彼女への想いを語る。
凛子のアルバイト
小さい頃からお菓子作りが大好きだった凛子には、世界一だと思っているケーキ屋があった。猛男と砂川を連れて、その店を訪れると、そこにはバイト募集の張り紙が。すぐに面接を受け、凛子は憧れの店で働くことになる。
メディアミックス
テレビアニメ
2015年4月から9月にかけて全24話が放送された。深夜帯でのアニメではかなり高い3.4%という視聴率を記録した。
実写映画
2015年10月31日公開。映画『鈴木先生』の河合勇人が監督を務め、主人公剛田猛男役は鈴木亮平、ヒロイン大和凛子は永野芽郁が演じる。鈴木は猛男役を演じるにあたり、30キロの増量をして挑んだことで話題になった。
登場人物・キャラクター
剛田 猛男 (ごうだ たけお)
角刈りに太い眉、厚い唇で逞しい巨体の男子。集英高等学校1年生。不器用で正直、一途な性格。正義感が非常に強い。同級生の砂川誠は幼馴染で親友。大和凛子と付き合うことになる。大和凛子からは「たけおくん」と呼ばれている。運動は得意だが勉強は苦手。中学時代は柔道部だった。
大和 凜子 (やまと りんこ)
ロングヘアの女子。小泉女学園高等学校1年生。おっとりして感受性がとても豊かな性格。剛田猛男からは「大和」と呼ばれている。一目惚れした猛男と付き合うことになる。付き合い始めてからも度々猛男を見惚れてしまう。特技はお菓子作り。
砂川 誠 (すながわ まこと)
イケメンの男子。集英高等学校1年生で、剛田猛男の幼馴染で親友。剛田猛男からは「すな」と呼ばれる。口数は少なくクールな印象だが、その実、細やかな気配りができる。猛男に対してもぶっきらぼうだが、深く信頼している。成績優秀。
砂川 愛 (すながわ あい)
砂川誠の3歳年上の姉。セミロングの大人の女性。名古屋にある桜咲大学1年生。剛田猛男とも顔なじみで、彼からは「姉さん」と呼ばれている。しっかり者で面倒見のいい性格。
栗原 オサム (くりはら おさむ)
アフロヘアが特徴の男子。集英高等学校1年生で、剛田猛男と砂川誠の友達。お調子者で、いざというとき頼りにならない性格。剛田猛男の彼女・大和凛子の友人奈々子に好意を寄せるようになる。
菜々子 (ななこ)
ショートヘアの女子。剛田猛男の彼女・大和凛子の友達で、同じ小泉女学園高等学校1年生。合コンで剛田猛男の悪口を言っていたが、直後に起きたビル火災で彼に助けてもらい考えを改める。大和凛子と一緒に剛田猛男に会ううちに、剛田猛男の友人・栗原オサムに好意を寄せられるようになる。
アユ
セミロングで前髪を切り揃えた女子。剛田猛男の彼女・大和凛子の友達で、同じ小泉女学園高等学校1年生。合コンで猛男の悪口を言っていたが、直後に起きたビル火災で彼に助けてもらい考えを改める。
剛田 ゆり子 (ごうだ ゆりこ)
パーマにピアス、いかつい身体が特徴の女性。剛田猛男の母で、40歳にして第2子を授かる。内臓年齢は22歳と判定された。旧姓は竹中。働き者で、妊娠中も変わらず家事をこなし、常に人の事を気遣う。
剛田 豊 (ごうだ ゆたか)
色黒で濃い顔をした男性。顔が濃く、常に微笑みの表情を崩さない。剛田猛男の父。会社の同期だった竹中ゆり子(のち剛田ゆり子)に惚れて結婚する。
佐藤 (さとう)
ボブヘアーの女子。高校1年生。剛田猛男とは同じ中学。同じ委員会だった猛男は彼女に好意を持っていたが、本人は猛男の親友・砂川誠が好きだった。高校は別々だったが、電車の中で再会する。
織田 隼人 (おだ はやと)
イケメンの優男。名古屋の桜咲大学1年生で、剛田猛男の親友・砂川誠の姉、砂川愛と同じゼミ。明るく社交的で少々チャラい。砂川愛に好意を持つ。猛男の姿を見に、名古屋から出てきた。
西城 まりや (さいじょう まりや)
身長145cmと小柄で、胸の大きな女子。集英高等学校1年生で、剛田猛男と砂川誠のクラスメイト。猛男を「師匠」と呼ぶようになる。
剛田 真希 (ごうだ まき)
つぶらな瞳に逆立った髪の女の赤ちゃん。剛田猛男の16歳年の離れた妹。出産時の体重は4200g。猛男の親友・砂川誠はこの赤ちゃんを可愛がっている様子。
天海 悠紀華 (あまみ ゆきか)
ショートヘアに眼鏡が特徴の女の子。集英高等学校1年生。剛田猛男と砂川誠とは幼稚園から高校まで一緒。控え目でおとなしく、誰に対しても敬語で話す。
クレジット
- 原作