カルドセプト

カルドセプト

ゲームソフト「カルドセプト」の世界観をもとに描かれたファンタジー作品。古のカードに秘められた力を巡り、魔力を持つセプターたちが冒険と戦いを繰り広げる。漫画版オリジナルキャラクターのナジャランを主人公に据えた独自のストーリーが展開するなか、ゼネスやホロビッツなど原作ゲームのキャラクターも多数登場する。「マガジンZ」1999年9月号から2007年9月号にかけて不定期に掲載されていたが、掲載誌の休刊により未完となっている。原作ゲームの「カルドセプト」は大宮ソフトが開発したトレーディングカード・ボードゲーム。スゴロクにカードバトルの要素を加えた独自性の強い作品で、大宮ソフトを代表する人気シリーズとして知られている。

正式名称
カルドセプト
ふりがな
かるどせぷと
作者
ジャンル
ファンタジー
関連商品
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概要・あらすじ

見習いセプターナジャランは、各地でレアカードの略奪を繰り返す黒のセプターの情報を求めて、砂漠の町ソロンを訪れる。ひょんなことからセプターバトル大会へ出場することになったナジャランは、のちにライバルとなるゼネスとの死闘を経て、大会の暗部に潜んでいた黒のセプターの一人、デプテラと邂逅。

ゼネスの助力を得てデプテラを退けるも、この戦いは創造の書を巡る壮大な冒険の序曲に過ぎなかった。

登場人物・キャラクター

ナジャラン

ショートカットで、小麦色の肌の大きな耳飾りが特徴の少女。人頭杖のゴリガンを肌身離さず持ち歩いている。細身だがかなりの大食漢で、その旺盛な食欲で周囲の人間を唖然とさせることも多い。火山島ギルマンでセプター修行に励んでいたが、師匠のホロビッツに黒のセプターの情報収集を頼まれ、旅に出ることになる。 風属性クリーチャーを主体としたブックを編成し、騎士をアイテムで強化する戦法、雷を発する翼竜サンダービークの背に乗って飛び回る戦法を得意としている。

ゴリガン

ナジャランの所有する人頭杖で、頭部は禿頭で白髭の老人のような容姿。カードやクリーチャーに関するさまざまな知識を持つが、名前以外に自らのルーツを憶えていない。ナジャランのお目付役として仕えるも、鈍器として振り回されたり、物干し竿として洗濯物を干されるなど気苦労が絶えない。また、おまけページによれば「ゼネスに強打」という茶目っ気に溢れた特殊能力が秘められている。

騎士 (ないと)

ナジャランの所有するクリーチャー。西洋甲冑のような容姿で、身の丈はナジャランの倍以上もあり、時にはナジャランを肩に座らせることもある。性格は騎士道精神に溢れ、正々堂々とした戦いを好む。ナジャランのブックの中でも極めて高い使用率を誇る主力カードであり、時にナジャランの剣として敵を切り裂き、時にナジャランの盾としてその身を守る。 元々はナジャランの父親バノッツに仕えていた。

ケット・シー (けっとしー)

ナジャランの所有するクリーチャー。二足歩行のネコ型妖精。マントに覆われた胴の部分は空洞で、間に水晶が浮かんでいる。人の言葉を話せるが、語尾に「ニャ」を付けてしまう。呪文(スペル)カードを無効化・吸収する力を持ち、その能力でナジャランの窮地を救う活躍を見せた。元々はチミノの所有物で、用途のわからないゴミカードとして扱われていた。

リビングスピア

ナジャランの所有するクリーチャー。兄弟のリビングソード、リビングシールドと共にグルベルの館で門番をしていたが、ナジャランに魅せられて同行を申し出た。甲冑とスピアを組み合わせたような容姿で、武器でありながら自らの意思で動き、話すことができる。身体をスピアに変形させることで、騎士の強力な武器として活躍する。

ゼネス

左の眼窩に竜眼を宿したセプター。竜眼の影響で小さな牙が生え、耳は尖っている。左腕に大きな秘密を持っており、その力を行使すれば街を丸ごと消し去ることも可能。戦闘狂の気があり、呪文(スペル)カードによる大量破壊やクリーチャーの乱用によって7つの国から賞金首として追われている。セプターバトル大会でナジャランと死闘を繰り広げ、彼を一方的に宿命のライバルとして認定した。 以降はことあるごとにナジャランに勝負を仕掛けるようになる。

チミノ

第5回セプターバトル大会の出場選手で、スキンヘッドの大男。砂漠の町ソロンのレストランで揉め事を起こし、ナジャランが大会に出場するきっかけを作った。ゴブリンを主体としたブックを編成しており、自らのクリーチャーに自爆戦法を強いるなど勝利のためには手段を選ばない。ナジャランに初めて実戦の恐怖を与えたセプターでもある。

オーエン

第5回セプターバトル大会の出場選手で、第4回セプターバトル大会の準優勝者でもある。一見すると物腰柔らかな紳士だが、その正体は「南部の虎」として恐れられた凄腕のセプター。ローブに覆われた肉体には歴戦の証である無数の傷が刻まれている。

アルタ

ビスティームの村でナジャランと出会った探索人の女性。頭の後ろで結んだ髪と耳当ての付いた帽子が特徴。身のこなしが軽く、錠開けが得意。技能を活かして数々の遺跡に挑み財宝を手に入れてきた実績がある。ナジャラン、ホアキン、ガンツを誘ってビスティーム遺跡を目指す。

ホアキン

ビスティームの村でナジャランと出会った錬金術士の青年。危険な薬品を大量に持ち歩いている。丸メガネにカボチャのような帽子と三つ編みが特徴。名門ボージェスアカデミーに通う学生で、天才を自称している。ナジャランに朝食として試験段階の薬品サンプルを食べさせるなど、マッドサイエンティストの素養が見え隠れする。本に載っている知識を妄信しており、実体験よりも本の内容を重視する傾向がある。

ガンツ

ビスティームの村でナジャランと出会った斧使いの男。ずんぐりとした体型の中年で、顔の半分ほどが髭に覆われている。元々は城砦都市ロカの守備隊で小隊長を務めていたが逃亡し、アルタに腕を見込まれて用心棒となった。大木を素手で振り回すなど人間離れした膂力を持ち、人外のネペンテスと互角に切り結ぶなど武器の扱いにも長けている。 実戦経験の豊富な頼れる用心棒だが、酒が切れると禁断症状に襲われ、途端に廃人化するという弱点がある。

キギ

地上で最も美しいと讃えられた風の妖精族エルフの少女。ビスティーム遺跡を守護する使命を持ち、4つの試練を用意してナジャランたちを待ち受ける。弓矢を取らせれば百発百中の腕前を誇り、魔力を込めて射た時の威力は重甲冑を容易く貫くほど。セプターとしても一流であり、ナジャランを圧倒する実力を見せつけた。

長老 (ちょうろう)

ビスティーム遺跡の中心にある大樹、オールドウィロウに命を捧げたエルフの長。神々の戦いが遺した「死の呪い(シニリティ)」に蝕まれ、余命は幾許もない。キギに一族の掟を遵守するように厳しく言いつけているが、時に謝罪を独りごちるなどキギに対する情も持ち合わせている。

ダムダム

宝石を義眼代わりに嵌め込んだ鷲鼻の探索人。配下のダムダム団を使ってお宝を強奪するスタイルを得意とし、同業者のアルタからは探索人のツラ汚しと呼ばれている。ナジャランたちを出し抜いてエルフのお宝を手に入れるべく、ビスティーム遺跡を目指す。

ホロビッツ

グルベル、サルバトールと共に三賢者と呼ばれた伝説のセプター。自らの眼球をくり抜いて両掌に移植し、魔眼として使っている。火山島ギルマンでナジャランにセプター修行を施していたが、黒のセプターの台頭に応じて再び表舞台に立つ。既に老齢に達しているが、鍛え上げた鋼の肉体と熟練のカード捌きは今なお健在。 セプターズギルドの創始者でもあり、その議会の最高理事を務めている。

グルベル

ホロビッツ、サルバトールと共に三賢者と呼ばれた伝説のセプター。尖った耳と腰まで届く長い髪が特徴の女性で、実年齢よりも遥かに若い容姿を保っている。未来視の能力を持っているが、決して覆せない終末を見てしまったことで世界への関心を失ってしまった。今では自らの美貌を高めることだけに心血を注ぎ、ビスティームに構えた館で悠々自適の生活を送る。 性格は非常にサディスティックで、未来視の力を頼って訪れたナジャランにコーンフォークというトウモロコシ型クリーチャーの着ぐるみを着用させて労働を強いた。時期は不明だが、退屈しのぎにカードを集めて世界を征服しかけ、ホロビッツに阻止されたことがある。

サルバトール

ホロビッツ、グルベルと共に三賢者と呼ばれた伝説のセプター。ホロビッツとはギルマンのもとで共に腕を磨いた兄弟弟子であり、無二の盟友。セプターズギルドの立ち上げにも協力した。竜眼の使い道を巡ってホロビッツと訣別するとシャンテニオンに移住。セプターと普通の人間が共存する道を模索していたが、セプター能力が露見したことで悲劇に見舞われた。 ゼネスの命の恩人であり、師であり、育ての親でもある。

TARE・デカプリコ (たれでかぷりこ)

セプターズギルドの所属セプター。幅広のとんがり帽子と外套が特徴。セプターランキング第1位に君臨する実力者であり、議会では議長を務めている。ビスティームで遭難していたナジャランと出会い、グルベルの館まで導いた。ゲームソフト「カルドセプト セカンド」の「マガジンZ杯」で優勝した「TARE」という人物がモデルとなっている。

ルーフ

セプターズギルドの所属セプター。セプターランキングは第2位。長髪と眼鏡、外套が特徴。落ち着いた性格で、TARE・デカプリコやヒュンケルと共に別格の強者として認知される。各地でレアカード警護の指揮をしていたが、黒のセプターとの決戦に備えてエンダネス島に帰還。黒のセプターの本拠地を叩く攻撃部隊の指揮官に任命された。 ゲームソフト「カルドセプト セカンド」の「マガジンZ杯」で2位になった「Loof」という人物がモデルとなっている。

ヒュンケル

セプターズギルドの所属セプター。セプターランキングは第3位。太い眉にもみあげ、甲冑と外套が特徴。豪放磊落な好漢で、TARE・デカプリコやルーフと共に不動のトップランカーとして名を馳せている。ルーフと同様に各地のレアカード警護を務めていたが、攻撃部隊の指揮をするべくエンダネス島に帰還した。 ゲームソフト「カルドセプト セカンド」の「マガジンZ杯」で3位になった「ヒュンケル」という人物がモデルとなっている。

カリン

セプターズギルドの所属セプター。セプターランキングは第4位。眼鏡をかけた大人の女性で、シルクハットや蝶ネクタイなどの装いはマジシャンを思わせる。サーカス団へ売られた過去があり、その後も不幸が重なって人間不信になってしまった。今ではランキングだけが心の支えであり、ランキングを上げるためなら卑怯な手段も辞さない覚悟を固めている。 最高理事ホロビッツの弟子というだけで議会での発言を許されたナジャランを快く思わず、決闘を持ちかける。

コーテツ

セプターズギルドの所属セプター。セプターランキングは第5位。ゴリラのような外見をした白い毛並みの大猿で、人間の言葉を話すことができる。サーカス団でカリンと出会ってからは常に寄り添い、ギルドの任務や決闘ではタッグを組んで行動している。お互いのカードを組み合わせたコンボ攻撃は驚異の一言。性格は好戦的なカリンと比べると穏やかで、なだめ役に回ることが多い。 ちなみに好物はバナナ。

ハイジ

セプターズギルドの所属セプター。セプターランキングは第6位。血走った目、顔の禍々しいペイント、口元を覆うマスク、肩に付けたトゲが特徴。これらが相まってクリーチャーと見紛う恐ろしい風貌を作り出し、カリンにからかわれることもしばしば。度を越した強面のため、発言に関しても誤解されてしまうことが多いが、本人に悪気はない。

ハーシグ

セプターズギルド次席理事を務めるセプター。決闘の審判長も兼任しているが、自らに都合のいい出来試合を組むなど、公平性をまったく持ち合わせていない。最高理事ホロビッツの失脚を望んでおり、ホロビッツの一番弟子であるナジャランの謀殺を画策する。

ギルドマスター

セプターズギルドを牛耳る最高権力者。謎の多い人物で、幹部でさえ会ったことのある者は少ない。エンダネス島を動かす力を持つとされ、「すごい魔法使い」「ギルドの創設前から島の主だった」「呼び出されたセプターは翌朝になると塔に刺さっている」など噂だけが一人歩きしている。その正体はとあるクリーチャーの生き残りであり、千年にわたって誰にも所有されていないワイルドカード。 ホロビッツら三賢者との死闘の果てに契約を結び、その背にギルドの本拠地を乗せて世界の海を回遊するようになった。島内では青い瞳の少女の姿で過ごしている。

ベルカイル

僧衣を纏った長髪の男。人頭杖のバルガンを所有する。人間でありながらバルテアスを信仰しており、ミゴール族でも耐えられない神の深みに近づけるとされている。黒のセプターたちの実質的な指導者として君臨し、カードの完全蒐集(コンプリート)を目指す。

バルガン

暗黒司祭ベルカイルの所有する人頭杖。鋭く尖ったツノと顎、第三の瞳にも見える額の発光体が特徴。すべての人頭杖の上位に位置するマスターロッドであり、世界中に散りばめられた人頭杖から情報を受け取り、所有者に伝達する役目を担っている。

デュラハン

暗黒司祭ベルカイルの所有するクリーチャー。魔将軍を名乗る黒い騎士。本体には下顎より上が存在せず、構えた盾に顔の上部が付いている。ナジャランの騎士以上の巨躯を誇り、リビングスピアで武装した騎士の突貫を軽々と弾き返すなど、底知れぬ実力の片鱗を覗かせた。

デプテラ

風を司る黒のセプター。人頭杖のゴリアスを所有。風属性のカードを主体としたブックを使用する。砂漠の町ソロンにて姿を現すと、風の王ベールゼブブの幼虫を使役してナジャランたちを追い詰めた。ミゴール族の生まれだが、融合手術によって蟲に寄生して顕在化している。

ゴリアス

屍蟲のデプテラが所有する人頭杖。鋭く尖った黒髭と骸骨のピアスが特徴。常に冷静に戦況を分析し、デプテラへ的確な助言を行う。ナジャランの所有する人頭杖のゴリガンを不良品呼ばわりするなど、過去の因縁を感じさせる発言が目立つ。

ネペンテス

地を司る黒のセプター。人頭杖のモヒガンを所有。地属性のカードを主体としたブックを使用する。地の王ダークマスターの復活を目論んでビスティーム遺跡に近づくも、闇の気配をキギに察知されて頓挫。お宝に目が眩んだ人間たちを利用する方法を思いつく。城砦都市ロカの襲撃にも関わっていた。ミゴール族の生まれだが、その身体は融合手術で寄生木と化している。

モヒガン

呪土のネペンテスが所有する人頭杖。角張った鼻と黒髭、兜のような形状の頭部とモヒカンが特徴。他の人頭杖と同じく戦況を見極め、所有者に助言をする役目を担っている。ガンツに両断されながらも意識を保って情報を持ち帰るなど、人頭杖が持つ執念と能力を見せつけた。

フォマルハウト

水を司る黒のセプター。人頭杖のゴリリンを所有。水属性のカードを主体としたブックを使用する。作中で描かれる唯一の女性型ミゴール族であり、その上半身は人間の美女に数種類の海洋生物のパーツを纏わせたような外見。また、下半身は甲殻類の巨大生物と一体化している。

ゴリリン

深淵のフォマルハウトが所有する人頭杖。額にある宝石のような装飾品と波打った髪が特徴。作中に登場する人頭杖としては唯一、女性を模したデザインになっている。フォマルハウトに助言をするときの口調も外見と同様に女性的である。

デュミナス

火を司る黒のセプター。名称不明の人頭杖を所有。火属性のカードを主体としたブックを使用する。その正体は魔力を持った人間の骸で構成された人造セプター。トップランカーを含むセプターズギルドの精鋭部隊を単独で圧倒するなど、その実力は計り知れない。

デュミナスの人頭杖 (でゅみなすのじんとうづえ)

葬炎のデュミナスが所有する人頭杖。カールした口髭、顎髭が特徴。所有者のサポートに徹する他の人頭杖とは違い、自我を持たないデュミナスの実質的な頭脳としての役割を持っている。正式名称は明らかにされていない。

バノッツ

ナジャランの父。セプター能力を持っており、ナジャランのブックに編成されている騎士の元主君でもある。借金を抱えているため、幼いナジャランを連れて逃亡生活を送っていた。普通の人間を相手にカードを開くのは卑怯であるという信念を持ち、セプター以外の人間に対してカードの力を行使することはなかった。その心構えはナジャランにも受け継がれている。

ギルマン

神々の戦いにおいて女神カルドラ陣営の主力として戦った古竜(エルダードラゴン)の一匹。苛烈な戦いの末、新たに誕生した生物である人間に希望を見出し、戦争の語り部となることを決意。自らの体験を宿した竜眼をホロビッツ、サルバトールに託す。

集団・組織

セプターズギルド

ホロビッツが立ち上げたセプターの組織。悪しきセプターを討ち、罪なきセプターを保護する目的で創立された。エンダネス島に本拠地を構え、およそ100年の歴史を持つ。議会によって運営されているが、血の気の多いセプターが議場内で争いを起こすことも少なくない。また、議論が膠着した場合に決闘で決着をつける文化がある。

黒のセプター (くろのせぷたー)

完璧な統制のもとに行動する邪悪なセプター集団。また、その構成員を指す。廃都ナバトに拠点を構え、カードの完全蒐集(コンプリート)を目的として暗躍、略奪を繰り返している。ミゴール族を中心に組織されており、半年で9つの都市を滅ぼすなどその戦力は圧倒的。モルダビア教という宗教団体を使って情報やカードを秘密裏に集めている疑惑もあり、セプターズギルドは対策に追われている。

ダムダム団 (だむだむだん)

ダムダムが金の力でまとめた武闘派の探索チーム。お宝を独り占めするために他の探索人を襲うなど卑劣な行いも辞さないため、同業者からは蛇蝎の如く嫌われている。傭兵崩れの荒くれ者が数多く所属しており、最強の発掘集団を自称。特に「死神(ガイデス)鉄騎隊」と呼ばれる組織から流れてきた人員は猛者揃いだが、あくまで普通の人間で、セプターたちの人知を超えた力に翻弄される。

場所

世界 (りゅえーど)

カルドラが創造の書に記述したことで誕生した世界の名称。バルテアスが起こした戦争の果てに多くの生命が死滅した結果、人間が繁栄して世界の新たな主となった。グルベルら三賢者によって絶対不可避の滅びの未来が予測されている。

バブラシュカ大陸 (ばぶらしゅかたいりく)

物語の主な舞台となる広大な大陸。かつてカルドラとバルテアスが戦ったことから、神秘と伝説の地とされている。創造の書の欠片であるカードが大陸中に散在しており、カードを巡った戦乱が幾度も引き起こされてきた歴史がある。

火山島ギルマン (かざんとうぎるまん)

バブラシュカ大陸東の辺境。かつてこの地に住んでいた古竜(エルダードラゴン)の名がそのまま島の名前となっている。ホロビッツの住処があり、ナジャランはおよそ10年をこの地で過ごした。火口の中央にある洞窟には封印が施され、中にはホロビッツの所持する秘宝・竜眼が安置されている。

城砦都市ロカ (じょうさいとしろか)

難攻不落と謳われた堅牢な都市。黒のセプターであるネペンテスらの奇襲を受けると、大量のクリーチャーと洗脳された兵士で溢れ返る地獄絵図と化した。ガンツを含む守備隊が必死の抵抗を試みたものの、わずか一晩で壊滅。城砦都市陥落の報せは瞬く間に轟き、世界に大きな衝撃を与える結果となった。

砂漠の町ソロン (さばくのまちそろん)

砂漠に囲まれた町。元々は海産物の豊富な港町として栄えていたが、5年前の急な旱魃によって海が干上がり、砂漠化してしまった。領主の発案で始めたセプターバトル大会は好評を博しており、毎年大会の時期になると多くの観光客で賑わいを見せる。

ビスティーム

バブラシュカ大陸の北東部に位置する大樹海。森林そのものが人の侵入を阻むと伝えられる未開の地だが、エルフの都市が遺跡として残っているため、財宝目当ての探索人が後を絶たない。ナジャランは自らの食欲が招いた転送事故で樹海に放り出され遭難。いつのまにかエルフの財宝探しに巻き込まれてしまう。

(むら)

ビスティームにある唯一の人里。他に集落が存在しないため区別の必要がなく、ただ「村」とだけ呼ばれる。財宝の噂を聞きつけた探索人が押し寄せるため、立地の割には活気に溢れている。ナジャランはこの村でセプター能力が露見し囚われの身となるが、アルタたちに救出されて旅の仲間となる。

エンダネス島 (えんだねすとう)

セプターズギルドが本拠地を置く秘密の島。島に住む人間は全員セプターなので能力を隠す必要がなく、クリーチャーが当たり前のように人間と共存している。外界で迫害されることの多いセプターにとって、まさに安息の地である。セキュリティも万全で、ギルドマスターの意思によって島ごと移動できるため隠蔽性は極めて高い。 また、空路はハリケーン、海路は大渦巻きなどのカードで厳重に守られている。

シャンテニオン

エンダネス島を去ったサルバトールと幼いゼネスが暮らした街。ある事件により一夜にして灰となり、数少ない生き残りと縁者が小さな集落を形成している。復興させようと鍬を振るう者もわずかに存在しているが、地中深くまで灼熱に晒された大地はガラスのように変質しており、事件から12年を経ても一切の作物が育たない。

廃都ナバト (はいとなばと)

バブラシュカ大陸の中央、暗黒山脈の地下深くに存在する呪われた土地。バルテアスがカルドラに討たれた場所で、カルドラの加護を得ていないミゴール族でも生存することができる。そのため、ミゴール族にとっては聖域であり、黒のセプターの拠点として利用されている。

イベント・出来事

セプターバトル大会 (せぷたーばとるたいかい)

年に一度、砂漠の町ソロンで開催されている大会。各地より腕自慢のセプターが集まり、トーナメント戦で腕を競い合う。毎年多くの観客で賑わい、賭けの対象としても注目されている。作中で描かれる第5回大会の出場者はナジャランを含めて6名だったが、ゼネスの乱入によって波乱の展開を迎える。

決闘 (でゅえる)

セプターズギルドに所属するセプターたちがルールに則って執り行う試合のこと。決闘による問題解決はギルドに所属するセプターの正当な権利として認められており、議会での発言力を高める目的で開催されることも多い。ナジャランが参加した決闘はバトルロイヤル、護符ありのルールで行われた。

その他キーワード

創造の書 (かるどせぷと)

カルドラが所有していた一冊の本。書き込んだ記述が世界の理となるため、反逆を企てたバルテアスに悪用されてしまった。神々の戦いの終結時に破壊され、その断片はカードとなって各地に降り注いだ。カードを完全蒐集(コンプリート)して創造の書を復元することはセプターの最終目標とされる。なお、グルベルの持つ未来視の能力は正確には未来予知ではなく、創造の書の記述を読み取る能力である。

カード

太古の地層から出土するカード状の遺物。錬金術師たちの研究により、創造の書の断片であると解明された。普通の人間にとっては骨董品に過ぎないが、魔力を持つ者が扱えば秘められた力を解放することができる。カードを完全蒐集(コンプリート)することは神に等しい力を手に入れることと同義であり、今でもセプター同士の争いは絶えない。

人頭杖 (じんとうづえ)

人間の頭部を模して作られた知性を持つ杖。卓越した知識を有し、所有者に助言を与える。とある目的を果たすために創造された古の道具であり、グルベルの言によれば所持した者はカルドラの定めた運命から逸脱するという。人頭杖の所有者は、ナジャランを除く全員が黒のセプターである。

竜眼 (りゅうがん)

一度見たものを永遠に記憶する古竜(エルダードラゴン)の眼。強い魔力を秘めている。作中に登場する2個の竜眼は元々ギルマンのもので、一つはホロビッツへ、もう一つはサルバトールへと託された。サルバトールの竜眼はやがてゼネスに移植され、「竜眼のゼネス」という二つ名の由来となる。

護符 (ごふ)

決闘を行う際に使われている人型の札。セプターが受けるダメージを肩代わりする力があり、致命傷を回避する目的で利用されている。ただし、護符が肩代わりできるダメージには限界があり、許容量を超えてしまうと護符は破れる。また、護符を失ったセプターはその時点で敗北となる。

セプター

魔力を用いてカードの力を行使することのできる者をセプターと呼ぶ。その多くは人間だが、黒のセプターたちやキギ、コーテツのような人外のセプターも存在している。セプター能力は普通の人間にとって大きな脅威となるため、セプターを迫害している地域も多い。

セプターランキング

セプターズギルドに所属するセプターは実力をランキング形式で評価される。上位ほど議会での発言力が増すため、ポイント稼ぎに躍起になっているセプターも多い。中には決闘での裏工作や初心者狩りでポイントを得ようとする不届きなセプターも存在する。

ブック

セプターが目的に合わせて厳選、編集したカードのセットのこと。ブックに組み込めるカードの枚数は使い手であるセプターの総魔力によって増減する。駆け出しのナジャランは10枚程度のブックを使用していたが、魔力の源となる領地を取得してからは50枚ものカードを使用できるようになった。

カルドラ

最初に創造の書を作り、そこにさまざまな記述を残して世界を創った女神。バルテアスに創造の書を奪われても静観していたが、最終的には自らの手でバルテアスを討伐。創造の書を砕いて世界を去ってしまった。

バルテアス

カルドラから創造の書を奪って新たな創造神になろうと企てるも、カルドラが繰り出した光の剣を受けて敗北。創造の書に自ら書き加えた記述「いかなる神々もバルテアスを滅ぼせない」によって死ぬこともできず、永遠の滅びと再生を繰り返している。

クリーチャー

セプターがカードから召喚する生物のこと。その多くは自我を持ち、中には人語を解するものも存在する。また、人間が操縦することで真価を発揮する機械のようなクリーチャーもいる。広義では人間もカルドラが創った生命であることに変わりなく、クリーチャーに含まれる。

四属の王 (しぞくのおう)

バルテアスが新しい世界の神として据えるべく創り出した存在。カルドラのクリーチャーに対抗するためのアンチクリーチャーでもある。風の王ベールゼブブ、地の王ダークマスター、水の王ダゴン、火の王フレイムロードの4種から成り、旧世界の破壊と新たな生態系の構築を担っている。

ミゴール族 (みごーるぞく)

カルドラに対抗する存在としてバルテアスが創造した戦士の一族。火と風の属性では傷つかず、水と地の属性をよく殺めるとされる。カルドラの加護を受けていないため、バルテアスの力が及ばない場所に行くと身体が朽ち果ててしまう。数少ない生き残りは廃都ナバトに潜み、決起の時を心待ちにしている。

クレジット

監修

大宮ソフト

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