ガラスの鼓動

ガラスの鼓動

何をやっても鈍くさい女子高生が、憧れの先輩に見初められて陸上部へ入部。猛特訓を受け、次第に実力を発揮し始めるが、先輩への想いは募るばかり。恋に陸上に、ひたむきに走り続ける姿を描く、青春アスリートラブストーリー。「別冊フレンド」1996年3月号から1997年3月号にかけて掲載された作品。

正式名称
ガラスの鼓動
ふりがな
がらすのこどう
作者
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概要・あらすじ

如月風子は、天然パーマがコンプレックスのちょっと鈍くさい女の子。高校受験当日の朝、トラブル続きで遅刻寸前となっていた風子を救ったのは、陸上部の先輩・紅林英雄だった。風子はそんな彼に憧れを抱き、見事高校合格。晴れて高校生になり、憧れの紅林との再会を果たした風子は、そこで紅林から陸上部に入るよう勧められる。運動があまり得意ではない風子は、悩みながらも陸上部への入部を決意し、そこから猛特訓に臨むことになる。

陸上に明け暮れる毎日を紅林と過ごすうちに、風子はどんどん彼に惹かれていく。そんななか、偶然、紅林と陸上部マネージャー・斉藤理沙のキスシーンを目撃し、2人の関係を知る。ショックのあまり、走る気力を失いかける風子だったが、世良田竹生の説得でやる気を取り戻し、紅林への想いを糧に、真の実力を発揮し始める。

登場人物・キャラクター

如月 風子 (きさらぎ ふうこ)

扶桑学園高等学校に通う女子高生。何かと鈍くさく、髪の毛が天然パーマでくるくるなことがコンプレックス。引っ込み思案で、何をやらせても頼りないため、幼なじみの世良田竹生がいつもそばにいて世話を焼いている。高校受験当日、偶然出会った紅林英雄に一目惚れ。高校入学後、逃げ足の速さを紅林に見初められ、陸上部に入部する。

紅林 英雄 (くればやし ひでお)

扶桑学園高等学校の陸上部に所属する男子生徒。如月風子の先輩。風子の秘めた実力を見出し、陸上部に勧誘した。陸上部ではエース的な存在だが、協調性に欠ける。また、言葉足らずなことが多く、感情表現が苦手なため、周囲からは誤解されやすい。中学生の頃、家庭環境の変化から、ケンカに明け暮れる荒れた毎日を送っており、トラブルが絶えなかった。 しかし斉藤理沙の存在が彼を救い、陸上へと情熱を注ぐようになる。理沙とはそれ以来の付き合いで、恋人同士。現在は早朝と夕方に、新聞配達のアルバイトを走ってこなし、トレーニングジムへ通うハードな毎日を送っている。

葵 貴壱 (あおい きいち)

扶桑学園高等学校の陸上部に所属する男子生徒。如月風子のクラスメイト。明るく破天荒で、クラスのムードメーカー的な存在。しかし悪乗りしすぎて初対面の風子を泣かせ、風子からはしばらく避けられることになる。その後、和解してからは、一生懸命な風子に想いを寄せつつも、風子の紅林英雄への想いを応援する、親友のような存在となる。

世良田 竹生 (せらだ たけお)

扶桑学園高等学校の陸上部に所属する男子生徒。如月風子の幼なじみ。幼い頃からずっと風子のそばにいて、彼女の支えになってきた。何かと頼りない彼女の世話を焼き、引っ込み思案の彼女の気持ちを代弁してきた。しかし、紅林英雄から「風子の保護者」と揶揄されたため、風子に対する接し方を考えるようになる。

斉藤 理沙 (さいとう りさ)

扶桑学園高等学校の陸上部でマネージャーを務める女子生徒。紅林英雄とは恋人同士。部員たちにとっては優しい美人で、マドンナ的な存在。幼い頃から心臓に重い疾患を持ち、医師からは20歳まで生きられない、と宣告を受けていた。紅林の自分への依存心が強いことを感じ、自分の命にタイムリミットが近づいていることを知って、わざと冷たい態度をとり、自分から別れを切り出す。

大嶋 淳 (おおしま あつし)

斉藤理沙の叔父にあたる青年。理沙とのただならぬ雰囲気や、理沙が彼の自宅に入っていったことなどから、如月風子や葵貴壱には、理沙との関係を疑われていた。実は理沙の主治医。大切な理沙の病気を知り、彼女を治すために医師を志した。

大隅 (おおすみ)

不良グループのリーダー的存在の青年。紅林英雄とは因縁の関係。1年半前、紅林とのケンカがもとで、歩くにも不自由な傷が足に残り、バイクにも乗れなくなった。その恨みを晴らすため、偶然英雄と再会した際に、彼のアキレス腱をナイフで切ろうと襲い掛かる。その際、庇おうとした斉藤理沙を誤って傷つけてしまう。

紅林 勇 (くればやし いさみ)

紅林英雄の弟。素直で優しく、聞き分けの良い優等生。父親が他界したことをきっかけに兄が荒れ、母さんとの関係が悪化していることを、純粋に心配している。兄想いな少年。

母さん (かあさん)

紅林英雄と紅林勇の母親。4年前、英雄がせがんで車のレースを見に行ったため事故に遭い、夫を失った。それ以来、夫にそっくりな英雄に対してそっけない態度を取るようになり、親子関係が悪化。英雄自身もすさんでいったため手に余るようになり、「英雄がいないほうが平和」とまで言い切るようになる。

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