ガーゴイル

ガーゴイル

SF小説家・脚本家である冲方丁が近藤るるるとタッグを組み、新撰組を題材に描いた作品。異能集団である新撰組が、京の町で暗躍する謎の集団八瀬童子衆との戦いに挑む。「ヤングキングアワーズ」2013年11月号から2015年10月号に掲載された。

正式名称
ガーゴイル
ふりがな
がーごいる
原作者
冲方 丁
漫画
ジャンル
自伝・伝記
関連商品
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概要・あらすじ

その日沖田総司土方歳三が何者かと戦い傷つく夢を見た。飛び起きた総司だが、いつも通り長州藩士を取り締まる任に就く。総司が所属している新撰組は池田屋事件以降、京の町で注目の的になっていた。その後総司は土方と共に捕らえた長州藩士の男を屯所へ連行するが、その途中突然男の首に縄が絡みつき、男は絶命してしまう。

凶器に使われた縄を持ち近藤勇のもとを訪れた総司と土方。そこで2人は近藤からある集団のことを聞かされるのだった。

登場人物・キャラクター

沖田 総司 (おきた そうじ)

新撰組一番組組長。愛刀は菊一文字則宗で流派は天然理心流。背が低く、見た目は少年のようだが剣の実力は本物。高速で移動することができ、本人によれば水面を走ることもできるという。また、その身体能力を活かして素早く相手を突く「迅雷九段突き」を駆使した剣技も冴え渡っている。その強さから他の隊士からは「両面宿儺(りょうめんすくな)」の生まれ変わりと称される。 また、固有の能力として刻を操ることができ、左手に巻き付けた時計を左目に当てると未来を見ることができる。これにより、敵の攻撃や行動を知ることができる。実在した新撰組隊士である沖田総司がモデルとなっている。

土方 歳三 (ひじかた としぞう)

新撰組副長で、またの名を「鬼の副長」とあだ名されている。沖田総司からは「歳さん」と呼ばれている。好戦的な性格で、戦闘の際は率先して行動する。だが仲間思いの一面もあり、仲間や新撰組をけなすものには容赦しない。固有の能力は鬼。土方歳三の中に住む鬼を解放し、刀に憑依させることにより、攻撃した相手を能力ごと食うことができる。 憑依させる刀は何でもよく、土方は無銘の刀を使っている。新撰組の中で初めて八瀬童子衆と戦った。実在した新撰組隊士である土方歳三がモデルとなっている。

近藤 勇 (こんどう いさみ)

新撰組の局長で沖田総司からは「イサミさん」と呼ばれている。大柄な体格で、いつも新撰組隊士を気にかけている。現在は現場に出ず、総司や土方歳三たちのサポートを中心に行っている。固有の能力は人を見抜く力。その能力を活かし、現新撰組メンバーを集めた。実在した新撰組隊士である近藤勇がモデルとなっている。

永倉 新八 (ながくら しんぱち)

新撰組二番組組長。右目に付けている眼帯が特徴。戦闘の際は眼帯を外す。眼帯の下の右目の瞳には、雪の結晶の様な物が浮かんでおり、周囲に氷を発生させることができる。必殺剣は「凛冽 氷埜茨(りんれつ ひのいばら)」で、相手の体に氷を発生させて凍らせる。実在した新撰組隊士である永倉新八がモデルとなっている。

斎藤 一 (さいとう はじめ)

新撰組三番組組長で「暗殺者」の異名を持つ。固有の能力は紐。人体に流れている紐を操ることができ、自分の首をえぐられたとしても自分で傷を塞いでしまう。そのため不死に近い状態である。またこの能力を他人にも使うことができ、隊士のケガの治療なども行う。実在した新撰組隊士である斎藤一がモデルとなっている。

山南 敬助 (さんなん けいすけ)

新撰組総長。戦闘集団の新撰組の中で、唯一の理論派。基本的には戦わず、相手方との交渉などを務める。土方歳三は山南敬助を「新撰組の良心」と評しているが、互いに仲は悪く、度々衝突しそうになってしまう。固有の能力は相手の心の中を読むことができ、相手の欲しい答えを導く「心酔説伏の調べ 五韻和絃(しんすいせっぷくのしらべ ごいんわげん)」。 一見すると恐ろしい能力だが、本人曰く真摯に話をしているにすぎないとのこと。実在した新撰組隊士である山南敬介がモデルとなっている。

島田 魁 (しまだ かい)

新撰組取調役兼監察方。大柄でヒゲをたくわえている。好物は汁粉で、いつも自前の汁粉を準備している。その汁粉は飴の様に糸を引くほどの濃さで、酒と思って飲んだ土方歳三が歯が浮くほど甘いと投げ捨てるほど。固有の能力は「鉄躰 帷子膚(てったい かたびらはだえ)」。両手首に付けた腕輪によって全身を鉄の様に固くすることができる。 この状態では刃物は通じず体重も1トンを超すので、そのまま相手を押しつぶすことも可能。実在した新撰組隊士である島田魁がモデルとなっている。

山崎 烝 (やまざき すすむ)

新撰組取調兼監察方。八瀬童子衆との戦いでピンチに陥った沖田総司の救出の命令を土方歳三から受ける。能力は「魄気隠密 壁潜り(ききおんみつ かべもぐり)」。自身が壁をすり抜けられる様になり、総司救出の際には乗っている馬ごと民家の壁をすり抜け最短距離で救出に向かった。実在した新撰組隊士である山崎烝がモデルとなっている。

井上 源三郎 (いのうえ げんざぶろう)

新撰組六番組組長で、左頬に傷を持つ。普段はあまり感情を表に出さない。沖田総司と同じく天然理心流の使い手で、固有の能力はないが天然理心流「笹掻(ささがき)」という技を使う。これは脇差を抜刀し切らず、少しだけ出した刃の部分で相手の攻撃を受けるという技術で、相手の武器を完全に無効化できる。実在した新撰組隊士である井上源三郎がモデルとなっている。

谷 三十郎 (たに さんじゅうろう)

新撰組七番組組長。能力は「三位一体 漆渦朧槍(さんみいったい しっかおぼろやり)」。谷三十郎の弟である万太郎、昌武と共に三角系の隊形を取り、互いが互いの背後を守る。必殺技は夢想朧槍という槍を3人が木々に突き刺し、槍の枝を発生させる「八岐の桜華(やまたのおうげ)」。実在した新撰組隊士である谷三十郎がモデルとなっている。

夙錐丸 (ゆうぎりまる)

八瀬童子衆の一人で、ある人物の墓参りに訪れた土方歳三を狙う。特殊な踏歩による瞬歩術「舞踊皓(ぶようとう)」を使い素早く移動することができるが、沖田総司の方が100倍速いと土方にたしなめられる。土方を挑発するが、自分の周囲ごと土方に斬られ敗れる。

絞輪坊 (こうりんぼう)

八瀬童子衆の一人。長州藩士の動きを聞きつけ乗り込んできた土方歳三たちを待ち伏せする。幻の壁を張り、土方たちを罠にはめたつもりでいたが、屯所で予知を使った沖田総司によって居所がバレてしまう。その後「砕玉黒縄(さいぎょくこくじょう)」という飢えて死んでいった女たちの髪で編んだ縄で土方たちを捕らえ、「万力黒縄(ばんりきこくじょう)」という秘奥義で縊り殺そうとするも土方によって斬り殺される。 最後のあがきで建物を崩落させ共倒れを図るも、やはり未来を予知していた総司によりその目的は果たされなかった。

逢是 (おうぜ)

八瀬童子衆の一人。土方歳三に化けて僧侶を殺し、新撰組の悪評を広めていた。その後罠と知りつつ乗り込んで来た土方、斎藤一、島田魁の前に姿を現す。固有の能力「磁場陰極(じばおんきょく)」で磁場を発生させ、鉄を使ったものを引き寄せたり、突き放したりすることができる。さらに八瀬に伝わる馬ごと騎手を切る秘刀「斬騎刀」で引き寄せた相手を断つ。 土方を窮地に追い込むが、鬼を開放した土方、そして斎藤と島田の協力により倒される。

清浄比丘尼 (しょうじょうびくに)

八瀬童子衆の一人で、長い手足を持つ尼。沖田総司のことをずっと監視しており、総司に対して強い執着心を持つ。能力は自分の体を砂に変える「砂子崩(いさごくずれ)」。剣が通じず、攻撃を受けてもすぐに再生することで総司を苦しめるが、水の中に落とされ、生身の体に戻ったところを斬られた。

沙門 (しゃもん)

八瀬童子衆の一人。僧侶を説得に行った山南敬助、永倉新八たちの前に現れる。「羯麿四方剣(かつましほうけん)」という特殊な武器を持っている。能力は音。口笛を吹き音を地面に反射させることにより、糸を操るように武器を動かせる。永倉たちと一戦交えた後、近藤勇、土方歳三への伝言を残して消える。

巨鵬 (きょほう)

八瀬童子衆の一人。八瀬剛流体術の使い手で能力は「鈷凝篭手(こごりごて)」。自分の拳で叩いた場所を爆発させ、その衝撃で岩なども砕いてしまう。井上源三郎と戦って有利に攻めていたつもりでいたが、彼の得意技である「笹掻」の前に敗れる。

松王丸 (まつおうまる)

八瀬童子衆の一人で、谷三十郎と戦う。梅王丸、桜王丸という巨大な犬を従えていて、能力は飛踏術「猩猩谺(しょうじょうこだま)」。山の中の木々を蹴り上下左右からの攻撃を得意とするが、同じく山の中の戦闘を得意とする谷の槍で梅王丸、桜王丸が倒された後、矢に射抜かれて死亡する。

白蓮坊 (びゃくれんぼう)

八瀬童子衆の一人。「覇技士」とも名乗っており、死体から情報、経験を得る「自我照解(じがしょうかい)」という秘術を使う。土方が倒した八瀬童子衆の経験を奪い土方歳三の間合いと能力を見切ったうえで、さらにその場に雷を落とす「雷霆振撃(らいていしんげき)」を使って土方と戦うが、その戦いのさなか、とある人物によって体を捻じ曲げられ殺される。

集団・組織

八瀬童子衆 (やせどうじしゅう)

古くから帝に仕える者たち。その中でも白蓮坊たちは「八大金剛」と名乗っている。先祖千年に渡り帝の乗る駕籠を担ぎ、それ以外にも帝の邸内の世話などもしてきた。長州藩士を利用して新撰組を調べ、土方歳三たちの命を狙っている。

クレジット

原作

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