概要・あらすじ
桜井乃愛は中学2年生の女の子。両親とまだ幼い双子の姉弟と慎ましくも楽しく暮らしている。病気がちな母に代わって、家事は乃愛が担当。弟たちの好きなオムライスを作ったが、ケチャップを買い忘れたと買い物に出かける乃愛。買い物帰り、乃愛は車道に飛び出してしまった犬を助けようとして、車に轢(ひ)かれそうになる。カッコイイ男の子が乃愛を抱き抱えて助けてくれた。震えが止まらない乃愛だったが、その男の子が乃愛の背中をポンとたたき「もう大丈夫だ」と言ってくれたことで、震えが止まった。乃愛がお礼を言おうとすると「自分を過信するな。その運動神経でよく助けられると思ったな。死にたくなければ無茶をするな」と酷いことを言ってきた。腹が立った乃愛は「忠告ありがとう。でも私はこのままの私で生きていく」と威勢よく言い放つ。家に戻り、やばい奴に会ったと両親に話そうとすると、後ろから取り巻きを連れた先ほどの男の子が入ってきた。彼は神楽坂雫。神楽坂グループの御曹司で、この土地にビルを建設するため、乃愛の家を取り壊しに来たと言う。神楽坂グループは、乃愛の父にこの土地をかなり高値で買い取るという話をしており、雫の提案を受け入れれば生活は楽になると言う。乃愛は「この家と家族は私が守る。お引き取りください」と買ってきたケチャップを雫にかけた。雫は怯まず「わからないことは徹底的に調べ、やると決めたことは必ずやり遂げる」と言って帰っていった。翌日、乃愛に興味を持った雫は、再び桜井家に足を運ぶ。雫が乃愛と話をしていると、雫の部下がブルドーザーで乃愛の家を破壊するという強硬手段に出ようとした。乃愛はブルドーザーの前に出て、「この家は私が守るんだから」と言い、体を張って家を守ろうとした。すると雫は乃愛をかばい、部下にやめるように指示を出した。どうしてそこまでしてこの家を守ろうとするのかと雫が尋ねると、乃愛は「5年前に交通事故で妹を亡くした。これ以上大切なものを失いたくない」と泣くのだった。雫は乃愛を抱きしめ、「こんなに弱いのに、守ろうとするその姿は強くて魅力的だ」と言い、乃愛にケガはないか心配する両親に「大丈夫じゃないので、俺が乃愛さんと結婚することに決めました」と宣言する。勝手に話を進める雫に「私のこと何も知らないのに」と猛反発する乃愛。すると雫は乃愛のことをもっとよく知るために、乃愛の通う中学校に転入してくるのだった。
登場人物・キャラクター
桜井 乃愛 (さくらい のあ)
中学2年生の女の子。明るく元気なムードメーカー。まだ幼い双子の妹と弟がいる。病気がちな母に代わって、家事全般を担当している。父は画家で収入は一般家庭の半分以下。5年前、交通事故で妹を亡くしている。お人よしで、自分の危険を顧みず、人助けをしてしまう向こう見ずな性格の持ち主。髪型は肩までの長さで、両サイドの一部を縛っており、桜の花びらのカタチのピン止めをつけている。
神楽坂 雫 (かぐらざか しずく)
中学2年生の男の子。神楽坂財閥の後継者で、中学生なのに土地開発を手掛ける神楽坂グループで働き、経営を学ぶ。IQ150の天才で、5か国語が話せる。将来結婚したいイケメン中学生ランキング一位であり、端正な顔立ちで、軽くウエーブのかかった黒髪が特徴。欲しいものは必ず手に入れ、わからないことは調べ尽くす完璧主義。大きな屋敷に住み、学校にはSPが付いてくるほか、ヘリコプターで人捜しをできるほどの金持ち。