キメラ

キメラ

破壊と殺戮のためだけに生き、人々に恐れられ、「悪魔の種族」と呼ばれ滅ぼされた種族キマイラ。平穏に暮らす少女リンは、ある事件で自分がキマイラの末裔だと気付く。平和を求める少女の戦いを描く戦慄のネオファンタジー作品。

正式名称
キメラ
作者
ジャンル
バトル
 
ファンタジー
レーベル
ジャンプコミックスデラックス(集英社)
巻数
全16巻
関連商品
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世界観

街並みや登場する武器などの技術は中世ヨーロッパを思わせるものが多いが、遥か古代の技術として臓器や筋肉などの移植や、一から人間を錬成するテクノロジーなども登場する、オリジナリティ溢れるファンタジー世界である。また、遺伝子のことをこの世界では「血の刻印」と呼んでおり、生物はすべて血の刻印の奴隷に過ぎないのか、抗うことはできるのか、というテーマのエピソードが数多く盛り込まれている。

作品構成

人を傷つけることを恐れて自分の殻に閉じこもってしまった少女リンが、青年タキとの出会いやその後待ち受ける冒険の中で、大切なものを守るため戦い抜く肉体的、精神的な強さを得る成長ストーリーである。メインストーリーとして描かれるリンたちの冒険と並行して大司教マチルダの行動が交互に描かれる形を取っており、2人の出会いに向けてストーリーが進行していく。

あらすじ

プロローグ(1~4巻)

辺境の村ファーブルで父と共に平穏に暮らす1人の少女リンは村民との関係も良好で、何不自由ない幸せな生活を送っていた。ある日ゲイヴォルグ軍に攻め入られ、ファーブルの村人は瞬く間に皆殺しにされてしまう。奇跡的に生き残ったリンは、鎧を着た兵士たちを見て逃げようとするが、父の遺体を目にして、彼女の中で眠っていた悪魔の種族キマイラの力が目を覚まし、正気に戻った時には兵士たちは自らの手で皆殺しにしていた。自分の力を恐れたリンは、更なる辺境で暮らすことを選ぶ。リンが人との関わりを断ち、2年の月日が流れた時、腹を空かせたクレイモア軍の青年タキとの出会いから、リンはクレイモアの孤児院を手伝いながら町で暮らすことを決意する。孤児院での暮らしにも慣れた頃、クレイモアの街がゲイヴォルグ軍の攻撃に遭う。キマイラの力で軍を退けたリンであったが、その正体をクレイモアの人々に知られてしまう。しかし予想とは裏腹に、リンの正体を知った人々の反応は温かいものであった。

こまどり隊編(4巻~)

ゲイヴォルグの首都サラスに向けて出発したリンタキカイルの3名は、ゲイヴォルグの少年部隊「こまどり隊」や、元円卓の騎士団最強の男であるガラハットとの出会いと、シャムシールでの壮絶な死闘を経験する中で心身共に成長していく。一方、ゲイヴォルグの首都、サラスの地にて、キマイラでありながら新たに大司教となった少女マチルダは大司教の身分を隠し、謎の不治の病の患者が隔離される施設「茨の館」で奉仕の日々を送っていた。最高の剣を求めて水都ファルシオンを目指すリンたちに、アルスター街道で謎のキマイラたちが襲い掛かる。人間を滅ぼすためのキマイラによる最後の聖戦が近づいていることを知り、先を急ぐ一行。水都ファルシオンにて、彼らは聖戦が行われるのはまさしくこの地であると知る。キマイラ6人の戦士を迎え撃つため、大風車を守る6人が集い、人類の未来を賭けた戦いが始まった。

メディアミックス

連光寺正による小説版『キメラ 左利きの聖女』『キメラ 燃える瞳の遊女』が集英社から発売されている。この2作品では、原作である『キメラ』と同時間軸における外伝的なエピソードが語られている。

登場人物・キャラクター

主人公

伝説の戦闘種族キマイラの末裔の少女。辺境の村で義理の父と共に幸せな暮らしを送っていたが、村を滅ぼされ父を殺められた怒りからキマイラの血に目覚める。自らの力を恐れ人と関わらず暮らしていたが、青年タキとの... 関連ページ:リン

腹を空かせて倒れたところをリンに助けられたことで彼女に恋をし、クレイモアの孤児院にリンを連れて帰った青年。顔に十字の傷を持つキマイラに両親を殺害されており、キマイラ自体を憎んでいたがリンとの出会いによ... 関連ページ:タキ

ヘレン

クレイモアのソレイユ孤児院を運営する女性。リンが来る以前は、1人で大きな孤児院を切り盛りしていた程の、力強い肝っ玉母さん。孤児院を運営する理由は単なる慈善活動のみではなく、実はカーライア王家の正統継承者である実の息子カイルをゲイヴォルグ軍から守るためである。

カイル

ソレイユ孤児院で暮らす少年。子供たちの中では一番の悪ガキで、よくリンにいたずらをしてからかっているが、その正体は旧カーライア帝国の唯一の正統王位継承者カーライア7世。侵略戦争を続け人々を不幸にするゲイヴォルグに対抗するため、彼を首都サラスまで送り届けることが物語の主軸となる。

クレイモアを攻めたゲイヴォルグ軍「蒼の騎士団」の1人で、「仕掛けボウガンのアイン」の二つ名を持つ。もともとは敵であったが、実際は争いを好まず、笑顔を愛する優男。戦のことよりもさまざまな仕掛けを考えるこ... 関連ページ:アイン

グエン

「蒼の騎士団」団長で通称「仕掛け鎧のグエン」。クレイモアに攻め入った際、リンに行く手を阻まれ一騎打ちに臨み、彼女を追い詰めるがキマイラの力の前に敗れる。元円卓の騎士団でも団長を務めリーダーシップを大いに発揮しており、男気の強さも人一倍である。

グレタ

クレイモアでカイルを襲った改造種の女性。故郷の子供たちのため、実験体となりカイル抹殺の任を受ける。だがカイルに息子の面影を重ねたことで剣が鈍り、リンとタキに敗れ、無理な改造に体が耐え切れず死亡する。

ルドルフ

ゲイヴォルグ軍の技術者で、古き時代の技術が記された文書に唯一アクセスできる謎の人物。古い技術を使いさまざまな人体改造実験を繰り返し、実験体をリンたちに差し向ける。表向きには技術者のトップだが、実質的にゲイヴォルグのすべてを支配している。

先代大司教の直々の指名により大司教の大役を任される事になったキマイラの少女。さまざまな仕打ちやプレッシャーに耐えながらも、常に笑顔を絶やさず大司教マチルダとして人々に奉仕し続ける。リンと同様自分がキマ... 関連ページ:マチルダ

ゲイヴォルグ軍の少年部隊「こまどり隊」の隊長。少年とは思えない格闘術と統率力で、大人の兵士相手にも全く引けを取らない戦法を実現する優秀なリーダー。臆病者の証といわれる背中の傷を多く持つが、これは常に仲... 関連ページ:オスカ

ゲイヴォルグ軍の「こまどり隊」隊員の少女。リンたち一行を襲撃した際、リンたちが逃げる馬車の中に1人紛れ込んでしまったため、一晩を共にする。これがきっかけで、「こまどり隊」とリンたちの運命が結ばれる。本... 関連ページ:ルカ

ザイン

改造種の馬「グリンガレット」を駆る元円卓の騎士団団員で通称「人馬一体のザイン」。真に強い者に殺されることを求めてゲイヴォルグ軍に加担しているが、リンと戦い説得を受け、以降は自らの信念のために戦うこととなる。後に、ルカや他のこまどり隊員を連れてクレイモアへと向かう。

元円卓の騎士団最強の男で通称「疾風のガラハット」。片足を失い義足であるにも関わらず、遥か東で会得した奥義「超速剣疾風斬」を武器に圧倒的な強さを誇る剣士。人間の限界に常に挑戦しており、その実力はキマイラ... 関連ページ:ガラハット

ナインハルト

「雷光のナインハルト」の異名を持つ改造種。身体から電撃を発することが可能で、その能力と長い鉄製の鎖を組み合わせて戦いリンを苦しめたが、新たな力を得て加勢したタキとリンの共闘により敗れ去る。改造種のエリートを集めた「白の鉄槌五連隊」の1人。

改造種のエリートを集めた「白の鉄槌五連隊」の1人で、銃の扱いに特化した改造種。「遠撃ちのトリガ」の異名を持ち、銃を撃つためだけに改造を施された肉体は、右目と右腕だけが肥大し、脳が露出しているなど不気味... 関連ページ:トリガ

ブルメ

改造種のエリートを集めた「白の鉄槌五連隊」の1人で、「飛燕自在刀のブルメ」と呼ばれる改造種。三方向に分かれた巨大なブーメランの様な武器を使用し、変幻自在な戦いを見せるが、タキとの戦いに勝機が見えなくなり、逃走した。

ビエル

改造種のエリートを集めた「白の鉄槌五連隊」の1人で「超肥大巨躯のビエル」と呼ばれる。二つ名の通りの超巨漢で、人間はもとより改造種の中でもその大きさは群を抜いている。巨大なハンマーで戦うパワータイプ。南部の香辛料で味付けされたカレーのような料理が大好物。

改造種のエリートを集めた「白の鉄槌五連隊」最後の1人。シャムシールでは一言もしゃべらず、両腕がないにも関わらず圧倒的な強さを見せつけたが、リンを殺すことなくその場を去った。その正体はルドルフが完全にゼ... 関連ページ:シャーリー

水の都ファルシオン自衛軍部隊長の女戦士で、タキの幼馴染。相手の意表を突く戦闘術に非常に長けており、人間としては身体能力もトップクラス。「キマイラ6人の戦士」との決戦ではガゼルとの戦いに臨むが、キマイラ... 関連ページ:カレン

マチルダが茨の館にいる間の護衛として登場した修道騎士。実はキマイラで人間を憎んでいたが、どんなことがあっても笑顔を絶やさないマチルダの優しさに触れ、彼女に恋をして徐々に心を開いていく。だが、館を襲った... 関連ページ:エヴァンス

ドリス

「キマイラ6人の戦士」の1人。人間に凌辱され続けた暗い過去から人間を心から憎み、自分を絶望の底から救い出したサイファーに心酔している。「奇跡の種」であるリンを妬み激しく嫌悪しており、キマイラ殺しの魔剣クセルスーを使いリンを殺そうとするが、戦いの中で成長する人間の能力も持ち合わせたリンの前に敗れ去る。

「キマイラ6人の戦士」の1人。ロジアの村で4人の子を人間として育てようとしていたところ、子供たちをタキの両親によって毒殺され、怒りのままに彼らを殺した顔に十字の傷を持つ男。子供たちを襲ったような運命を... 関連ページ:ガゼル

「キマイラ6人の戦士」の1人で、念力を操る妖術使い(ウィッチクラフト)。最初は鉄のスプーンを曲げたり、軽い予知夢を見たりする程度であった能力を、人間たちによる多くのキマイラを犠牲にした実験により無理や... 関連ページ:アガサ

「キマイラ6人の戦士」のリーダーだが、自身はキマイラではない。元は円卓の騎士団の団員で、ガラハットが唯一師と仰いだ男であったが、人間の世に絶望しキマイラ千人の体を移植することで人間を滅ぼす力を得た最強... 関連ページ:サイファー

シス

「キマイラ6人の戦士」の1人。その生い立ちから参戦の目的、種族まですべてが謎に包まれている。ファルシオンでタキと戦い、他に類を見ない程の圧倒的な戦闘力を見せつけたが、聖戦には最初から興味がないと言い捨てて決着をつけず去っていった。

集団・組織

円卓の騎士団

旧カーライア帝国時代、王に仕えた伝説の騎士団で、「疾風のガラハット」や「人馬一体のザイン」らが所属していた。現在は解散し各所に散ってしまっているが、所属していた者は皆全土に名が知れ渡っている。

その他キーワード

聖戦

サイファー率いる「キマイラ6人の戦士」が人間を滅亡させキマイラの世を作るために起こした戦い。これに参加したキマイラ6人の戦士はいずれも人間に対する憎しみや暗い過去を持っており、強い信念を持って臨んでいる。ただし、正体が謎に包まれているシスだけは別である。

書誌情報

キメラ 全16巻 〈ジャンプコミックスデラックス〉 完結

第1巻

(2002年7月4日発行、 978-4088593128)

第2巻

(2002年10月4日発行、 978-4088593227)

第3巻

(2003年1月6日発行、 978-4088593340)

第4巻

(2003年5月1日発行、 978-4088593555)

第5巻

(2003年9月4日発行、 978-4088593807)

第6巻

(2003年12月19日発行、 978-4088593975)

第7巻

(2004年5月発行、 978-4088594163)

第8巻

(2004年8月4日発行、 978-4088594347)

第9巻

(2005年1月5日発行、 978-4088594804)

第10巻

(2005年5月2日発行、 978-4088595047)

第11巻

(2005年9月2日発行、 978-4088595276)

第12巻

(2006年1月5日発行、 978-4088595528)

第13巻

(2006年5月2日発行、 978-4088595733)

第14巻

(2006年9月4日発行、 978-4088595986)

第15巻

(2007年1月4日発行、 978-4088596211)

第16巻

(2007年6月4日発行、 978-4088596396)

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