概要
イーハトーブの森で家族と幸せに暮らしていたブドリは、冷害や家族との別れなど度重なる不幸に見まわれ一人ぼっちになってしまう。ブドリは何度も傷つき疲れ果てるが、その度にブドリを救う人たちが現れ、彼に気づきを与えてゆく。
登場人物・キャラクター
グスコー・ブドリ (ぐすこーぶどり)
天災に見まわれ天涯孤独の身となるが、仕事を通じてさまざまな人々と出会い成長してゆく。一人前になった頃、故郷のイーハトーブを襲う冷害問題に直面し解決の方法を提案する。
コトリ
ネリを連れ去った謎の男。物語の鍵を握る存在で、時折ブドリの前に現れる。
クーボー博士
イーハトーブの高名な学者。ブドリはクーボー博士の著書を読み感銘を受けた。ブドリに火山局の就職を斡旋するなど、彼に進むべき道を指し示す。
グスコー・ナドリ (ぐすこーなどり)
ブドリとネリの父親。仲間からも尊敬される名高い樵。無骨だが、娘のネリにはとても優しい。冷害による飢饉の際、家族に食料を残すため家を出て行ったっきり戻らなかった。
赤ひげ (あかひげ)
広大な水田を所有し、斬新な発想で一儲けしようとする山師。ブドリ雇って働かせた。亡くなった息子の本をブドリに与えるなど実の息子のように可愛がる。
てぐす飼い (てぐすかい)
ブドリたちの家と森一体を買収して、てぐす工場の経営を始めた資本家。森で倒れていたブドリを救い、工場で働かせる。
火山局 (かざんきょく)
『グスコーブドリの伝記』に登場する架空の組織。ブドリはペンネン技師の勧めで、火山局の技師となり噴火災害の軽減や人工降雨を利用した施肥を実現させた。
グスコー・ネリ (ぐすこーねり)
ブドリの最愛の妹。天真爛漫で好奇心旺盛な性格。誰からも可愛がられて育つが、ある日コトリという謎の男によって攫われ、ブドリと生き別れる。
ブドリの母
ブドリとネリの母親。夫のグスコー・ナドリを敬い子どもたちを愛していたが、飢饉の際に家を出て以来、二度と戻らなかった。
ペンネンナーム
火山局に務める老技師。ブドリのよき相談相手となる。
場所
イーハトーブ
『グスコーブドリの伝記』に登場する架空の地名。ブドリが生まれ育った故郷。宮沢賢治の作品に度々に登場する造語で、理想郷を意味しているといわれている。