あらすじ
周囲とうまく馴染(なじ)むことができない少年、鴨川朗真は、東京に引っ越した友人の御手洗北斗(トト)との再会の日、新しく友人となった佐久間雫(ドロップ)と共に花火をドローンで撮影する予定を立てていた。しかし花火は着火せず、ドローンも操縦不能に陥り見失ってしまう。翌日、山火事があったことを知り、さらに自分たちが犯人として名前を挙げられていることに驚愕(きょうがく)する。冤罪(えんざい)を晴らすため、ドロップの提案で行方(ゆくえ)のわからなくなったドローンを探しに行くことにした三人だったが、険しい山道は進みにくく、クマと遭遇して遭難したりするうちに徐々にトトが苛立(いらだ)ち始め、やがてドロップとの大喧嘩(げんか)が始まってしまう。
劇場版アニメ
本作『グッバイ、ドン・グリーズ!』は、2022年2月から角川大映スタジオの配給で全国公開された劇場版アニメ『グッバイ、ドン・グリーズ!』を原作としている。本作では描かれていない、鴨川朗真(ロウマ)の初恋の相手の浦安千穂里や、両親とのエピソードも描かれている。監督と脚本をいしづかあつこが務めている。キャストは、ロウマを花江夏樹、御手洗北斗を梶裕貴、佐久間雫を村瀬歩が演じている。
登場人物・キャラクター
鴨川 朗真 (かもがわ ろうま)
田舎町で父親の農業を手伝っている少年。茶髪をショートヘアにしている。年齢は15歳。周囲にうまく馴染むことができず、さらに父親の手伝いで肥料の牛糞(ぎゅうふん)を扱うことをクラスメイトたちにバカにされている。御手洗北斗(トト)が東京へ引っ越したあと、学校に通っていない佐久間雫(ドロップ)と友達になった。花火大会の日はトトと再会できることを楽しみにしていたが、購入したばかりのドローンが操縦不能に陥り、見失ってしまう。翌日、花火を放置して山火事を発生させたという疑いを晴らすために、当日の様子が録画されているはずのドローンを探しに行くことにする。「ロウマ」というあだ名で呼ばれている。
御手洗 北斗 (みたらい ほくと)
東京の進学校に通っている少年。年齢は16歳。明るい茶髪をワックスでセットし、眼鏡をかけている。もともとは鴨川朗真(ロウマ)と同じ田舎町に住んでおり、ロウマと仲がよかった。周囲にうまく馴染めないものの頭脳明晰(めいせき)で、医者になるために東京に引っ越したが、成績が伸びずに焦りを感じている。小学校3年生の頃、いつも教室の隅で暗い顔をしていたロウマと御手洗北斗(トト)を自虐的に「Don't Glees」という意味で「ドン・グリーズ」と名づけた。ロウマたちには秘密にしていたが、花火大会の翌々日に試験を控えており、ドローンを探しに行くことも渋っていた。しかし佐久間雫とケンカしたことをきっかけに開き直り、勉強のことを忘れて自分らしく振る舞うようになる。「トト」というあだ名で呼ばれている。
佐久間 雫 (さくま しずく)
最近鴨川朗真(ロウマ)の住む田舎町に引っ越して来た少年。年齢は15歳。ウェーブがかった金髪を肩まで伸ばしている。以前は祖父のいるアイスランドで暮らしていた。学校には通っていないが、ロウマがショーウインドウ越しにドローンを見ていた際に知り合い、友人となった。ロウマ、御手洗北斗(トト)と共に山火事を発生させた疑いをかけられた際、即座にドローンを探しに行くことを提案した。何事にも前向きで、あきらめることを知らない根気強さを持つ。実は難病を患っており、余命幾ばくもない。余命宣告された際に居場所を失ったように感じ、家出した先で幻の赤い電話ボックスを発見した。そして、人生をハッピーエンドにしてくれる宝物はなにかと尋ね、日本へやって来たと語っている。「ドロップ」というあだ名で呼ばれている。
場所
幻の赤い電話ボックス (まぼろしのあかいでんわぼっくす)
受話器を取った者に対して必要な宝物を教えてくれる電話ボックス。地球を真っ二つに切り裂くような、深い谷に流れる滝の麓にあるとされる。滝が黄金に輝く瞬間に電話が鳴り、人生をハッピーエンドにしてくれる、かけがえのないものを教えてくれるという。
クレジット
- 原作
-
Goodby , DonGlees Project