概要・あらすじ
1956年夏、ロスアンゼルス市。空手道場を経営する甲賀正清は、道場の宣伝で、ビール瓶切りやレンガ割りの模範演技を行っていた。そこにギャングでもあるプロレスラー、シードラゴン・バビロンが現れ、甲賀に喧嘩を吹っ掛ける。深酒のために力の衰えを自認する甲賀は青ざめるが、予期せぬ救世主が現れる。甲賀と同じ日本人の青年で、名を吉良旭といった。
吉良は、悪魔のごとき凶器攻撃でバビロンを血まみれにし、あっという間にその場から逃げる。夢中で後を追いかけた甲賀は、吉良をかくまう代わりに、自分の用心棒になって欲しいと持ち掛ける。甲賀の空手道場に住み着いた吉良は、道場を訪れた女子プロレスラー、ダイアナ・ローザを通じて、やがてプロレスの世界に足を踏み入れることになる。
登場人物・キャラクター
吉良 旭 (きら あきら)
7歳の時、原子爆弾のために両親を亡くして以来、神はいないと確信、漠然とした復讐心を胸に秘める青年。渡米後、自ら「キラー・キラー」を名乗り、悪魔の如きケンカ術一筋で世の中を渡る。ロスアンゼル市で空手道場を経営する甲賀正清や、女子プロレスラー、ダイアナ・ローザとの出会いが縁で、プロレスの世界に身を投じる。 以後、徹底したケンカ殺法でプロレス界を席巻する。
甲賀 正清 (こうが まさきよ)
ロスアンゼル市で空手道場を経営する日本人空手家。道場の宣伝のため、細工を施したビール瓶を手刀で割るなどのデモンストレーションを行う。その際、地元のギャングでプロレスラーでもあるシードラゴン・バビロンに絡まれ、吉良旭に助けられる。以来、吉良を用心棒として雇い、行動を共にする。
ダイアナ・ローザ (だいあなろーざ)
正統派女子プロレスラー。甲賀正清の空手道場で、吉良旭と出会う。悪役レスラーの反則技に負けてチャンピオンベルトを失ったため、ケンカ狂・吉良に弟子入り。正統技に加えてケンカ殺法を身につけ、ベルト奪回に成功する。
シードラゴン・バビロン (しーどらごんばびろん)
ギャング兼プロレスラー。右目にアイパッチをした巨漢。甲賀正清の空手デモンストレーションに乱入した際、吉良旭のケンカ殺法でコテンパンにやられる。以来、吉良を付け狙い、命を奪おうとする。
プリンス・スター (ぷりんすすたー)
「千の技を持つ男」の異名を持つプロレスラー。プロレス太平洋岸ライトヘビー級チャンピオン。吉良旭とは対照的な正統派で、キザな二枚目。必殺技スカル・ブレーク(脳天割り)を武器に吉良と闘う。
仁吉 (にきち)
ロスアンゼル市の日本人街に住む少年。孤児で、コーラのビンを集めた報酬などで自活する。ひねくれ者で人を信じない。自分と同じように世を拗ねた吉良旭に惹かれ、アニキと慕う。
力王山 (りきおうざん)
日本にプロレスを根付かせた日本プロレス界の王。大相撲の元大関。海外遠征などで修羅場を踏んだ実力者で、吉良旭よりもスケールのでかいケンカ屋。必殺技は空手チョップ。
入江 美花 (いりえ みか)
戦争で両親を亡くし、原爆症の弟を養うため、掃除婦やスナック従業員の仕事をしている少女。のちに吉良旭と結ばれる。
入江 道夫 (いりえ みちお)
入江美花の弟。小さい頃、長崎で被爆し原爆症を患う。中学に入った頃から病状が悪化。強い肉体を持つ吉良旭に憧れを持ち、プロレス会場を訪れ、吉良と出会う。
クレジット
- 原作