概要・あらすじ
名人宮野球場で行われる合同トライアウトの取材にやって来た月田明子は、1人の選手に注目していた。その選手は「不屈闘志」。彼は10年前のリーグ戦で投手として活躍していたが、肩を壊して治療に専念していた。その後、闘志はプロ野球界に復帰することはなかったが、今年の合同トライアウトに参加し、現役時代と同じ気迫のこもった投球を見せる。
しかし肩を壊したことで無意識に力をセーブするような投球となり、現役選手にホームランを打たれると、その後は腑抜けた状態のまま滅多打ちにされる。これにより交代を告げられるが、逆境を迎えた闘志は気迫を取り戻す。
登場人物・キャラクター
不屈 闘志 (ふくつ とうし)
合同トライアウトに参加した元プロ野球選手の男性。ポジションは投手。10年前はヨーグル・ストローズでリーグ優勝の立役者として活躍したが、無茶な起用がたたって肩を壊す。その後は治療のために渡米するが、そのまま引退。それでも野球への情熱は冷めやらず、再びプロで野球をするために合同トライアウトを受ける。平凡な速球でも打者をたじろがせる気迫と、逆境で力を発揮できる不屈の精神の持ち主。
不屈 唯 (ふくつ ゆい)
不屈闘志の妻。10年前はVSテレビの局アナウンサーをしており、肩が壊れていてもなお試合に出ようとする闘志を説得して一緒に球場を後にする。その後は闘志と結婚し、不屈魂士を生む。
不屈 魂士 (ふくつ たまし)
不屈闘志と不屈唯の間に生まれた一人息子。唯と一緒に闘志の合同トライアウトを見に来たが、闘志のプレイには興味を示さずにゲームで遊び続けた。
月田 明子
合同トライアウトの取材にやって来たデリバリースポーツの女性記者。高校時代に不屈闘志のいたチームのマネージャーをしていた。合同トライアウトが始まる前から闘志に注目する。
今日介 (きょうすけ)
合同トライアウトに参加した元プロ野球選手の男性。ポジションは投手。不屈闘志と同じ元ヨーグル・ストローズの選手で、闘志とも顔見知り。紅白戦でも闘志と同じチームになる。
南無 三蔵 (なむ さんぞう)
10年前のヨーグル・ストローズで監督を務めた男性。「ナムサン」という通称がある。不屈闘志が登板を拒否しなかったため闘志を使い続け、チームを15年ぶりのリーグ優勝に導く。ヨーグル・ストローズのほかに万神タイマーズでも優れた手腕を発揮し、現在はノンプロのジラックスで監督を務める。合同トライアウトで闘志を見かけてエールを送る。
児玉 勝利 (こだま かつとし)
10年前のヨーグル・ストローズで投手コーチを務めた男性。リーグ優勝が決まる試合の開始直前に球場を後にしようとする不屈闘志に対して、残酷な一言を発する。
古茶 (ふるちゃ)
10年前のヨーグル・ストローズで不屈闘志のチームメイトだった男性。ポジションは捕手。リーグ優勝が決まる試合の開始直前に球場を後にしようとする闘志に、「あとは自分たちに任せろ」と言って見送った。
風巻 凱介 (かざまき がいすけ)
10年前のヨーグル・ストローズで不屈闘志の先輩チームメイトだった男性。ポジションは投手。ひじを壊し手術をしてまで復帰した過去があり、自分の経験を闘志に語る。最初はやる気が感じられなかったが、闘志から最終戦のマウンドを託されると、別人と思えるほどの気迫を出すようになる。
沖田 (おきた)
不屈闘志が合同トライアウトで対峙した男性。10年前のヨーグル・ストローズ対万神タイマーズのリーグ優勝決定戦で1番打者を務め、闘志に照準を合わせて調整していた。しかし試合直前に闘志が球場を後にして、投手が風巻凱介に代わったことでまったく打てず、翌年以降は打撃の成績も振るわず、今年戦力外通告を受けた。「自分は不屈闘志に壊された」と思っている。
アーサー・ヒルバン (あーさーひるばん)
東京ラムフレイムズの監督を務める男性。合同トライアウトで不屈闘志の投球を見て闘志に興味を持ち、観客席にいた不屈唯にいろいろ尋ねる。