あらすじ
幼い頃から強面の厳津蒼太は、高校生になってからも周囲からは勝手に怖いイメージを抱かれ、孤立した状態が続いていた。そんな中、厳津は同じく眼光が鋭く強面なクラスメートの女子、姫野加恋とかかわる機会が増えるが、その度に姫野からにらまれてしまう。理由はわからないながらも、厳津は姫野から嫌われていると認識していた。そんなある日、病欠している姫野の家にプリントを届けに行くことになる。するとそこにはフリルやレースに囲まれた乙女チックな部屋でくつろぐ姫野がおり、「かわいいもの」が大好きな厳津は興奮を隠しきれず、つい饒舌になってしまう。実は姫野も厳津と同じく少女マンガに出てくるような「かわいいもの」が大好きで、二人は一気に意気投合する。(第1話「強面とフリル」。ほか、5エピソード収録)
登場人物・キャラクター
厳津 蒼太 (いかつ そうた)
高校1年生の男子。その鋭い眼光から、周囲からは恐ろしい人物だと勝手に勘違いされており、中学時代は最強の番長だったとか、カラーギャングに所属しているなど、事実無根の噂が広まっている。そのため、これまで親しい友達が一人もできなかった。自分から歩み寄っても相手に威圧感を与えるだけだと気づき、それからは一匹狼を貫いている。幼い頃から孤立しており、おばーちゃんの家にある少女マンガのレースやフリルという優しい世界観に癒されて育った。そのため、成長してからも乙女チックな「かわいいもの」が大好き。しかし、強面の外見とのギャップでさらに怖がられてしまうだろうと考え、誰にも言っていない。ある日、姫野加恋の家にプリントを届けに行ったことで、彼女が威圧的な容姿に反して「かわいいもの」が好きという事実が発覚し、親睦を深めていく。
姫野 加恋 (ひめの かれん)
高校1年生の女子。厳津蒼太と同じクラスに在籍している。美人ながら笑顔を見せることはなく、周囲からはスケ番と勘違いされ怖がられている。特に目つきが鋭く、悪気はまったくないにもかかわらず、相手からはつねに怒っていると思われている。少女趣味の母親に育てられたこともあり、姫野加恋自身も少女マンガやレース、フリルといった乙女チックな「かわいいもの」が大好き。しかし、強面の自分がかわいいものを好きだと公言する資格はないと考え、周囲には隠している。ある日、厳津が家にプリントを届けにきたことで、自らの乙女チックな部屋とファッションを厳津に見られ、同じ趣味を持つ者同士で意気投合する。生まれて初めて家族以外に自分の趣味を知る相手に出会えた喜びから、厳津をさまざまな場所へと誘う。
おばーちゃん
厳津蒼太の祖母。少女マンガが大好き。年代物の少女マンガを多数所持しており、厳津がレースやフリルという乙女チックな「かわいいもの」好きになるきっかけを作った。孫の厳津がその強面な外見から、これまで友達に恵まれなかったことを知っており、同じ趣味を持つ姫野加恋と親しくなったことを心から喜んでいる。おばーちゃん自身も姫野のようにかわいらしい服を着たいと思っているが、もう年だからとあきらめている。
その他キーワード
ちろたん
首にリボンを巻いたイヌのキャラクター。30年前に発売されたがヒットすることなく、自然消滅的に世間から消えていった。しかし、「かわいいもの」を好む一部の人たちからはカルト的な人気を得ており、厳津蒼太や姫野加恋もちろたんの大ファン。
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