サクラ大戦 漫画版

サクラ大戦 漫画版

セガサターンのゲームソフト「サクラ大戦」のコミカライズ。原作は広井王子、キャラクター原案は『ああっ女神さまっ』などの作者である藤島康介。霊子甲冑「光武」を操り、謎の敵黒之巣会と戦う隊長の大神一郎を中心とした帝国華撃団のアクションと、仲間たちとの恋愛模様を描くラブコメディの二面性を持つ架空戦記。

正式名称
サクラ大戦 漫画版
ふりがな
さくらたいせん まんがばん
原作者
広井 王子
作者
ジャンル
ファンタジー
 
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概要・あらすじ

海軍士官学校を卒業したばかりの大神一郎は、上野で配属先の迎えが来るのを待っていたところ、現れたのは軍人ではなく「帝国歌劇団」所属の女優、真宮寺さくらであった。自らの新たな配属先が劇場であることに違和感を覚え、反発する大神だったが、「帝国歌劇団」の真の姿は、帝都の平和を脅かす「黒之巣会」と戦う部隊「帝国華撃団」であることを知り納得する。

改めて「帝国華激団」花組の隊長として就任した大神は、粉骨砕身の覚悟で使命に勤しむ。大神と美女揃いの花組隊員との愉快で楽しい生活、帝都に暗躍する「黒之巣会」との死闘が始まる。

登場人物・キャラクター

大神 一郎 (おおがみ いちろう)

20歳の男性。海軍士官学校を主席で卒業した秀才。人々を守るために海軍に入ったという志が強いため、配属当初は花組の面々、特に米田一基とは衝突が耐えなかった。しかし花組の真の姿を知ってからは、花組の裏方兼隊長として働く好青年。

真宮寺 さくら (しんぐうじ さくら)

17歳の女性。生真面目だが、大神一郎が他の女の子と一緒にいるとヤキモチを焼くことが多い。居合の腕においては花組では抜きん出ており、北辰一刀流免許皆伝の腕前を持つ。その力は光武に乗った時も発揮されている。雷が苦手で、雷が鳴ると部屋にこもって出てこない。

神崎 すみれ (かんざき すみれ)

16歳の女性。大財閥のお嬢様で、帝国歌劇団のトップスターを自称する高飛車な性格。露出度の高い服を着ていることが多い。プライドも相応に高いものの、陰では努力を怠らない。薙刀使いのため、折りたたみの薙刀を常に携帯している。桐島カンナとは犬猿の仲。

イリス・シャトーブリアン (いりすしゃとーぶりあん)

フランスの大富豪を両親に持つ9歳の少女。仲間たちには「アイリス」と呼ばれている。幼いながら、花組の中でも霊力は飛び抜けて高く、光武をテレポートで移動させられるほどの霊力を持つ。普段は年相応の無邪気さがあり、いつもテディベアの「ジャンポール」を連れている。過去にその霊力の高さで幽閉されていたことがあり、霊力を暴走させてしまうことを極端に恐れている。

李 紅蘭 (り こうらん)

17歳の女性。天才発明家であり、光武のメンテナンスも行う。霊力は花組の中で一番低いものの、その技術力でカバーしている。発明家らしく機械いじりが得意で、そのため作業服でいることも多い。北京出身だが、一時神戸に住んでいたこともあって、関西弁で話す。

マリア・タチバナ (まりあたちばな)

19歳の女性。大神一郎が着任するまで花組の隊長を務めていた女性。ロシア人と日本人のハーフであるが、そのことに触れられるのは苦手。時に冷たく見えるほど冷静沈着で、射撃の名手でもある。帝国歌劇団では男役を演じることが多く、多くのファンを持つ。

桐島 カンナ (きりしま かんな)

19歳の女性。豪快な人物で、よく食べよく寝る。琉球空手桐島流28代目継承者でもあり、大帝国劇場に帰ってきて早々に大神一郎に手合わせを願った。神崎すみれとは馬が合わず、よく衝突しているものの、幼少期のトラウマをお互いに知ってからはいがみ合いも少しは落ち着いた。

米田 一基 (よねだ いっき)

62歳の男性。大帝国劇場の支配人。帝国華撃団の司令長官も勤めており、大神一郎をはじめとした帝国華撃団のまとめ役。帝国陸軍中将の肩書きも持つ。陸軍対降魔部隊隊長を勤め上げ、それを辞してから帝国華撃団を創設した。普段は酒瓶片手に飲んだくれた風を装っている。

藤枝 あやめ (ふじえだ あやめ)

23歳の女性。米田一基の秘書兼帝国華撃団の副司令。大帝国劇場の副支配人であり、また花やしき支部の支部長でもある。帝国陸軍での地位は中尉。昔は米田司令長官のもとで陸軍対降魔部隊の隊員でもあった。初期は翔鯨丸の操作を担当していたが、後に風組に操作を託す。

藤井 かすみ (ふじい かすみ)

22歳の女性。大帝国劇場の事務室で働く事務スタッフ。落ち着いたお姉さん気質の性格でありながら、伝票整理などでは大神一郎をこき使うことも。藤井かすみ、榊原由里、高村椿で構成される「帝劇三人娘」のリーダー。風組としての仕事は轟雷号の発進など、運用全般。

榊原 由里 (さかきばら ゆり)

20歳の女性。大帝国劇場の事務室で働く事務スタッフ。ミーハーで噂好きで、彼女に聞けば大抵の噂話が分かる。彼女も伝票整理など雑務を大神一郎に任せている。風組としての仕事は、轟雷号の発進準備などの準備全般。

高村 椿 (たかむら つばき)

15歳の女性。大帝国劇場の売店の売り子。江戸っ子気質だが、マリア・タチバナの熱狂的なファンでもあり、マリアのブロマイドを見て時折妄想にふけっては売店の業務を止めている。風組としての仕事は、主に索敵などの敵戦力の監視が多い。

天海 (てんかい)

黄泉から蘇った壮年の男性。黒之巣会の首領。徳川幕府を復活させようとしている張本人。帝都に楔を用いて六破星降魔陣を作り、帝都を大混乱に陥らせた。しかし、葵叉丹によって復活させられ、葵の手の上で転がされていた人物だった。

葵 叉丹 (あおい さたん)

20代位の男性。黒之巣会の死天王の1人で、冷たい人物でありながら、反魂の儀式ができる非常に貴重な存在。その反魂の儀式によって天海を蘇らせ、陰から操っていた。使用機体は漆黒の魔装機兵「神威」。大神一郎就任後の花組初出動時、上野公園にて対峙する。

紅のミロク (くれないのみろく)

20代位の妖艶な女性。黒之巣会の死天王の1人で、花魁姿をしている。天海のためには何を賭してでも命令を遂行するほど、天海に心酔している。魔装機兵は「孔雀」、親衛隊の脇侍は「紅蜂隊」といい、連携攻撃をくり出す。

白銀の羅刹 (はくぎんのらせつ)

20代位の男性。黒之巣会の死天王の1人で、蒼き刹那の双子の弟。巨漢で怪力だが頭が悪く、刹那の足を引っ張っている。兄である刹那に心酔しており、兄が死んでからは葵叉丹に、帝国華撃団を倒す代わりに兄を復活させるための反魂の儀式をしてもらうことを約束させるも、それがかなうことはなかった。使用魔装機兵は「銀角」。

蒼き刹那 (あおきせつな)

見た目は子供だが、黒之巣会の死天王の1人で、白銀の羅刹の双子の兄。残虐な性格をしている。伸縮自在の両手の爪を武器にし、マリア・タチバナに過去の記憶をみせて、混乱させ捕らえた。使用魔装機兵は「蒼角」で、蒼き刹那の行動パターンに合わせて機動力重視の設計になっている。

集団・組織

帝国華撃団 (ていこくかげきだん)

陸軍対降魔部隊を前身として1922年に発足した帝都防衛部隊。総司令官に米田一基陸軍中将が着任している。副司令は藤枝あやめ。帝撃には「花組」「風組」「夢組」「月組」「雪組」が存在しており、それぞれ役割が異なる。対魔物部隊である「花組」には霊子甲冑「光武」が配備されている。陸軍・海軍のどちらにも所属せず、一部の関係者しかその存在を知らない。

帝国歌劇団 (ていこくかげきだん)

太正11年に結成された、宮廷劇からコント劇までこなす少女たちで構成された歌劇団。本拠地は銀座の大帝国劇場。演目は「椿姫の夕」「愛ゆえに」「西遊記」など。作中最後のショーは「花組レビュー」であった。

花組 (はなぐみ)

対魔物部隊として組織された部隊。表向きは帝国歌劇団として、演劇によって舞を奉納し、魔を退ける使命を負っている。裏では帝国華撃団対魔物部隊として帝都を守る活動をしている。花組に選ばれる最優先条件は、強い霊力を持っていること。

風組 (かぜぐみ)

帝国華撃団の輸送部隊であり、普段は帝国歌劇団の裏方や売店のスタッフとして働いている。主に轟雷号の操作を行い、花組が安全に魔物のいる場所まで移動できるように手配するのが仕事。後に翔鯨丸の運用も、藤枝あやめから託されている。

陸軍対降魔部隊 (りくぐんたいこうまぶたい)

1912年、将来の魔物による驚異を予見した米田一基らによって「剣」と「呪法」によって帝都防衛を唱え、結成された組織。まだ霊子甲冑のない時代であったため、武器となるのは己の肉体と剣のみであった。ごく小規模な事件の解決能力しか備えなかったため、1918年に解散。

黒之巣会 (くろのすかい)

太正12年、突然姿を現した謎の組織。天海を首領とし、4人の幹部「死天王」と無数の「魔装機兵」「脇侍」によって構成されている。その目的は帝都を徹底的に破壊し、かつての江戸幕府体制に戻すことである。第一部の最後に天海が倒され、平和は守られた。

場所

大帝国劇場 (だいていこくげきじょう)

京橋区銀座4丁目にある劇場。太正8年秋着工、太正12年春完成し、劇場としては東洋一の規模。外観はヴィクトリア調の様式で、内装は和洋折衷となっている。その外観からは想像のつかないことだが、地下には「帝国華撃団」の本拠地がある。

花やしき支部 (はなやしきしぶ)

正式名称は「帝国華撃団(帝撃)花やしき支部および地下兵器工房」。支部長は藤枝あやめで、その施設のほとんどを地下に持つ。帝撃の武器庫であり、帝撃の輸送専門部隊「風組」が常駐している部署でもある。地上部分は「花やしき」と呼ばれる遊園施設になっている。

帝都 (ていと)

大神一郎らが暮らし、大帝国劇場のある日本の東京にあたる都市。蒸気によって発展を遂げた都市であり、生活のさまざまなものに蒸気が取り入れられている。最近では、人型蒸気による襲来が懸念されており、そのため帝都防衛計画の一環として帝国華撃団が作られた。

その他キーワード

霊子甲冑 (りょうしかっちゅう)

装甲はアメリカ南北戦争時に発見された呪術に対して強い体制を持つ「シルスウス鋼」という金属で作られており、主機関には蒸気と霊力をエネルギー源とする「蒸気併用霊子機関」が使用されている。そのため、高い霊力の持ち主でない限り、霊子甲冑を起動させることは不可能である。

光武 (こうぶ)

蒸気併用霊子機関を搭載した世界初の対妖力戦用人型蒸気。第一世代霊子甲冑。設計草案は山崎真之介、設計および開発は神崎重工。

人型蒸気 (ひとがたじょうき)

米国で開発された有人型兵器。蒸気機関を動力とする人型兵器の総称。欧州大戦が人型蒸気の本格的なデビューとなった。移動は現在使用されている光武とは違い、二足歩行ではなくキャタピラや車輪による走行が主な足回りだった。

轟雷号 (ごうらいごう)

地下弾丸列車。蒸気機関車である特D五〇五と貨物車、光武などの霊子甲冑運搬用車両を連結したもの。太正6年、山崎真之介設計。太正11年、神崎重工によって製造された。帝国華撃団銀座本部の地下から発進し、帝撃花やしき支部の地下に到着する。

翔鯨丸 (しょうげいまる)

帝国華撃団を空路で運ぶための輸送機体。運転は始め藤枝あやめによって行われたが、のちに帝国華撃団・風組に任せられる。翔鯨丸は普段浅草地下に格納されており、発進時は緊急警報と共に、市民に避難を求め、地表が開き、発進する仕組みになっている。

霊力 (れいりょく)

霊能者が発揮するエネルギー。人の内に宿る精神的な力のことを指し、一般の人間もわずかながら誰でも持っている。同様に悪しきものが持つ「妖力」というものもあるが、どちらも同じ精神エネルギーである。花組の中ではイリス・シャトーブリアンが一番霊力が強い。

魔装機兵 (まそうきへい)

黒之巣会が所有し、使用している人型蒸気。現在では「神威」や「孔雀」など各々の戦闘パターンにチューニングされた、いくつかの種類に分かれた有人の魔装機兵が存在する。また無人型の脇侍も確認されている。

脇侍 (わきじ)

黒之巣会の主戦力である無人型人型蒸気。無人型のため、与えられた命令どおりに動くロボットである。楔と同様に天海によって発掘された徳川時代の遺物。後に葵叉丹によって利用される。

(くさび)

上野寛永寺に保管されていた古の祭器。密教の祭器である独鈷杵(どっこしょ)のような形をしている。徳川幕府の遺産を葵叉丹が複製したものである。彼は各地にこの楔を穿ち、帝都の霊的守護を破壊する「六破星降魔陣」を完成させた。

太正 (たいしょう)

『サクラ大戦』における年号で、物語の舞台となっている時代。現実の「大正」とは文字が異なるが、文化様式は似通っている。明治からの移行は現実と同じく、明治45年、1912年に行われている。

降魔戦争 (こうませんそう)

1915年4月4日、日本橋の地下から無数の小型降魔と1匹の巨大な降魔が出現した事件。およびそれに関連する一連の戦闘のことを指す。この時現れた降魔たちは帝都中心部および首都機能に甚大な被害を与えた後、1918年、陸軍対降魔部隊によって鎮圧された。

クレジット

原作

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