メドゥーサ

メドゥーサ

愛し合いながらも、国会議員とテロリストという相反する道を選んでしまった男女の激動の半生を描く社会派漫画。

正式名称
メドゥーサ
ふりがな
めどぅーさ
作者
ジャンル
政治家・政界
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概要・あらすじ

ヴェトナム戦争が激化し、学生運動が激しさを増した70年代。城南大に通う榊龍男は、義父から娘の榊陽子を説得し、連れ戻すよう命じられる。彼女は学生運動にのめり込み、メドゥーサと呼ばれる凄腕の女運動家となっていた。考え方の違いから初めは対立していた2人だったが、やがてお互いに愛し合うようになる。

しかし、榊陽子の仲間である山路敏彦が警官を殺してしまったことで事態は大きく変わる。榊陽子山路敏彦と共に海外へ逃亡。それから間もなく、国会議員となった榊龍男のもとに、榊陽子が爆弾テロの実行犯として死んだとの報せが入る。彼女の死の報せから数年後、内閣官房副長官としてドイツを訪れた榊龍男の前に、榊陽子が再び姿を現す。

しかし、再会した彼女はテログループ、大地の剣の一員となっていた。

登場人物・キャラクター

榊 龍男 (さかき たつお)

孤児だったが、幼いときに民自党所属の国会議員、榊龍太郎に引き取られ、その養子となる。城南大卒業後、民自党幹事長の田丸善太に師事。25歳で義父の地元である福岡5区から出馬し、トップ当選を果たす。内閣官房副長官、外務大臣を務めあげ、党内での将来を嘱望されていたが、己の信念を貫くために民自党を離党。 仲間の小倉一郎らと共に新党創樹会を結成。解散総選挙に勝利し、内閣総理大臣となる。榊龍太郎の実娘、榊陽子を愛しており、彼女と敵対するようになってからもその想いが変わることはなかった。

榊 陽子 (さかき ようこ)

榊龍男を養子として引き取った榊龍太郎の娘。榊龍男とは幼いころから兄妹として育った。大学時代、日米安保に反対する学生運動に参加。城東大全闘委に所属し、メドゥーサの名で知られていた。大学側と交渉で決裂した城東大全闘委は、講堂内に立てこもり徹底抗戦を図るが、その際、突入してきた機動隊員を仲間の山路敏彦があやまって殺してしまう。 山路敏彦と共に海外へ逃亡、その後イスラエルで起きた爆弾テロの実行犯として死んだとされていたが、来島冴子と名を変え、国会議員となった榊龍男の前に再び姿を現す。榊龍男を深く愛しており、日本を離れた後もずっと彼のことを想い続けていた。

山路 敏彦 (やまじ としひこ)

日米安保に反対する学生闘士で、榊陽子が所属していた城東大全闘委の委員長。大学の講堂に立てこもった際、突入してきた機動隊員をあやまって殺してしまい、犯罪者として追われる身に。榊陽子らと共に旅客機をハイジャックして海外へ逃亡。その後、ムハンマドと名を変え、パレスチナのテログループ大地の剣の一員となる。 榊陽子を愛するあまり、彼女が愛する男、榊龍男への敵対心をつのらせていく。

寺田 徹 (てらだ とおる)

榊龍男の大学時代からの友人。大学卒業後はJ・P・プレスの記者となる。榊龍男に協力し、日本政府高官専用の秘密クラブ、ローズ・ガーデンを巡る巨大スキャンダルを暴こうとする。

田丸 善太 (たまる ぜんた)

榊龍男が所属する民自党の幹事長。榊龍男の義父、榊龍太郎の親友で、榊龍男が国会議員になるのに力を貸した。榊龍男の政治家としての資質に期待しており、娘の田丸麗子との結婚を許した。

田丸 麗子 (たまる れいこ)

榊龍男の妻で、民自党幹事長である田丸善太の一人娘。夫の気持ちが榊陽子にあることを知りつつも、必死に彼を支えようとする。

サニア・バンダル (さにあばんだる)

アラブの王族。表の顔は日本の政財界に向けてロビー活動を行うためのサロンのオーナーだが、裏では日本政府高官専用の娼館、ローズ・ガーデンの支配人をしている。榊陽子をローズ・ガーデンの娼婦に仕立て上げるが、自身もその魅力の虜となり、やがて異常な執着を見せるようになる。 ローズ・ガーデンの内情を暴こうとする榊龍男に対抗するため、ホテル王で政界のフィクサーである天動要と手を組む。

天動 要 (てんどう かなめ)

東亜興業社主で、世界のホテル王と呼ばれる大実業家。その莫大な資産を背景に、民自党を裏から操る政界のフィクサーでもある。榊陽子を我が物にするため、彼女の身柄を交換条件にサニア・バンダルへの協力を約束。自分に刃向かい、ローズ・ガーデンを巡るスキャンダルを公表しようとする榊龍男を全力でつぶしにかかる。

松下 (まつした)

内閣総理大臣。榊龍男が所属する民自党松下派のトップで、「金配り気配りの天才」と呼ばれている。ローズ・ガーデンを巡るスキャンダルを隠蔽しようとする。

小倉 一郎 (おぐら いちろう)

榊龍男が所属する民自党の議員。日本の政治を正そうとする榊龍男に賛同し、彼と共に民自党を離党。新党創樹会を立ち上げる。

小室 (こむろ)

SPの警護課長。榊龍男がドイツや東欧諸国を歴訪した際、その警護を担当した。政治家としての榊龍男に惚れ込み、彼のチームのメンバーとなる。

丸菱 栄一 (まるびし えいいち)

傘下に多くの企業を抱える丸菱グループの御曹司で、丸菱商事社長。「日本の政治を変える」という榊龍男の思いに賛同し、腐敗の大元である民自党をつぶすため、新聞による一大キャンペーンを打つ。

集団・組織

大地の剣 (だいちのけん)

『メドゥーサ Medusa』に登場するテログループ。榊陽子が所属していたテロ組織。パレスチナゲリラの分派のひとつで、各地で爆弾テロを行っていた。リーダーはかつて城東大全闘委委員長だった山路敏彦。

ローズ・ガーデン (ろーずがーでん)

『メドゥーサ Medusa』に登場する秘密クラブ。アラブの王族であるサニア・バンダルがオーナーを務める、日本政府高官専用の高級娼館。日本政府の裏情報を手に入れるため、榊陽子はこのクラブで娼婦として働き始める。やがてこのクラブの存在は榊龍男の知るところとなり、日本の政界を揺るがす大スキャンダルへと発展していく。

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