概要・あらすじ
昭和47年7月。田中角栄が総理大臣に就任したその日、荒れ狂う玄界灘の船上でひとりの赤ん坊が産声を上げる。赤ん坊は、時の宰相にちなんで、「角栄」と名付けられた。小学5年生になった角栄は、天下取りの野望に目覚め、学級委員長選挙に立候補。対立候補のスキャンダルのねつ造や、買収工作など、あらゆる手段を使って当選しようとする。
登場人物・キャラクター
中田 角栄 (なかた かくえい)
昭和47年7月、田中角栄の総理大臣就任と同日に生まれたため、「角栄」と名付けられる。小学生の頃から天下取りの野望を持つ。小心で金に汚く、喧嘩に滅法弱いが、自分の「主義」のためには、大胆で勇敢な行動を起こす。また、情に厚い熱血漢でもあり、規格外の魅力で周囲の人間を味方につけていく。
中田 鬼助 (なかた きすけ)
中田角栄の父親。妻・栄子のために政治家としての夢を捨てた過去を持ち、天下取りの野望を角栄に託す。政治家を辞めてからは酒と女に狂い、自堕落な生活を送る。後に、妻の栄子と離婚。角栄を引き取ろうとするが、自分の影響で、角栄が身勝手で傲慢な人間になりつつあるのを見て、身を引く。
中田 栄子 (なかた えいこ)
中田角栄の母親。角栄が11歳の時に、夫・鬼助と離婚。以来、女手一つで角栄を育てる。若い頃、鬼助を束縛することにより、彼の夢を捨てさせたことを後悔している。高校生になって軍団を作って暴れる、角栄の夢と野望を温かく見守る。
金田 札平 (かねだ さつへい)
有名大企業である金田企業の一人息子。中田角栄のクラスに転校してきた小学生。何でもかんでもお金で解決しようとするため、「お札つぁん」と呼ばれる。番長グループに虐められているところを、体を張って助けた角栄と友情を育む。以来、角栄の親友および金脈として、角栄に仕える。
岩城 一馬 (いわき かずま)
中田角栄のクラスメイト。学級委員長の座を角栄と争う。ハンサムな優等生で、委員長選挙で圧倒的有利と見られたが、角栄陣営の札束のばらまきや、スキャンダルねつ造などで追い詰められていく。
死倉 知也 (しくら ともや)
死倉連合総統。大物である父親の資金力を背景に、福岡の高校制圧を目論む高校生。玄海高校を死倉連合の拠点とするために転校してくる。学力優秀、スポーツ万能の二枚目エリート。冷酷非情なエゴイストで、5人の花嫁候補に焼印を押し、自分の所有物だと公言する。中田角栄と、見田寛子と玄海高校の覇権を巡って対立する。
見田 寛子 (みた ひろこ)
玄海高校の生徒で、中田角栄が想いを寄せる、おさげ髪の美少女。京都弁を話す。中学2年のときに、死倉知也のことが好きになってしまい、胸に悪魔の形の焼印を押される。以来、死倉の花嫁候補としての宿命を背負い、角栄に惹かれながらも、死倉への想いも断ち切れずに悩む。
鬼羅 貫太郎 (きら かんたろう)
死倉連合第一師団長。プロテクターに身を包み、頭頂部のみに髪を残したモヒカンスタイル。玄海高校を急襲し、番長グループをあっという間に壊滅させた。死倉知也の右腕。
集団・組織
死倉連合 (しくられんごう)
『角栄生きる』に登場する組織。死倉知也を総統に、傘下校40、兵員4800人を従える高校生グループ。北九州を本拠地に福岡地区の制圧を目論む。玄海高校の角栄軍団と激しく争うことになる。
角栄軍団 (かくえいぐんだん)
『角栄生きる』に登場する組織。中田角栄をリーダーとする、玄海高校のグループ。金田札平ら数人を従えた小規模組織だが、後に番長グループを引き入れ、他校とも同盟を結び、死倉連合と対決する。