概要・あらすじ
21世紀に入り加速度的に進んだ地球温暖化は南北極点の氷をすべて溶かし、地上の全都市を水没させた。地上生活の放棄を余儀なくされた人類は海中にドーム型の海底都市を設営して移住し、一部の人間たちは遺伝子操作によって水棲半魚人に姿を変え、海中を自由に泳ぎ回れるようになっていた。そして西暦2071年、増殖し巨大化した水棲半魚人たちの軍勢が、ついに人間たちに襲いかかる。
絶滅の危機に瀕した人類は、半魚人の軍隊デュゴン軍に対抗するための最新型兵器として大型潜航艇5挺を製造し、精鋭の少年少女たちをパイロットとするサラーキア部隊を編成。ここに、全人類の滅亡をかけた激烈な海底大戦争の決戦の火ぶたが切って落とされたのである。
登場人物・キャラクター
水城 潮 (みずしろ うしお)
結木マリンとペアを組んでサラーキアを操縦するサラーキア部隊の少年パイロット。正義感が強く、射撃の腕前が一流で、戦闘においては冷静かつ的確な状況判断ができる優秀な兵士。ひとたび挺を降りるとゲームが大好きで女の子に目がない、ごく普通の12歳の少年。
結木 マリン (ゆうき まりん)
水城潮とペアを組んでサラーキアを操縦するサラーキア部隊の少女パイロット。操縦はうまくこなすものの射撃が苦手。12歳の少女にして、すでに大人のモデル並のグラマラスなプロポーションを誇る。その見事なスタイルで相棒の潮を大いに興奮させている。
ギジ
上半身が人間で下半身が魚という、アンデルセンの童話『人魚姫』そのままの姿をした美しい人魚。地上で気を失っていたところを水城潮に救われ、マリ・ラメールの軍事施設に収容される。完全な人間の姿に変身することも可能で、電気ショックで敵を倒す能力を持つ。
ガルゴ
デュゴン軍の強力な生物兵器。疑似餌によって敵を引きつけ、近づいたところを大口を開けて敵を飲み込むというアンコウ型の巨大な魚の形をしている。最初は姿を隠して敵の目をくらまし、突如としてサラーキアの前に立ちはだかる。
ジュリア
マリ・ラメールの軍事施設で、少年・少女で組織される隊員たちの教育を担当し、時に優しく時には厳しく指導する女性教官。金髪碧眼で背が高くプロポーションも抜群で、全少年兵の憧れの的となっている妙齢の美女。
ザール提督 (ざーるていとく)
デュゴン軍の全権を掌握する総指揮官。巨大な巻き貝を背負ったたくましいマッチョな体躯の水棲半魚人で、無数の触手の中央部にいかつい顔があるという不気味な容姿をしている。オクトパシス女王に忠誠を尽くし人類壊滅を目指す。
オクトパシス女王 (おくとぱしすじょおう)
水棲半魚人たちの頂点に位置する女王。巨大なタコの外観だが、妖艶でグラマラスな裸の女性の身体が前部にあり、大きな2つの乳房には巨大な眼がついている。若い人間をしゃぶり食らうことをなによりの喜びとしている恐ろしいモンスター。
本間 シンヤ (ほんま しんや)
マリ・ラメール内の施設で軍事訓練を受けている少年隊員。水城潮とはいつも冗談を言い合う仲。就寝時は「洗濯が面倒」という理由で素っ裸で眠るほどのズボラで勝ち気な性格の少年。サラーキア部隊に配属され、長部エミリーとペアを組んで大型潜航艇「ティアマート」のパイロットとなる。
長部 エミリー (おさべ えみりー)
マリ・ラメール内の施設で軍事訓練を受けている少女隊員。目が大きく結木マリンをしのぐほどのグラマラスなプロポーションを持つ少女。気の強い性格で、いつも水城潮をやりこめている。サラーキア部隊に配属され本間シンヤとペアを組んで大型潜航艇「ティアマート」のパイロットとなる。
集団・組織
デュゴン軍 (でゅごんぐん)
もともとは人間であったが遺伝子操作により魚類のDNAを体内に取り込み、海中生活に適応した水棲の半魚人が組織した、ザール提督を総指揮官とする軍隊。人間を食料とするようになり次第にその攻撃力を強め、同時に人類を滅亡に導く巨大な軍事組織となった。
サラーキア部隊 (さらーきあぶたい)
マリ・ラメールの少年少女で組織された戦闘部隊。いずれも人魚の形状をした大型潜航艇全5挺で構成されている。大型潜航艇は、水城潮らが搭乗するリーダー挺の「サラーキア」を筆頭に、メソポタミア神話由来の「ティアマート」、ペルシャ神話由来の「アナヒータ」、バビロニア神話由来の「グラ」、ケルト神話由来の「アヴァンティア」という名が付けられている。
大海殿 (だいかいでん)
東シナ海の台湾沖に位置し、マリ・ラメールに最も近い海底都市。旧中国系の住民が多く居住しており、ドームの外観には中華風のデザインが装飾されている。デュゴン軍の襲撃を受け、援軍として「サラーキア部隊」の派遣をマリ・ラメールに要請する。
場所
マリ・ラメール (まりらめーる)
21世紀中盤に海に沈んだ横浜の沖に位置する旧日本の海底都市で、世界中に散在する海底都市の中では最大規模。透明な巨大ドームの中にはかつての地上都市そのままの高層ビル群が建ち並ぶ。自軍の組織サラーキア部隊によってデュゴン軍を倒し、人類を救うことを都市の使命としている。
その他キーワード
サラーキア
マリ・ラメールの軍隊が製造した大型潜航艇で、ローマ神話の海の女神が名前の由来。その形状から「白銀のマーメイド」と別称される。Ⅰ号挺はデュゴン軍との戦闘用に海底探査挺から急遽改造され、その後改良型のⅡ号挺が製造された。高速推進機能と高射砲およびミサイルを備えており、回転泳法も可能。サラーキア部隊全5挺のリーダー挺。