「スモール3」の不思議な冒険
「スモール3」と呼ばれる手塚ぴょんたろう、お茶の水ひろし、吾妻つばめはどこにでもいるふつうの中学生。ある日、三人が担任教師のドクから借りたディスクを再生したところ、家のテレビにリアルな異世界「マルチバース」が映し出される。その後、モニターからリアルなトンボが出てきて、彼らが目を離したスキにぴょんたろうの妹・ふたばとペットの犬がトンボを追いかけてモニターの中に入り込み、マルチバースの異星人に捕らわれてしまう。本作は、そんなスモール3が、ふたばを助けるためにマルチバースの地球人たちと力を合わせて異星人たちに立ち向かう姿を描く、パラレルワールドSFアクションとなっている。
謎の異世界「マルチバース」
異世界「マルチバース」は基本的に元の世界の人々が、同じ名前と場所で暮らしている。だが、現実世界とは物理法則が異なっており、「スモール3」や手塚ふたばは、マルチバースの世界では超人的なパワーやスピード、耐久力を発揮する。また、マルチバースの住人の見た目は元の世界とは違い、スモール3の存在はアニメのキャラクターのように見られており、どこへ行っても注目の的となっている。なお、作中では元の世界はデフォルメ調に、マルチバースの世界は写実的に描かれている。
人類を脅かす異星人と抵抗組織の戦い
異世界「マルチバース」の特徴に、「大帝」と呼ばれる指導者が率いる異星人の存在が挙げられる。彼らは動物の頭に巨大な人型の体を持ち、マルチバースの人間をはるかに上回る身体能力と軍事技術を誇る。そして、自らの力を誇示するように政府を懐柔して手懐け、些細なことで地球人を殺害するなど、暴虐の限りを尽くしている。そんな異星人に対抗しているのが、「リベリオン」と呼ばれる民間の抵抗組織。彼らは異星人から奪った武器や兵器のほかに、10分間だけ超常的な能力を発揮できる薬「ツヨクナール」を保持しており、異星人への反撃ののろしを上げる。リベリオンと異星人の争いは熾烈(しれつ)を極め、やがて「スモール3」もリベリオンに加勢して戦いに介入することとなる。
登場人物・キャラクター
手塚 ぴょんたろう (てづか ぴょんたろう)
中学生の男子。お茶の水ひろし、吾妻つばめとは家がとなり同士の親友で、いずれも背が低いことから「スモール3」と呼ばれるグループの一人。父親は漫画家で、妹の手塚ふたばがいる。ふたばからは懐かれており、手塚ぴょんたろう自身も、表面上はうっとうしいと言いながらも、内心では彼女のことを大切に思っている。ふたばからは「にーたん」と呼ばれている。実直な性格で、時折無鉄砲な行動を取ることがある。また面倒見がよく、好奇心が旺盛でスモール3ではリーダー的な存在。学校の教師・ドクから借りたDVDを自宅で再生すると、異世界「マルチバース」との扉が開かれ、目の前でふたばを異星人にさらわれてしまう。妹を助けようと手がかりを集めている中で、やがてマルチバースにもう一人の自分が存在している可能性を知る。それを確かめるため、ひろしやつばめと共に自宅があった場所へと向かい、もう一人の自分や家族と邂逅を果たす。異星人がふたばを拉致しただけでなく、マルチバースに住む地球人を理不尽に虐げようとしていることから、敵意を向けている。
お茶の水 ひろし (おちゃのみず ひろし)
中学生の男子。手塚ぴょんたろう、吾妻つばめとは家がとなり同士の親友で、いずれも背が低いことから「スモール3」と呼ばれるグループの一人。異星人をはじめ、異世界「マルチバース」の住人たちも、自分たちに傷一つつけられないことにいち早く気づくなど頭の回転が速く、ぴょんたろうからはスモール3の頭脳として頼られている。ぴょんたろうやつばめとは家族ぐるみの付き合いで、ぴょんたろうの妹・手塚ふたばをかわいがっている。マルチバースとの門が開かれた際、ふたばが異星人に拉致されるところを目撃し、二人と共に彼女を救出するために行動を起こす。
書誌情報
サンダー3 7巻 講談社〈KCデラックス〉
第1巻
(2022-10-17発行、 978-4065289280)
第2巻
(2023-01-17発行、 978-4065303726)
第3巻
(2023-05-17発行、 978-4065318300)
第4巻
(2023-09-14発行、 978-4065334133)
第5巻
(2023-12-15発行、 978-4065342077)
第6巻
(2024-05-16発行、 978-4065356234)
第7巻
(2024-09-17発行、 978-4065368862)