概要・あらすじ
科学省長官の天馬博士は、愛息天馬トビオを交通事故で失う。その代わりとして、科学の粋を集めたロボットアトムを作るが、アトムが成長しないことに絶望し、アトムをサーカスに売り飛ばしてしまう。その後アトムは、お茶の水博士の庇護のもと、ロボットの家族を与えられ、悪人や怪物ロボット、宇宙からの侵略者などから人々を守るため、10万馬力のパワーとさまざまな能力で戦っていく。
登場人物・キャラクター
アトム
科学省長官の天馬博士によって科学の粋を集めて作られた少年型ロボット。10万馬力のパワー(後に1000万馬力)の他、正しい人間と悪人を見分け、どんな計算も1秒でできる。また、60カ国語を話し、空を飛び、聴力を1000倍まであげられ、目はサーチライトになるなど、多彩な能力を持つ。お尻にはマシンガンが内蔵されている。
天馬博士 (てんまはませ)
科学省長官。死んだ息子天馬トビオのかわりに科学の粋を集めたロボット、アトムを作る。アトムがロボットであるため、彼が成長しないことを憎み、サーカスへ売り飛ばした。人間をゴミよりも小さくしてしまう収縮薬Xを発明。後に自らの仕打ちを悔やみ陰ながらアトムを助ける。 プルートウとの戦いにあたってアトムを100万馬力に改造する。
お茶の水博士 (おちゃのみずはかせ)
科学省長官。アトムが壊れるたび修理をする。アトムの両親の他、ウラン、コバルトという家族ロボットを制作。自分の大きな鼻を大事にしている。
伴 俊作 (ばん しゅんさく)
アトムが通う学校の先生。老けてみられるが50歳前である。若白髪を染めている。
大目 タマオ (おおめ たまお)
アトムのクラスメート。おっちょこちょいで、しばしば、いじめっ子の四部垣の標的となる。
ケン一 (けんいち)
アトムのクラスメート。クラス委員として、普段はまじめな優等生だが、『ロボットランドの巻』では、クラス全員を率いてロボットランドへ潜入し、アトムの危機を救うなど果敢なところを見せる。
四部垣 (しぶがき)
アトムのクラスメート。不良で、大目タマオやアトムに意地悪をする。親は金持ちの美術収集家。
天馬 トビオ (てんま とびお)
天馬博士の息子。車にひかれて死亡する。この事件は、天馬博士がアトム制作を決意するきっかけとなった。
中村捜査課長 (なかむらそうさかちょう)
田鷲警部とともに行動することが多い。ロボットに反感を持ち、先走りしがちな田鷲警部に対して、ロボットには好意的であり、慎重派の警官。ロボットや宇宙人などによって起こされる難事件に出馬する。
田鷲警部 (たわしけいぶ)
鼻の下にタワシのようなひげをたくわえる。中村捜査課長とともに行動することが多い。ロボットには好意的であり、慎重派の中村捜査課長に対し、ロボットに反感を持ち、先走りしてアトムを逮捕したこともある。ロボットや宇宙人などによって起こされる難事件に出馬する。
スカンク・草井 (すかんくくさい)
盗み、誘拐、殺人など、さまざまな悪事を働くギャング。
金三角 (きんさんかく)
サングラスにひげ、謎の中国人風ギャング。
ウラン
『鉄腕アトム』に登場するロボット。アトムの妹としてお茶の水博士に作られる。10万馬力を持ち、ロボッティングにも出場し人気者となる。おてんばで、アトムを困らせたりするが、『地上最大のロボットの巻』では、プルートウに、「アトムと戦わないで」と、けなげに訴える。
コバルト
『鉄腕アトム』に登場するロボット。一時、行方不明になったアトムの代わりとして作られる。アトムと同じ体で10万馬力を持つが、精密な仕事が苦手。アトムの弟として、ウランともども、その無邪気な破天荒さで、アトムに手を焼かせる。
フランケンシュタイン
『鉄腕アトム』に登場するロボット。未完成のまま工場を抜け出した怪力ロボット。ロボットに化けた革命団に操られる。
ゾロモン
『鉄腕アトム』に登場する怪物。首だけのロボットシーラのサイコキネシスで操られる怪物。四次元的に一つの世界が収まっている「シリウスのしずく」と呼ばれる宝石を、人間から取り戻そうとする。
電光 (でんこう)
『鉄腕アトム』に登場するロボット。新発明のP・H(ペーハー)ガラスで作られ、透明で目に見えないロボット。偏光ライトをあてると美しく輝く。
アトラス
『鉄腕アトム』に登場するロボット。インディオのラム博士に作られた。取り付けられたオメガ因子の働きで悪い心を持つロボットとなる。
プラチナ
『鉄腕アトム』に登場するロボット。ゴルゴニア連邦最高のロボット。ヒトーリン首相の恐怖政治に抵抗している。
プーク
『鉄腕アトム』に登場するロボット。戸沢博士により作られる。犬、鳥、馬、ライオンなど、様々なタイプのロボットに変身する。
イワン
『鉄腕アトム』に登場するロボット。ソビエト連邦でできた最初のロボット。ミーニャ・ミハイローヴナ中尉とともに月で遭難する。原始的なロボットながら、中尉を助けて月で生き延びた。
ホットドッグ兵団44号 (ほっとどっぐへいだんよんじゅうよんごう)
『鉄腕アトム』に登場するサイボーグ。ヒゲオヤジの飼い犬ペロが、人型サイボーグにされたもの。「おあずけ」といわれると動けなくなるなど、飼い犬の習性を残す。
ガロン
『鉄腕アトム』に登場するロボット。ユラ星からメガローパ星へ送られたが、手違いで地球に漂着した惑星改造用の巨大ロボット。
ベム
『鉄腕アトム』に登場するロボット。ニコロ星でつくられた爆弾ロボット。本体は冷蔵庫のような箱で、感覚器官の部分が人型のロボットになっている。
プルートウ
『鉄腕アトム』に登場するロボット。ロボットの帝王になるため、アトムのほか、スイスの山案内用ロボットモンブラン、スコットランドのノース2号、トルコのロボット力士ブランド、ドイツのロボット刑事ゲジヒト、 ギリシアのヘラクレス、オーストラリアのエプシロンという世界で一番強い7人のロボットを倒していく使命を与えられる。
ブルー・ボン
『鉄腕アトム』に登場するロボット。ロッス博士に作られたロボット。人間に憎しみを抱き、ロボットのための国を作ろうとする。
場所
ロボットランド
灰戸博士(はいどはかせ)によって建設されたテーマパーク。おとぎ話や童話の世界をロボットで再現する。暴君的ロボット、大魔王サターンが支配している。
その他キーワード
気体人間 (きたいにんげん)
『鉄腕アトム』に登場する気体生命。成層圏に住み、人間の頭に取り付いて行動を支配する。人間を奴隷にしようとする。
ロボッティング
『鉄腕アトム』に登場するスポーツ。ロボット同士が力比べをするレスリングのような競技。
ロボット法 (ろぼっとほう)
『鉄腕アトム』で言及される法律。ロボットは人をきずつけたり殺したりしてはいけない。ロボットは人間につくすために生まれてきたものである。ロボットは作った人間を父と呼ばなくてはならない。ロボットは何でもつくれるがお金だけは作ってはいけない。ロボットは海外へ無断ででかけてはならない。男のロボットと女のロボットはたがいに入れかわってはいけない。 無断で自分の顔を変えたり別のロボットになったりしてはいけない。おとなにつくられたロボットがこどもになったりしてはいけない。人間が分解したロボットを別のロボットが組み立ててはならない。ロボットは人間の家や道具をこわしてはいけない。という10か条の法律からなっている。
人造心臓 (じんぞうしんぞう)
『鉄腕アトム』に登場するロボットの部品。ロボットにつけることでロボットにも絵や音楽のよさがわかるようになる。同時に、怖さなど、人間の弱さも生じてしまう。
関連
PLUTO (ぷるーとう)
手塚治虫による『鉄腕アトム』の人気エピソード「地上最大のロボット」を原作としたリメイク作品。ロボットが人類と共存している近未来を舞台に、刑事ロボットであるゲジヒトや少年ロボットのアトムたちが、次々と起... 関連ページ:PLUTO
アトム ザ・ビギニング (あとむ ざ びぎにんぐ)
手塚治の代表作である『鉄腕アトム』の前日譚。ロボット産業が飛躍的に栄えたメカシティーを舞台に、新型人工知能の搭載されたロボットの開発にすべてを懸ける2人の大学生、お茶の水博志と天馬午太郎の活躍を描く。... 関連ページ:アトム ザ・ビギニング
アニメ
鉄腕アトム(1963年版)
交通事故でひとり息子天馬飛雄を失った天馬博士は、天馬飛雄にそっくりなロボット鉄腕アトムを作る。しかし、天馬博士はロボットが人間の息子のように成長しないことに絶望。ロボットサーカスに売り飛ばしてしまう。... 関連ページ:鉄腕アトム(1963年版)
ASTRO BOY 鉄腕アトム
事故で亡くなった息子を模し、天馬博士によって世界最高の技術で生み出されたロボットアトム。だが、天馬博士はアトムと良い関係を築けず失踪。科学省長官を受け継いだお茶の水博士と共にアトムは生活することとなる... 関連ページ:ASTRO BOY 鉄腕アトム
鉄腕アトム(1980年版)
交通事故でひとり息子天馬飛雄を失った天馬博士は、天馬飛雄にそっくりなロボット鉄腕アトムを作る。ワルプル・ギス男爵は、スカンク草井を使い、鉄腕アトムの設計図をもとにアトラスを製作。 そして、アトラスに悪... 関連ページ:鉄腕アトム(1980年版)
書誌情報
鉄腕アトム 9巻 講談社コミッククリエイト〈手塚治虫文庫全集〉
第1巻
(2009-10-09発行、 978-4063737011)
第2巻
(2009-10-09発行、 978-4063737028)
第3巻
(2009-10-09発行、 978-4063737035)
第4巻
(2009-11-11発行、 978-4063737042)
第5巻
(2009-11-11発行、 978-4063737059)
第6巻
(2009-12-11発行、 978-4063737066)
第7巻
(2009-12-11発行、 978-4063737073)
第8巻
(2010-01-08発行、 978-4063737080)
第9巻
(2010-01-08発行、 978-4063737097)