オクチンの大いなる怪盗

オクチンの大いなる怪盗

若者が抱く将来への失望感や挫折感というテーマを、異次元旅行というSFストーリーに凝縮して描写した異色の短編。主人公とは直接関係のない第三者の現在と自分自身の未来の姿を対比させて、自分自身の人生を考察するというゲーテの「ファウスト」を思わせる哲学的内容を内包している。「週刊少年チャンピオン」1970年3月4日号に掲載された作品で、手塚治虫漫画全集の『ザ・クレーター』第2巻に収録されている。

正式名称
オクチンの大いなる怪盗
ふりがな
おくちんのおおいなるかいとう
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

いつも担任教師に反抗ばかりしている中学生のオクチンは、自分の将来を悲観しヤケになっている劣等生。ある日、そんなオクチンの前に大いなる怪盗を名乗る見知らぬ青年が現れ、オクチンに他人の未来が分かる不思議なメガネを手渡すのだった。そして2人は、ある有名人の未来を盗むためにスリル溢れる冒険の旅に出ることになる。

登場人物・キャラクター

オクチン

いくら体罰を受けても教師への反抗を止めない劣等生の男子中学生。家庭環境に失望し自暴自棄になっており、頬に「過去・未来・ご意見無用」と書いた絆創膏を貼っている。大いなる怪盗を名乗る男と共に、有名人の未来を盗む不思議の旅に出かける。

大いなる怪盗 (おおいなるかいとう)

オクチンの前に忽然と現れた謎の青年。オクチンのことをよく知っており、他人の未来を示す「シッポ」を見ることができる特殊なメガネを持っている。オクチンの未来を変えるためと称して、半ば強引にオクチンを有名人の未来を盗む不思議の旅に連れ出す。

教師 (きょうし)

劣等生のオクチンを目の敵にしている中学校教師。天然パーマにちょびヒゲ姿で、言うことを聞かないオクチンに激しい体罰を与える暴力教師でもある。虚勢を張ってはいるが、将来に向けた立派な計画性を持っているわけでもないと、大いなる怪盗にその人間性を見破られる。

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