登場人物・キャラクター
柚原 卯月 (ゆはら うづき)
1ヵ月前に姉を亡くしたばかりの男子高校生。3年次のクラスはC組。目のあたりまで伸ばした長い前髪に、肩につかない長さまで伸ばした髪を外にはねさせている。逆ナイロールフレームの眼鏡が特徴。ある日幼なじみの露村黄路と偶然再会するが、実は彼女の記憶があいまいで、どのような人物だったか思い出せずにいる。過剰なほど熱心に世話を焼く黄路に戸惑い、その不審さに勘付きつつも親しくなっていく。 両親も10年前に亡くしているため、現在は一人暮らし。以前は写真部に所属しており、退部した今も写真を撮るのが好き。
露村 黄路 (つゆむら こうろ)
柚原卯月の幼なじみ。卯月より1歳年上にあたる女子大学生で、卯月の姉の柚原日和と友人だった。小柄でベリーショートヘアをしているのに加え、服装も男性的なことから男性に見えるが女性。かつては柚原家の隣家に住んでおり卯月と日和とはよく一緒に遊んでいたが、いつの間にか引っ越してしまい、卯月は黄路に関する記憶があいまいになっていた。 再会した卯月に不自然なほど親身に接し、一人暮らしの彼の世話を焼くようになる。しかし無断で柚原家の合鍵を作ったりするなど、行動の端々に異常性が垣間見られ、不審な雰囲気がある。亡くなった父親と動物園で見て以来パンダが好きで、リュックサックやマフラー、マグカップなど、持ち物もパンダがデザインされたものを多く使っている。
武内 健 (たけうち たける)
柚原卯月の友人。金髪の前髪を真ん中で分け、碧眼をしている男子生徒。2年次のクラスはC組で、3年次のクラスもC組。卯月からは「ゲーム脳」と評されるほど大のゲーム好きで、趣味で漫画も描いている。そのため卯月と露村黄路の関係性を「美少女ゲームのよう」と評している。現実の女性とは縁がないと考えていたが、八坂に告白され、強引な彼女に付き合う形で親しくなっていく。 卯月を想っているが、それが恋愛感情なのかどうかは確信が持てずにいる。部活動は写真部に所属している。
八坂 (やさか)
武内健に想いを寄せる女子生徒。健と柚原卯月と同じ高校に通っており、2年次のクラスはC組で、3年次のクラスもC組。前髪を目の上で切り揃え、桃色のボブヘアを耳の高さで内巻きにしている。太い眉が特徴。健の目立つ容姿がきっかけで彼に惹かれるようになり、積極的にアプローチし親しくなろうとする。しかし健を観察するうち、彼の秘密を知っていく。 部活動は美術部に所属しているが、漫画はあまり読んだことがない。
柚原 日和 (ゆはら ひより)
柚原卯月の亡くなった姉。露村黄路とは親しく、幼い頃は卯月、日和、黄路の3人でよく遊んでいた。しかしある事件をきっかけに、黄路を卯月から遠ざけた疑いがある。不器用な性格で、料理も不得手。写真を撮られるのが嫌いだったため、写真はほとんど残っていない。卯月と黄路が再会する1ヵ月前、交通事故で亡くなった。
露村黄路の父 (つゆむらこうろのちち)
露村黄路の亡くなった父親。かつて黄路に「動物は傷口を舐めて怪我を治す」と教えたことから、黄路は柚原卯月の傷をなめたことがある。黄路がパンダを好むのは、以前父親と動物園に行った思い出から。黄路は「父親は卯月に殺された」と語っている。
委員長 (いいんちょう)
柚原卯月たちが所属する3年C組のクラス委員長を務める女子生徒。前髪を目の上で切り揃え、腰のあたりまで伸ばしたストレートロングヘアをポニーテールにしている。柚原日和が亡くなり、卯月が学校を欠席している件で、柚原家を訪ねることになる。しかし武内健と八坂が卯月を案じていることに気づき、自分の代わりに訪問するよう頼む。
八坂の友人 (やさかのゆうじん)
八坂の友人。同じ高校に通う同級生の女子生徒で、八坂と同じ美術部に所属している。前髪を目の上で切り、ストレートロングヘアをポニーテールにしてまとめている。男性のような口調で話すのが特徴。八坂とは友人であるとともに、きちんと活動している数少ない美術部員同士として一緒に過ごすことが多い。武内健に惹かれる八坂を「面食い」と評しつつ、相談に乗る。