けむたい姉とずるい妹

けむたい姉とずるい妹

幼い頃から妹の三島らんに大切な物を奪われ続けてきた東郷じゅんは、最愛の彼氏を略奪され、ついにらんと絶縁状態となる。しかし母親の死去をきっかけに、8年ぶりの再会を果たした姉妹は、じゅんの元彼氏でらんの夫である三島律と共に同居することになってしまう。真逆の性格のじゅんとらん、そして二人を翻弄する律の三角関係を描いた泥沼ラブストーリー。講談社「Kiss」2021年10月号から2023年10月号まで連載。2023年10月実写ドラマ化。

正式名称
けむたい姉とずるい妹
ふりがな
けむたいあねとずるいいもうと
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
KC KISS(講談社)
巻数
既刊5巻
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あらすじ

歪な同居生活のスタート

しっかり者の東郷じゅんは、幼い頃から自分の持ち物を勝手に使う妹の三島らんの存在が気に入らなかった。しかもらんは、じゅんが交際していた三島律を略奪し、これをきっかけに姉妹は絶縁状態となる。そんな中、母親の東郷由里子の葬儀をきっかけに二人は8年ぶりに再会するが、和解するには至らなかった。そしてじゅんが、由里子の暮らしていた実家に転居すると、らんもこの家に住む権利があると割り込んできて、三人で同居しようと提案する。じゅんはここで自分が逃げ出すと、奪われ続けてきた人生で終わってしまうと奮起し、その申し出を承諾する。三人の同居生活が始まると、らんはじゅんの前でわざとらしく律とイチャイチャしたり、由里子の遺品を勝手に整理して友達とパーティーをしたりと、挑発的な言動を繰り返す。そんな歪(いびつ)な三人暮らしを通して、じゅんはらんに一層の嫌悪感を覚える一方で、まだ自分の心の中に律の存在が大きいことを自覚する。そして律も、じゅんのことをまだ忘れられないと発言し、彼女の心をかき乱す。

一線を越えるじゅんと律

同居生活を続けていく中で、東郷じゅん三島律は再び惹(ひ)かれ合っていく。そんなある日、じゅんは帰宅途中の律と電車内で鉢合わせし、勢いで二人はホテルへと向かい、一線を越えてしまう。その後、三島らんはじゅんと律の様子がおかしいことに気づくものの、らんは律のことを心から愛しており、真実を知るのが怖いからと見て見ぬふりをする。それと同時に、らんは母親の東郷由里子から愛されなかった過去の自分を振り返り、一番欲しいものはどれだけ強請(ゆす)っても手に入らないことに落ち込む。そしてらんは、親密な様子のじゅんと律の姿を目撃してしまう。大きなショックを受けたらんは、衝動的に家を飛び出すのだった。

実写ドラマ

2023年実写ドラマ化。10月9日からテレビ東京ほかにて放送。姉の東郷じゅんを栗山千明、妹の三島らんを馬場ふみかが演じる。

登場人物・キャラクター

東郷 じゅん (とうごう じゅん)

高校の教師を務める独身女性。三島らんの姉で、らんと父親が異なる。妹のらんが自分の大切な物を勝手に使うことに、いら立ちを覚えながら育った。さらに、交際していた三島律をらんに略奪されたことが決定打となり、以降は絶縁状態となる。しかし、母親の東郷由里子の死をきっかけに、らんと8年ぶりの再会を果たす。由里子が生前暮らしていた実家に一人で住む予定だったが、らんが強引な手段で家を奪おうとしたため、居座ることを決意。以降、折り合いの悪い妹のらんと、元彼氏でらんの夫、律の歪な三人での同居生活をスタートする。非常にまじめな性格で、人付き合いも得意な方ではない。律に対しての恋心はとっくに吹っ切れていると思っていたが、まだ完全に忘れられずにいる。幼い頃から由里子にかわいがられており、それをらんに羨ましがられていた。

三島 らん (みしま らん)

東郷じゅんの妹で、三島律の妻。じゅんと父親が異なる。幼い頃から要領がよく、じゅんの持ち物を勝手に使っていた。じゅんが交際していた彼氏の律を略奪したことでついにじゅんと絶縁状態となるが、母親の東郷由里子の葬儀をきっかけに8年ぶりの再会を果たす。由里子が暮らしていた実家に移り住もうと計画していたが、すでにじゅんが一人で住んでいることを知り、じゅんがすぐに出ていくだろうという目論見から、自分たち夫婦と、じゅんの三人で同居しようと提案する。地味なじゅんと違って、華やかな雰囲気と社交的な性格の持ち主で、性別を問わず交友関係は広い。その一方で、母親の由里子からかわいがられていたじゅんに羨ましさを覚えており、一番欲しいものは理想の人生だと思っている。旧姓は「東郷」で、親しい友達からは「らんらん」と呼ばれている。

三島 律 (みしま りつ)

出版社に勤めている男性。三島らんの夫で、高校時代は東郷じゅんと交際していたが、最終的に三島律自身とよく似た性格の妹、らんと結婚した。自分のせいでじゅんとらんが絶縁状態になったことを申し訳なく感じており、いつかは和解してほしいと願っている。ふだんは人当たりのいい事なかれ主義者のように振る舞っているものの、自分の本心は誰にも見せないという別の顔を持つ。幼い頃から自分のしたいことを母親から否定されてきたことで、欲がまったくない。予想外の出来事から元彼女のじゅん、妻のらんの三人で同居生活をスタートさせる。らんとの夫婦関係は良好ながら、感情をすぐに表に出す彼女をかわいらしいと思う一方で、煩わしく感じる瞬間もある。じゅんに対しては今でも気があるような素振りを見せ、彼女の心をかき乱す。らんからは「りっくん」と呼ばれている。

東郷 由里子 (とうごう ゆりこ)

東郷じゅんと三島らんの実母。体調を崩して入院し、そのままこの世を去った。当時の夫、すなわちらんの父親が亡くなった際、姉妹の前で二人の父親が異なることを告白した。東郷由里子にとって最愛の人はじゅんの父親であったことから、らんよりじゅんを無意識にかわいがっていた。この愛情の偏りがらんの心に闇を生み、じゅんの持ち物や彼氏の三島律を略奪するきっかけを作ってしまう。

書誌情報

けむたい姉とずるい妹 5巻 講談社〈KC KISS〉

第1巻

(2022-02-10発行、 978-4065265086)

第2巻

(2022-07-13発行、 978-4065285282)

第3巻

(2022-12-13発行、 978-4065298749)

第4巻

(2023-05-12発行、 978-4065314432)

第5巻

(2023-10-13発行、 978-4065329290)

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