ヒロインがフィギュアスケートに魅了される
もらった入場券で弟と共にアイススケート場にやってきた麻綾は、フィギュアスケートクラブを営む東堂英士に声をかけられスカウトされる。そしてクラブに出向いた初日、高校生の旬の華麗に舞う力強い演技に見惚(みほ)れてしまった麻綾は、東堂のクラブに通うことを決意する。麻綾はほかのクラブ生との出会いや交流を重ねながら練習に励み、東堂が注目した類まれなる才能を少しずつ開花させていく。初心者ながらフィギュアスケートの世界に身を投じていくことになった麻綾の成長と恋愛模様が、フィギュアスケートの感動の演技やラブコメディを交えて展開される。
シングルにこだわる氷上の王子×スケート初心者の中学生
ふつうの中学生の麻綾は、たまたま遊びにきていたアイススケート場でデタラメなダブルアクセルを披露したことがきっかけに東堂からスカウトされる。しかし麻綾は、フィギュアスケートどころかスポーツの経験すらないど素人。そんな麻綾は上級者の旬のペア候補として指導を受けることになるが、旬からは指導もペアを組むことも拒否されてしまう。それでも麻綾は王子様のような風貌で華麗に舞う旬のスケート姿にあこがれ、彼のような選手になることを目指して前向きに練習に励む。旬はクールなイケメンながら性格は頑固そのものでシングルにこだわり、当初はペアに戻ることを拒否していた。そんな旬には、幼少期から共にスケートを楽しんできた姉を病気で亡くした悲しい過去があり、そんな経緯から頑(かたく)なにシングルにこだわっている。
スケートリンクの存続を懸けた挑戦
東堂や旬のサポートもあってフィギュアスケートの基礎を身につけ、順調に才能を開花させていく麻綾だったが、彼女が通うアイススケートリンクの新オーナーが、経営不振を理由にリンクの閉鎖を宣言する。東堂はクラブ生を次のフィギュアスケート大会で上位に入賞させることを条件に、リンク存続を新オーナーに求めるが、新経営者が指名したのは初心者の麻綾だった。こうしてリンクの存続は、初心者の麻綾とペアの演技にブランクのある旬の結果にゆだねられることになる。リンク存続の運命と共に、フィギュアスケートの練習や大会を通して距離を縮めていく、麻綾と旬の絆(きずな)も見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
栗木 麻綾 (くりのき まあや)
星耀学園中等部に通う2年生の女子。金髪ロングヘアで、小柄な体型をしている。家族は両親のほかに姉と弟がおり、「太一」という猫を飼っている。あだ名は「どんぐり」。明るく前向きな性格のがんばり屋で、祖母にもらった金平糖が元気の素になっている。弟と共にアイススケート場で遊んでいた際に、東堂からスカウトされて旬のペア候補となり、東堂が教えているスケートクラブのジュニアクラスに通うことになる。当初からスケートは理屈ではなく実戦で覚えるタイプで、休日や放課後も熱心にクラブに通い続け、技術を身につけていく。初心者ながらバランス感覚や直感力に優れており、無自覚に秘めたる才能と成長のスピードに旬や東堂も絶賛している。
狩野 旬 (かのう しゅん)
星耀学園高等部に通う男子。茶髪ショートヘアで、クールな雰囲気を漂わせたイケメン。あだ名は「キラキラ王子」。東堂が営むフィギュアスケートクラブに通う上級者で、氷上で舞う美しい姿は見る者を魅了し、初心者の麻綾からもあこがれを抱かれている。以前は幼少期から共にクラブに通っていた姉の絢とペアを組んでいたが、彼女が病死してからはシングルに転向している。絢を亡くしたショックと、彼女が唯一無二の存在であるとの思いから、ペアに戻ることを拒否していた。しかし麻綾の著しい成長ぶりや、ひたむきに努力する姿を見て考えを改めて、不器用ながらコーチを務めるようになる。