概要・あらすじ
インペリアル王国の王妃となったジェインという少女は、三枝万里の幼馴染であった。テレビでその事実を知った万里の興奮も冷めやらぬ中、彼女の元にジェインからのエアメールが届く。それは、インペリアル王国への招待状だった。数々のトラブルに巻き込まれながらも宮殿へとたどり着き、久しぶりにジェインと再会した万里は、彼女からある相談を受ける。
それは、ジェインが王妃になってからというもの、宮殿の北の塔に初代国王の亡霊が現れ、その姿が目撃されているというものだった。言い伝えによれば、王族にふさわしくないものがその地位に就いた時、初代国王の亡霊が現れるという。万里は思い悩むジェインのために一肌脱ぐことを約束し、調査を始める。すると、その言い伝えを利用して王家を陥れようと企む者の存在が、徐々に明らかになっていくのだった。
登場人物・キャラクター
三枝 万里 (さえぐさ まり)
15歳の少女。国際感覚を身に付けて欲しいと願う両親の思惑から、アメリカンスクールに通っている。明るく、何事にも前向きで、行動力あふれる性格。親友のジェインを守るため、真相究明に尽力する。
ジェイン
16歳の少女。三枝万里とは日本に住んでいた時、家が隣同士の幼馴染で、同じ学校に通う同級生だった。その後父親の仕事の都合で帰国。弱冠16歳にしてインペリアル王国の王妃となった。平民出身であることから、国民からは現代版シンデレラと呼ばれている。
ルーファス王子 (るーふぁすおうじ)
ロザモンド皇太后の長男。三枝万里に対して王子らしからぬ気さくさで接してくる。エドワード国王とジェインの結婚を一番祝福し、喜んだ。
アーサー=インウッド (あーさーいんうっど)
インペリアル王国の近衛連隊の中尉。人当たりが良い美青年。何かと三枝万里にアプローチしてくるが、万里にはあまり相手にされていない。
グレイ
インペリアル王国の新人近衛兵を自称しているが、同じく近衛兵であるアーサー=インウッドは彼に見覚えはない様子。命を狙われた三枝万里を救ったり、彼女に帰国することを勧めてくる。何かと謎の多い人物。
シャルル王子 (しゃるるおうじ)
ロザモンド皇太后の次男。素直なまだ幼い少年であり、屈託のない笑顔でいつも場を和ませる。三枝万里を慕っている。
フェビアンヌ王女 (ふぇびあんぬおうじょ)
ロザモンド皇太后の長女。典型的なわがままタイプで、アーサー=インウッドを慕っているため、彼からアプローチを受けている三枝万里が気に入らない。
エドワード国王 (えどわーどこくおう)
インペリアル王国の国王。王妃に迎えたジェインをとても大切にしている心の優しい人。そのそぶりは見せないが現在宮殿内で起こっている問題を把握しており、事態解決のために手を打つ。
ロザモンド皇太后 (ろざもんどこうたいごう)
エドワード国王にとって2度目の母親。スウェーデン王室の血を引いていて、特権階級意識に凝り固まっているため、平民出身のジェインが王妃になったことを良く思っていない。
デュバル将軍 (でゅばるしょうぐん)
インペリアル王国の近衛連隊最高司令官で、宮廷内の影の実力者と言われている人物。ロザモンド皇太后にべったりで、エドワード国王とジェインの結婚に反対していた。
ローエングリン
ジェインの飼い犬。表情豊かで、それにより三枝万里との会話が成立している。目新しいものには見境なくとびかかるらしいが、その割には臆病。事あるごとに万里に協力させられることになる。
場所
インペリアル王国 (いんぺりあるおうこく)
地中海に面した美しい小さな国で、果実の輸出と観光で成り立っている。現代では数少ない立憲君主国だが内部には問題も抱えており、王族の権威を失墜させようとする勢力も存在する。三枝万里の幼馴染であるジェインが、平民の出でありながら王族となったことで問題が表面化する。