ジェットキング

ジェットキング

夢みがちな少年・南条あつしは、ひょんなことから自分が何にでも変身できることに気付く。姿を変える力を活かしてジェットキングとなり、正義のために悪人たちと戦うSFファンタジー。「漫画王」1959年1月号から1959年5月号にかけて掲載された作品。

正式名称
ジェットキング
ふりがな
じぇっときんぐ
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

小学4年生の「アッちゃん」こと南条あつしは、いねむりばかりしているボーッとした夢みがちな男の子。ある日算数の授業中、三角定規を探していたところ自分の手が定規に変わってしまい仰天する。それから、自分が頭で思い描いたものに変身できることに気付く。相談を持ちかけた友達の良ちゃんと一緒に、家にしまわれていた奇妙なカブトと家系図を見つけ、自分が宇宙人の子孫だと知る。

この力を使って正義のために働くと決めたあつしは、良ちゃんの祖父である博士の協力を得て、ジェットキングとなって悪人どもに立ち向かう。

登場人物・キャラクター

南条 あつし (なんじょう あつし)

小学4年生の男の子。いつもボーッと夢を見ているような性格で、時々夢と現実の区別がつかなくなることもある。ふとしたきっかけで自分が何にでも変身できること、宇宙人の子孫であることを知る。力を使って正義のために戦おうと決意し、危険も顧みず悪人に立ち向かう勇敢さも持っている。

良ちゃん (りょうちゃん)

南条あつしの友達の少年。真面目な性格で、様子のおかしいあつしを心配していた。何にでも変身できると相談されても最初は本気にしなかったが、実際に変身した姿を見せられてようやく信用し、ロケットと宇宙人に詳しい祖父の博士を紹介する。

博士 (はかせ)

良ちゃんの祖父。野菜や漬物を売る青物店を切り盛りしている。ベッタラ漬けの博士を自称する漬物の名人だが、ロケットと宇宙人にも詳しい。南条あつしの体の組織を調べて人間と違っていることを突き止め、確かに宇宙人の子孫だということを証明する。正義のためにジェットキングとして戦うあつしに協力し、自らが発明したダイアナ号を与える。

ダイアナ号 (だいあなごう)

博士が発明した木馬型の乗り物。右の耳を押すと空を飛び、左の耳はブレーキになっている。前脚の先には自動小銃が仕込んである。アンテナを使っていつでも呼び出すことができる。ちなみに博士は、非常用のアンテナをヒゲの中に隠している。

宇野 (うの)

良ちゃんの家の隣に住んでいる女性警察官。南条あつしと良ちゃんが不良の上級生に絡まれていたところを止めに入った。「宇宙の心」の使いを名乗る女性型宇宙人と瓜二つで、地球から悪人をなくすよう命じられていると語り、ジェットキングことあつしの前に時折現れて情報を与える。その正体は謎に包まれている。

不良 (ふりょう)

南条あつしと同じ小学校に通う上級生の少年たち。いつも3人グループで連れ立っている。生意気だからとあつしに目をつけており、なにかと因縁をつけて絡んでくる。あつしがジェットキングだと知ってからは、悪人たちのスパイとなってジェットキングを追跡し、博士の誘拐にかかわる。

リム大統領 (りむだいとうりょう)

世界一戦争が好きだといわれているタルパス国の大統領の男性。リム大統領自身ももちろん戦争が大好きで、ただ1人戦争を止めようと奔走していた外務大臣を暗殺した。戦争を始めようという企みを阻止するべくタルパス国に侵入した、ジェットキングこと南条あつしと対決する。

キラー男爵 (きらーだんしゃく)

世界中の悪人を代表してジェットキングこと南条あつしに挑戦状を叩きつけた殺し屋の男。2週間でジェットキングを始末すると宣言し、小手調べに護送中の国際密輸団を脱走させる。リモートコントロールで操作するハンドロボットを使い、ジェットキングを追いつめる。

アルセーヌ・ルパン (あるせーぬるぱん)

キラー男爵と同様に、ジェットキングこと南条あつしに挑戦する、怪盗「アルセーヌ・ルパン」を名乗る男。ただし血を好まないため、生け捕りにすると宣言した。知能犯らしく謀略を用いてジェットキングを捕らえ、悪人たちの巣窟である首つり島へ連れて行き、仲間になるか処刑されるかの選択を迫った。

アゴヒゲの学者 (あごひげのがくしゃ)

宇宙の使者が悪人を治すことができる「良心の薬」を作っていることを、ジェットキングこと南条あつしに教えた、アゴヒゲを生やした男性の学者。宇宙の果ての星で薬の研究をしている。宇宙船に乗ってやって来たジェットキングと博士を捕まえたが、当初は地球の存在を信じずに牢屋へ入れようとしていた。一度は和解したものの、博士を誘拐して新しい薬の実験台にしようとする。

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