定年退食

定年退食

高齢化が深刻化した近未来を舞台に、老人たちを待ち受ける残酷な運命を描いた短編。老人を扶養する能力を失いつつある社会を、リアルに描く。「ビッグコミックオリジナル」1973年9月5日号に掲載された作品で、『藤子・F・不二雄異色短編集2 気楽に殺ろうよ』に収録されている。

正式名称
定年退食
ふりがな
ていねんたいしょく
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

老人は、「二次定年特別延長」の申請をするため区役所に向かっていた。ちなみに、特別延長の抽選に外れると、国からの社会保障が打ち切られてしまう。その道すがら、老人は友人の吹山と偶然出会い、真偽不明の奇妙な噂を教えられる。それは、「二次定年特別延長」の抽選に確実に当選する方法があるというものだった。

登場人物・キャラクター

老人 (ろうじん)

74歳になる男性で、子供夫婦と同居している。温厚で楽天的な性格で、外出時はなるべく車に乗らず歩くなど健康に気を遣っている。息子夫婦との関係も良好で、表面上は穏やかに暮らしているが、まもなく二次定年に達するため、将来に不安を感じつつある。

吹山 (ふきやま)

老人の友人で、同じ74歳の男性。噂話が好きで、さまざまな人脈から情報を仕入れている。その情報は、政界の裏事情や老化防止の健康法など多岐にわたるが、ほとんど当てにならない。理詰めを好み、やや短気な性格をしている。

その他キーワード

二次定年 (にじていねん)

高齢化の進んだ近未来の日本で導入された制度。仕事を引退するのが一次定年で、75歳になるとこの二次定年を迎えることとなる。二次定年を迎えると、年金や医療などの国家による保障が失われてしまう。例外として、抽選で選ばれた者のみ保障が延長される「二次定年特別延長」という枠があるが、当選倍率が非常に高い狭き門となっている。

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