何もないけど空は青い

何もないけど空は青い

鉄がなくなり、文明が崩壊しつつある世界を生きる高校生たちの姿を描いたSF漫画。穏やかな日常からゆっくりと荒れ果てた世界へと変わっていく様子、そして逆境にも負けず立ち上がっていく人々の姿が丁寧に描かれる。小学館「週刊少年サンデー」2014年16号から2015年38号にかけて連載された作品。

正式名称
何もないけど空は青い
ふりがな
なにもないけどそらはあおい
原作者
西森 博之
作画
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
全7巻完結
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概要・あらすじ

仲間たちと平穏な日常を送っていた高校生の河守仁吉のもとに、突如、地球に向けて隕石が衝突するとの情報が入ってくる。しかし、隕石は実際に地球に衝突することはなく、地球上に塵をまき散らしながら消えてしまう。地球の平和は守られたと安心したのもつかの間、塵には未知のバクテリアが含まれており、あっという間に増殖。そのバクテリアは鉄を恐ろしい速度で分解する性質を持っており、その結果、文明はゆっくりと崩壊へと向かっていく。

治安は乱れ、食糧危機など数多くの問題が人類に降りかかる中、これまでの日常を継続することの難しさを実感しながらも、仁吉らは「人間らしく生きていこう」と前向きに考える。

登場人物・キャラクター

河守 仁吉 (かわかみ じんきち)

M市在住の高校2年生の男子。身長180cmと大柄な体格をしている。剣道部に所属しており、インターハイに出場するほどの腕前を持つ。おおらかで優しい人柄で男女問わず人気があり、真面目なところが、先生たちからも高く評価されている。正義感も強く、弱い者が襲われている際には怯まずに手助けする。七ノ宮華羅に片想いをしており、隕石が地球に衝突しそうになった際にも、咄嗟に守るなど大切に想っている。 隕石の塵の影響で治安が乱れてからは、近所に住む親戚を訪ねようと行動を開始するが、街の変わりように愕然とする。途中で保護した玲菜と一緒に華羅の自宅へと向かい、さらにその場にいた重原風斗とも合流し、以降4人で行動をともにする。その後、華羅の家の劣化により移動を余儀なくされたため、M市の田舎で農業を営む河守仁吉の実家に4人で移動することとなる。

七ノ宮 華羅 (しちのみや から)

M市在住で、河守仁吉と同じ高校に通う2年生の女子。身長170cm。黒髪セミロングの髪型をした、クールで清純な雰囲気の美少女。弓道部に所属している。正義感が強く、どんな時でも自己主張をはっきりする芯の通った人物。流行に流されることもないため、男性生徒はもちろん、女子生徒からも憧れの目で見られている。仁吉から好意を持たれていることには気付いているものの、はっきりとした答えは伝えていない。 実家は金持ちで、住んでいる家も豪邸。隕石の塵の影響で治安が乱れてから、家族は別の場所に避難をしたが、七ノ宮華羅自身は、父親と喧嘩をしたまま自宅に留まった。訪ねて来た仁吉と玲菜、そして重原風斗と合流し、以後行動をともにする。

玲菜 (れな)

河守仁吉が、近所で暮らす親戚の様子を見に行った際に知り合った3歳の少女。親に捨てられた様子で、仁吉が保護することになった。お腹が空いていても、もったいないからと食べ物を拒否するなど、幼いながら世界に何が起こりつつあるのか理解している。争いごとが嫌いで、暴力に発展しそうな場面を目の当たりにすると、パニックに陥る。仁吉とともに七ノ宮華羅の自宅へ行き、重原風斗も交えて4人で行動するようになる。

重原 風斗 (しげはら かざと)

東京出身の17歳の少年。七ノ宮華羅の幼なじみ。東京の実家は金持ちで、華羅いわく「ボンボン」。華羅に好意を抱いており、心配になってM市までやって来た。自転車のチューブに石を入れて武器を作るなど機転が利き、生存能力に優れる。東京からM市にやって来るまでに、多くの死体や暴動を目の当たりにしており、一時は保護した玲菜を河守仁吉に捨ててくるよう命じるなど、考え方も非常にシビア。 華羅の家にやって来た仁吉と玲菜と合流し、以降4人で行動することとなる。出会った当初は仁吉と反発し合うが、サバイバル生活を通して次第に友情が芽生えていく。

仁吉の母 (じんきちのはは)

河守仁吉の母親。夫と息子の3人で、M市の田舎で畑を営んで暮らしていた。隕石が塵をまき散らしながら消滅した時、夫は外出中であり、自宅に戻って来ていない。パワフルかつおおらかな性格で、七ノ宮華羅の自宅の天井が抜けたため住めなくなり、助けを求めてやって来た華羅と重原風斗、玲菜を快く受け入れた。食用カエルをさばいたり、どんぐり粉を使ったりと、サバイバル能力に長けている。

真山 新太郎 (まやま しんたろう)

M市在住で、河守仁吉と同じ高校に通う2年生の男子。仁吉と親しい友人。根っからのスケベで、女子たちからは警戒されている。そのため、未知のバクテリアの影響で鉄が腐食していく状況にあっても、「ブラジャーが生産できなくなり、きっとノーブラになる」と喜んでいた。七ノ宮華羅に憧れており、弓道で使う際の胸当てが欲しいなど、問題発言を繰り返している。 普段は軽い性格ではあるものの妹想いで、真山文花を守るためであれば全力を尽くす。

真山 文花 (まやま ふみか)

真山新太郎のまだ幼い妹。両親が帰って来ないため、兄の新太郎と2人で行動している。非常時でも冗談を言って明るく励ましてくれる新太郎に応えようと、辛くても前向きに生きている。

明莉 (あかり)

M市在住で、河守仁吉らと同じ高校に通う2年生の女子。七ノ宮華羅と同じ弓道部員であり、仲が良い。強い心を持つ華羅に憧れを抱いていたが、小林らに襲われた際に、毅然とした態度で助けてもらったため、さらに忠誠心を持つようになった。

芙美花 (ふみか)

M市在住で、河守仁吉らと同じ高校に通う2年生の女子。濃い目の化粧にウエーブしたロングヘアの、ギャルっぽい風貌をした美人。仁吉とは知り合いで、困った時には何かと頼りにしている。小林に目を付けられ、校内で絡まれて拉致されそうになっていたところを、仁吉に助けられる。

小林 (こばやし)

M市在住で、河守仁吉らと同じ高校に通う3年生の男子。子分2人と行動をともにしている。もともと不良ではあったものの、文明が崩壊するにつれて凶暴性を露わにしていく。盗んだ車に嫌がる芙美花を無理矢理乗せようとしたところ、仁吉の妨害を受けて失敗し、それ以降、仁吉を目の仇にしている。芙美花の拉致に失敗した後は、ターゲットを七ノ宮華羅に変更し、何度も襲おうと試みる。

場所

M市 (えむし)

河守仁吉らが住む街。東京から200km離れた地方都市。隕石の塵の被害の少なかったエリアである。隕石が消えた直後でも通信の途絶などが起こらず、市民たちは「衝突せずに逸れてよかった」と現状を楽観的に考えていた。しかし、その後、未知のバクテリアによりじわじわと鉄が腐食していくにつれて治安が悪化。現在では、警察も機能していない状況に陥っている。

クレジット

原作

書誌情報

何もないけど空は青い 全7巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉

第1巻

(2014-07-18発行、 978-4091250681)

第7巻

(2015-11-18発行、 978-4091264824)

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