概要・あらすじ
野球を愛する大男の巨峰貢(ジャイ)は、憧れのメジャーリーガーを夢見て、アリゾネ・スネークスのトライアウト(採用試験)を受けにアメリカへ。しかし、空港で荷物を盗まれ、トライアウトを受けることもできずに終わってしまう。それを見かねた地元民の計らいで、マイナーリーグ・シングルAの弱小チーム「フェニックス・ホワイトサンズ」の練習試合に出場させてもらう。
ジャイは、その打席でホームランを放つ。たまたまそれがスカウトの目に留まり、メジャーリーグ「サンフランシスコ・ゲイツ」との契約を果たす。しかし、実際にメジャーの試合に出るには、マイナーリーグで実力を示し、シングルA、ダブルA、トリプルAと登っていかなければならない。シングルAの「フェニックス・ホワイトサンズ」に所属することになったジャイは、憧れのメジャーを目指して、アメリカでの野球人生をスタートさせる。
登場人物・キャラクター
巨峰 貢 (きょほう みつぐ)
心から野球を愛する心優しき大男。身長は2メートルを超える。大和大学硬式野球部に在籍し、卒業後はメジャーリーグを夢見て渡米。マイナーリーグのシングルA「フェニックス・ホワイトサンズ」から、アメリカでの野球人生をスタートさせる。守備は苦手だが、その巨体とパワーを活かしたバッティング・センスは抜群。アメリカでは「日本の悪魔」と呼ばれる。 バッターボックスでは、憧れのメジャーリーガーと勝負できる喜びに打ち震えることもしばしば。巨体=ジャイアントから、愛称は「ジャイ」。アメリカでの背番号は666。
神宮寺 武 (じんぐうじ たけし)
広島出身の熱血漢。巨峰貢と同じ大和大学硬式野球部のメンバーで主将を務めていた。7千万円という契約金を蹴って、マイナーリーグ入りを選んだ。その熱血ぶりでチームで孤立しかけたが、チームメイトの信頼を得て、所属する「T・レックス」を牽引していく。妹がいる。
三島 剣 (みしま けん)
巨峰貢と同じ大和大学硬式野球部のメンバーで投手。東北出身。大和大学を大学野球日本一に導いた立役者。メジャー数球団からの誘いを断って、「東京グレイテスツ」に入団したクールな男。「球界の巨新星」と呼ばれただけあり、プロ入り後も大活躍する。
高取 幸之助 (たかとり こうのすけ)
巨峰貢と同じ大和大学硬式野球部のメンバーで捕手。大学野球時代にバッテリーを組んでいた三島剣と同じく、日本のプロ野球団「東京グレイテスツ」と契約。計算高い男で、日本球界に入ったのも、契約金をもらうことと、メジャーへ行くためにハクをつけることが目的だ、という噂がある。
巨峰 大助 (きょほう だいすけ)
巨峰貢の父親。息子とは違って小柄。不動産屋を経営していたが失敗し、今は借り手のつかない空き家で働かずに、昼間から麻雀のTVゲームでヒマを潰す毎日。息子のマイナーリーグ入りは、金にならないので反対している。
巨峰 小夜子 (きょほう さよこ)
巨峰貢の母親。大柄な女性。職を失った夫に代わってパートで働き、家計を支えている。息子がアメリカで野球をすることを応援している。
ゴールドスミス
トリプルAの弱小チーム「ツーソン・コヨーテズ」の監督。プロ野球で大切なことは、一に楽しむこと、二にお金を稼ぐこと、三に全力でプレーすること、四に勝つこと、という信条で、勝敗よりも、試合を盛り上げ観客を楽しませることを重要視している。
ゾフィ・ゴールドスミス (ぞふぃごーるどすみす)
巨峰貢(ジャイ)が入団する「ツーソン・コヨーテズ」の球団職員。コヨーテズ監督・ゴールドスミスの娘。ソバカス顔のアメリカ人女性。コヨーテを模した球団のマスコット「ホセ君」の着ぐるみを着て、試合を盛り上げる。ジャイの優しさとデカさに惹かれている。
アントニオ・カマーチョ (あんとにおかまーちょ)
巨峰貢(ジャイ)の後から「ツーソン・コヨーテズ」にやってきた21歳の投手。ラテン系の青年。19歳で「サンフランシスコ・ゲイツ」とメジャー契約するも、その気性の荒さと、それに伴う制球の悪さで、「ツーソン・コヨーテズ」に落とされてきた。ジャイと同じアパートに住む。
ヴィラ・アンダーソン (ゔぃらあんだーそん)
スポーツ選手の代理人を務める女性エージェント。巨峰貢(ジャイ)と契約するため、日本へやってくる。弁護士の資格を持っており、片言だが日本語も話せる。口がうまく、ジャイの父親を丸め込んで契約することに成功する。