概要・あらすじ
ある日、加納トメが女給として働くカフェに現れたロイヤル桜庭は、女給たちを集めて「野球のテストを受けて合格したヤツには日給3千円を払う」と宣言する。結果、優秀な成績を残したトメはチームキャンディーズに入団する。そして迎えた試合当日、その試合でロイヤル桜庭の仕掛けた意外な真実を知ることになる。
登場人物・キャラクター
加納 トメ (かのう とめ)
左腕から繰り出す剛速球が武器のピッチャー。戦争で親兄弟を失って天涯孤独の身となり、カフェの女給として働いていたが、ロイヤル桜庭に見出され、野球を始める。男勝りな性格で勝気。周囲からは太陽のように慕われている。
土田 珠子 (つちだ たまこ)
加納トメと同じカフェで女給をしている女性。かつて兄が野球選手を目指していたことがあり、その兄と遊ぶことで野球を学んだ。ロイヤル桜庭に命じられ、トメの教育係となる。地味だが真面目な性格。女子プロ野球入りを兄に反対されている。
ロイヤル 桜庭 (ろいやる さくらば)
自らは日系二世を自称している。女子野球の興行でひと山当てるため加納トメたちに野球を教える。のちに女子野球興行から締め出されると、恨みから欄崎克己を誘拐し、女子野球日米決戦の妨害をするなど、自分の欲のためなら汚い手も平気で使う。
欄崎 五十鈴 (らんざき いすず)
美容品会社「日比谷美容」の女社長。加納トメの野球に対する真摯な姿に心打たれキャンディーズを買い取って女子野球興行に乗り出す。戦後の混乱期にトメのヌードイラストを使って会社の宣伝をするなど、先鋭的な経営センスを持っている。また、リチャード・バンクスの嫌がらせにも屈しない芯の強さも併せ持つ。
欄崎 克己 (らんざき かつみ)
欄崎五十鈴の弟。徴兵を拒否するために南米に逃亡していたので、戸籍上は死亡したことになっている。加納トメをスターにする計画を立て、その目標に向かって邁進する。計画がほぼ軌道に乗ったところでトメの前から消えようとしていたが、惹かれ合った2人は夫婦の契りを交わすこととなる。
リチャード・バンクス (りちゃーどばんくす)
アメリカの銀行王。欄崎五十鈴に賭け試合を持ちかけられ、娘であるケイト・バンクスの野球チーム「フリーズ」とキャンディーズを対戦させることを承諾するが、まともな勝負をする気などなかった。独自の帝王学を持ち、目的のためなら手段を選ばない。
ケイト・バンクス (けいとばんくす)
リチャード・バンクスの娘。女子野球チーム「フリーズ」のエース。負けず嫌いの性格は父親譲りだが、父親にない純粋な面も持っている。日米女子野球決戦の時は加納トメに敵意を抱いていたが、その後はトメと心を通わせる関係になる。
ジェラルド・バンクス (じぇらるどばんくす)
リチャード・バンクスの息子でケイト・バンクスの兄にあたる。父親に似てわがままな性格で、すでに4回の離婚を経験している。自らの跡継ぎを生ませるために加納トメとの結婚に同意するが、やがてトメの強烈な個性に心惹かれていく。
鳥越 はるか (とりごえ はるか)
食堂で働いていたが、ひょんなことから加納トメに雇われ、彼女の秘書として働くようになる。最初は自信なさげな仕事ぶりだったが、徐々にトメの魅力に惹かれ彼女の片腕にまで成長する。特にアメリカに行ってからは独特の感性で大胆な交渉を繰り返し、トメとジョー・ダンカンの対戦を実現させるため尽力する。
ジョー・ダンカン (じょーだんかん)
アメリカの大リーグを代表するスラッガー。実は膝を痛めており、引退も視野に入れていた。プライドが高く、当初は日本のピッチャーと勝負をすることをバカにして尊大な態度をとっていたが、加納トメの投球を見て大リーグ魂に火がつき本気で対戦する気になる。
ロジャー・クック (ろじゃーくっく)
かつては敏腕のスポーツジャーナリストだった。ジョー・ダンカンのファンへの態度を批判し、その記事がダンカンの逆鱗に触れ、仕事を干されて荒れた生活を送っている。しかし、加納トメの投球を見てからはジャーナリストの情熱を取り戻し、再び記事を書き始める。ダンカンとトメの対戦実現のために積極的に行動を起こす。
集団・組織
キャンディーズ
加納トメが入団した球団。黒人女性のマーサが監督。当初はロイヤル桜庭により、他チームの噛ませ犬として結成されるが、のちに欄崎五十鈴に買い取られ、日米女子野球決戦に出場する。また、アメリカでジョー・ダンカンと勝負する際にも、トメのサポートをするチームとなる。
- SHARE
-
-
- EC
-
