あらすじ
第1巻
エロい体でエロい事をしてくれる淫魔に性行為されたうえで死にたいと願う少年、間呼かれをのもとに、死神のタヒーがやって来た。しかしかれをは死神には一切興味がなく、タヒーは割り箸で作った十字架で追い出されてしまう。(エピソード「死神と死にたい少年」。ほか、13エピソード収録)
第2巻
寿命刈りが思うようにいかないタヒーは、間呼かれをの私室が冥界の雰囲気に近い事を気に入り、無理やり同居生活を始めてしまう。そんな中、サディスティックだが淫魔っぽいサービスをしてくれる地下アイドル「灯ななん」の撮影会に向かったかれをは、ななんが死神のトモリナナンという事に気づく。しかしこれを理由に、かれをはななんに強引に全寿命ローン契約書の契約を迫られてしまう。(エピソード「死神と撮影会」。ほか、13エピソード収録)
第3巻
高純度の死を取り込んだタヒーは、ふだんのわがままな姿から成長し、身も心も成熟した女性の姿に変わっていた。頼まれた事はなんでもテキパキとこなし、あまつさえ間呼かれをの事を甘やかすタヒーに、かれをは調子に乗ってなんでも頼み、怠けるようになっていく。そんな様子を目にしたクラスメイトの桐原さきは、どうにかしてタヒーを元に戻そうと画策する。(エピソード「死神と頭脳戦」。ほか、20エピソード収録)
登場人物・キャラクター
タヒー
死神の女性。人間の寿命を刈る事を専門としている。一人称は「わし様」で、麦茶と飴、カレーなど、人間の世界で口にする調理された物ならすべてが大好き。フード付きのマントをかぶっており、両側頭部からはバッファローに似た角が生えている。非常に豊満な肉体で、前髪と瞳のハイライトが「4」の字に見えるようになっている。武器の大鎌はレンタル品を使用している。みんなから恐れられるのが快感だからという理由で、死神をやっている。落ちこぼれでいじめられっ子なため友達も少ない。高純度の死を取り込むと心身共に成長するが、ダメージを受けたり命を刈り取れない場合は幼女の姿に縮んでしまい、最終的には消滅してしまう。間呼かれをの私室が冥界の雰囲気に近い事を気に入り、押しかける形で同居を開始する。
間呼 かれを (まよび かれを)
エッチな淫魔を呼び出したい男子中学生。年齢は15歳。母親が天文台に勤める研究職で多忙なため、幻背荘というアパートで一人暮らしをしている。淫魔に性行為されたうえで死ぬ事を望んでおり、淫魔を呼び出すべく毎夜召喚の儀式に明け暮れていたが、どうしても成功せずに絶望していた。そこに豊満な肉体を持つタヒーが現れ、淫魔と思い込んで歓喜。しかしタヒーが死神だと判明し、さらにエッチな事もしてもらえないと知って命を渡すのを拒否した。一度はタヒーを追い払ったものの、間呼かれをの私室が冥界の雰囲気に近い事を気に入ったタヒーに押しかけられ、同居する事になる。
向井 あのよ (むかい あのよ)
OLをしている女性。年齢は26歳。人生に疲れすぎ、私室内を自殺グッズで埋め尽くしている。タヒーの来訪に感激し、是非殺してほしいと迫って逆にタヒーを怖がらせた。あわてたタヒーに荒縄で拘束されるが、その結果「怖くて気持ちいい」という境地に達し、さらにタヒーを戦慄させる。幼児姿のタヒーに殺される事を望み、日々その妄想を繰り返しているが、本来の姿のタヒーの事は認めていない。
森内 ほそし (もりうち ほそし)
ひきこもりの男性。年齢は22歳。前髪をパッツンにしたツーブロックヘアで、非常に屈強な体格をしている。腕や胸にタヒーの大鎌が刺さっても、引き締まった分厚い筋肉が刃先を止めてしまうため命を刈り取れなかった。しかし、寿命分割契約書で3年分の寿命をタヒーに渡す契約を交わして以降、たびたびタヒーの悩み相談に応じつつ寿命を与えている。幼児姿のタヒーとは親しく話す事ができるが、本来の姿のタヒーの事はコミュニケーションを取らなければならない相手として身構えてしまうため、恐れている。
生頃 ましろ (なまころ ましろ)
間呼かれをのクラスメイトの男子中学生。年齢は15歳。おかっぱ風の黒髪に、ゲジゲジとした太短い眉毛をしている。エロいものが大の苦手で、かつてかれをの所持しているエロ本を焼こうとした事もある。フェロモンを放ちまくっている義姉が苦手。義姉からは「しぃくん」と呼ばれている。
桐原 さき (きりはら さき)
間呼かれをのクラスメイトの女子中学生。クラス委員長を務めている。年齢は15歳。家が抜刀術の道場を開いており、文武両道のため、教師達からの信頼も厚い。幼少期から祖父に「生き恥晒すな切腹しろ」と教え込まれており、日本刀が仕込まれた傘を携帯している。タヒーからは「傘女」と呼ばれている。
丸瀬 ちぢみ (まるせ ちぢみ)
桐原さきの後輩の女子中学生。年齢は14歳。内巻きのミディアムボブヘアにして、眼鏡をかけている。胸が非常に大きい事がコンプレックスで、それを隠すためつねに猫背の姿勢でいる。「根付」という、間呼かれをのクラスメイトに恋をしている。タヒーのアドバイスにより告白がうまくいったため、寿命分割契約書で半年分の寿命をタヒーに渡す契約を交わした。
トモリナナン
死神の女性。人間の寿命を刈る事を専門としている。右側頭部から鹿に似た角を生やしており、ボロボロの黒いローブと、ミニ丈のワンピースを身につけている。非常に豊満な肉体で、前髪と瞳のハイライトが「Ⅳ」の字に見えるようになっている。冥界死塾でのタヒーの後輩で、在学中は分厚い眼鏡をかけた地味な死神だった。地下アイドル「灯ななん」として活動しており、ファンを「餌」と称しつつ、ファンクラブの会員には全寿命ローン契約書にサインする義務を課している。サディストだが卑猥な言葉が苦手。ダメージを受けたり命を刈り取れない場合は幼女の姿に縮んでしまい、最終的には消滅する。トモリナナンを死神と見抜いた間呼かれををファンにしようとした際に、「頼むから殺し方を変更してくれ」と頼まれた方法があまりに卑猥だったため、心にダメージを受けて縮んでしまう。
多部 めぐり (たべ めぐり)
間呼かれをが通う中学校で教師を務める女性。年齢は29歳。前髪を左側で分けた、黒髪おかっぱのワンレンヘアで、スクエアタイプの眼鏡をかけている。つねにさすまたを持ち歩いている。男子生徒の全員が多部めぐりを性的な目で見ているという妄想に取りつかれているが、これが妄想である事も自覚しており、自己嫌悪で死にたがっている。妄想を書き記した日記をタヒーに読まれてしまい、他言しないという約束で寿命分割契約書にサインする。
目乙 しゆら (めおと しゆら)
小学校で教師を務める女性。年齢は31歳。前髪を右寄りに分け、肩までの髪を二つ括りにしている。担任をしているクラスの男女仲が悪く、生徒達の親からクレームが続いている事で死にたがっている。しかし、タヒーが男女仲をより悪化させようとした結果、ケンカが白けてしまったために救われている。
葛西 まやか (かさい まやか)
間呼かれをが通う中学校の後輩にあたる少女。年齢は14歳。オカルト部の部長を務めている。左側で七三分けにした前髪を十字架モチーフのピンで留めている。霊感もなにもないオカルトオタクで、後輩部員を喜ばせるためにインチキ霊媒をしていたが、いつの間にか最強の霊媒師として扱われ、困り果てていた。
ケンタ
人間の少女に飼われていた老犬。大型犬で忠誠心が強く、飼い主がチヌにいたぶられている姿を見て憤怒し、寿命分割契約書を使って全寿命を渡す代わりに飼い主を助けてほしいとタヒーに依頼した。
シキョー
冥界死塾の塾長を務めている死神。外見から性別はわからないが、女性口調で話す。骸骨に干からびた皮膚が貼り付いた顔をしており、全身には呪術に使う装飾品を身につけている。また、左眼孔からは「4」の字のなにかが生えている。何百年も前に冥界死塾を作った超絶エリート死神で、タヒーの目標であり恩師。昔は冥界一怖い死神といわれていたが、現在は非常に温厚な性格となっている。タヒーに対してとても甘い。かつて桐原さきの祖父と毎日殺し合いを演じながら、思いを寄せ合っていた事がある。
デグンマリャ
死神の女性。蚊の寿命を刈る事を専門としている。冥界死塾出身のエリート。人間と同じように四肢があるが、口や手足の先は蚊と同じで、羽や触覚も持っており、全身が白黒のボーダー柄で覆われている。武器は蚊取り線香型の大釜で、蚊をおびき寄せるフェロモンを放つ効果がある。
クバサ
死神の女性。草の寿命を刈る事を専門としている。冥界死塾出身のエリート。人間と同じように四肢があるが、全身が葉や蔦で覆われている。地球の砂漠化を憂いており、草を刈りすぎないように計画的に仕事を行っている。情報通で、危険察知能力も高い。武器は剪定鋏。
チヌ
死神の女性。犬の寿命を刈る事を専門としている。冥界死塾出身のエリート。人間と同じように四肢があるが、頭部に耳があり、顔つきも犬に近い。弱い者いじめが大好きで、冥界死塾の現役生だった頃は、タヒーをいじめていた主犯格だった。シキョーの教えを守らず、犬以外の生き物の命も奪っている。今まで殺した犬の首輪をアクセサリー代わりに使用している。
シゴマネク
死神の女性。蟹の寿命を刈る事を専門としている。冥界死塾出身のエリート。人間と同じように四肢があるが、頭部や手などは蟹そのものの形となっている。冥界死塾の現役生だった頃にタヒーをいじめていた一人で、現在もタヒーから衣服を奪うなど追い剝ぎ行為をしている。
ヂョーソ
死神の女性。鳥の寿命を刈る事を専門としている。冥界死塾出身のエリート。人間と同じように四肢があるが、頭部は鳥そのものであり、大きな翼もある。「鳥(チョー)」と言うのが口癖。冥界死塾の現役生だった頃にタヒーをいじめていた一人。
シキン
性別不詳の死神。菌の寿命を刈る事を専門としている。冥界死塾出身のエリートで、タヒーの先輩にあたる42期生。いがぐりのような頭部以外をキノコ柄の黒いマントで覆っており、目蓋からはキノコが生えている。向井あのよの上司に取り憑き、上役達の善玉菌を殺している。菌の寿命を刈るのに飽きており、人間同士を殺し合わせる事でヒマ潰しをしていた。
クルシ
死神の女性。蛾の寿命を刈る事を専門としている。老いたり若返ったりする事で身長が安定しない死神用の衣装を扱っている店「冥界喪服店」の店長を務めている。人間と同じように四肢があるが、口元から触覚が生えており、注文品の配送には繭を使用する。最先端のおしゃれに敏感で、従来死神が着用していた黒い服以外の色やデザインも揃えている。
カノヤマ
死神の女性。兎の寿命を刈る事を専門としている。絶兎会の塾長を務めている。胸は小ぶりだがお尻が非常に魅力的で、頭部に長い耳がある。くどいお嬢様言葉を使って話す癖がある。冥界きってのコレクターであり、死にたがっている者なら兎に限らずなんでもコレクションしてしまう。
デスター
死神の女性。星の寿命を刈る事を専門としている。完全な球体の頭部を持ち、体を覆うマントの中には銀河が広がっている。冥界死塾ではタヒーの数少ない友人としてなかよくやっていたが、自分がなんの死神なのかわからず、自信を持っていなかった。どんなに自分が鬱々としても優しく励ましてくれたタヒーに歪んだ愛情を持っており、地球を滅ぼして二人だけの世界を作ろうとするなど、自己中心的なやり方でタヒーを守ろうとしている。タヒーからは在学中は「おいもちゃん」、正体が発覚してからは「おほしちゃん」と呼ばれている。
集団・組織
絶兎会 (ぜっとかい)
兎の寿命を刈る事を専門とする死神しか入学できない通信制の移動型死塾。カノヤマが塾長を務めている。冥界死塾とはまるで教育方針が違う新興の死塾であり、冥界死塾を田舎のオンボロ死塾と馬鹿にしている。高純度の死を求めて冥界死塾に乗り込む。
場所
冥界死塾 (めいかいしじゅく)
冥界にある、死神のエリートを養成する塾。タヒーのシキョーが塾長を務めている。冥界では知らない者はいないとされる有名な塾で、現世で活躍する死神のほとんどは冥界死塾の出身とされる。正式名称は「冥界超エリート死神養成塾」。
その他キーワード
寿命分割契約書 (じゅみょうぶんかつけいやくしょ)
タヒーが持っている、人間の寿命を分割で受け取るための契約書。本来はタヒーの主義に反するが、森内ほそしの肉体があまりに屈強で命を刈り取れなかったため、契約を交わして3年分の寿命を受け取った。初回以降、タヒーの体が縮んでなかなか戻れない時には、これを使ってほそしから寿命を受け取っている。