あらすじ
女子高校生の天野真心は、10年前に出会った謎の王子様と結婚の約束を果たすため、周囲にはそのことを隠しながら、日々花嫁修業に励んでいた。そんなある日、真心のもとにベルブと名乗る、豚の姿をした魔界の悪魔が姿を現す。聞けば10年前に真心が出会った王子こそがベルブで、十分に成長した真心の魂を食べるために魔界から人間界にやって来たのだという。その日から、真心とベルブの魂を賭けた攻防の日々が繰り返されるようになる。しかし、真心に出会ってからの10年間、彼女以外の魂を捕食しようとしなかったベルブは力を保てず、この世から消滅しそうになってしまう。そんなベルブの様子を見て、涙を流しながら自分の魂を食べるようにうながす真心だったが、真心の涙を口にしただけでベルブは回復。真心の一途な魂は、ベルブにとって至高の食べ物であると、互いが認識することになる。その後、さまざまなトラブルに見舞われながらも、真心とベルブの魂の攻防は続いていたが、ある日、ベルブの配下であるアインから、ベルブが魔界で何者かに捕われてしまったとの衝撃の報告が真心にもたらされる。自分でもよくわからないまま、魔界までベルブの救出に向かった真心は、そこで魔界の王と遭遇。しかし、真心の魂を食おうとする魔界の王に対し、その息子であるベルブが反抗し、完全拒否の姿勢を貫く。それ以降、真心とベルブの関係は魔界公認となり、ベルブ以外の者が真心の魂を狙うことは固く禁じられるようになるのだった。
登場人物・キャラクター
天野 真心 (あまの まこ)
花嫁修業中の女子高校生。10年前に出会ったイケメンの少年に「私といっしょになって欲しい」と言われたことを今でも覚えており、その「王子様」がいつか迎えに来ることを夢見て、美容や料理に励んでいる隠れ乙女系女子。ただし、王子様を待っていることを周囲には隠しており、独学で料理を学んでいるため、腕前はいまいち。その後、10年ぶりに姿を現した王子様の正体が、実は豚の姿をした魔界の悪魔ベルブで、彼が自分の魂を食べようとしている事実を知ってしまい、それ以降は魂を食べられないように必死の攻防を繰り返すことになる。当初はベルブのことを敵視していたが、自分以外の人間の魂には目もくれず、一途に自分の魂を狙い続けるベルブに徐々に惹かれていく。
ベルブ
魔界に住んでいる悪魔の少年。通常は翼が生えた子豚のような姿をしている。人間の魂を食べて飢えを満たしており、魔力が充実すると人間の姿にもなれる。人間時は目の覚めるようなイケメンのため、10年前に天野真心に出会った際に「王子様」という誤解を受ける原因となった。真心が十分に成長した10年後に再び人間界を訪れ、真心の魂を食おうとしていた。真心以外の人間の魂にはいっさい関心がなく、そのために飢餓状態に陥っているが、真心の魂の力が強いために彼女の涙を舐めるだけで大幅に回復する。魔界の王の息子で、魔界では上位の存在。豚の状態でも魔界では並はずれたイケメンなため、悪魔の女子には非常に人気がある。
アイン
魔界に住んでいる悪魔の少年。ベルブの付き人で、いつもいっしょに行動している。ベルブと異なり、眼鏡を掛けて翼の生えた人間の姿をしている。暴れん坊なベルブと比較すると、生まじめな常識人。ベルブのよき理解者であり、彼の行動を優しく見守っていた。
魔界の王 (まかいのおう)
魔界を統べる王。猪のような顔に、人型の体を持っている巨大な悪魔で、ベルブの父親。人前では威厳のある態度を見せているが、素は優しく子煩悩な性格をしている。ベルブの意中の人間である天野真心に会うために一芝居打ち、彼女を魔界へと誘った。