作りたい女と食べたい女

料理好きな派遣社員の野本は、思うままに大量の料理を作ってみたいという願いを抱いていた。そんな野本はある日、すぐ近くに住む春日がすさまじい大食漢であることを知る。何かと気苦労の多い日々の生活の中、いっしょに満たされるためにぎこちないながら互いを思いやる二人の姿を、大量の料理を介して描く、シスターフッド・フードストーリー。「ComicWalker」で2021年1月から配信の作品。コミックス刊行にあたり、描き下ろしのエピソードも収録されている。「このマンガがすごい!2022」オンナ編第2位。

正式名称
作りたい女と食べたい女
ふりがな
つくりたいおんなとたべたいおんな
作者
ジャンル
料理
 
友情
レーベル
it COMICS(KADOKAWA)
巻数
既刊3巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

派遣社員の野本は、料理上手ながら自らが少食ということもあって、いつも自分が食べる分だけ料理をしていたが、実際はデカ盛り料理などを、思うがままに作ってみたいという欲求を抱えていた。そんなある日の仕事帰り、野本は自宅マンションの入り口で、生活時間帯が異なるためふだんは顔を合わせることのない、一部屋隔てた二つどなりの春日に遭遇。春日は手にチェーン店のフライドチキンを大量に抱えており、しかもそれをすべて一人で食べると聞き、驚愕するのだった。後日、仕事で嫌なことがあった野本はストレスをため込み、無意識のうちに、うっかり大量の料理を作ってしまう。一人で持て余す中、春日の存在を思い出した野本は、料理のおすそ分けを持ち、勇気を振り絞って彼女の部屋を訪れる。春日は野本を快く迎え入れ、彼女の前でさっそく料理に食らいつく。無言ながら、全身で「おいしい」と表現するかのような豪快な春日の食べっぷりを見て、野本はなぜ自分が料理を好きになったのか、幼い日のことを思い出す。(第1話「ふたりの女」)

登場人物・キャラクター

野本 (のもと)

春日と同じマンションで暮らす若い女性。春日の部屋と空室を一つ挟んだ二つどなりに住んでいる。明るい色の髪をセミロングのボブヘアにしている。東北出身で、現在は一人暮らしをしながら派遣社員として働いている。SNSで自作料理をアップするアカウントを作るほどの料理好き。料理家の土井善晴をリスペクトしており、彼が説く「食事は一汁一菜」を信条としているうえ、野本自身が少食なこともあって、一度に作る料理は量が少なく、上品なものが多い。だが一方で、ゲームやアニメの再現料理や、デカ盛り料理を心置きなく作ってみたいという欲求をつねに抱えている。何か悩み事があると無意識のうちにそれが表面化してしまい、いつの間にか大量の料理を作っているということがしばしばある。ある日、春日が大量のフライドチキンを手に帰宅する場面に遭遇して、彼女が驚くべき大食漢であることを知り、以来、何かと彼女と食事を共にして料理を作る欲求を満たすようになる。ちなみに酒好きで、春日の惚(ほ)れ惚(ぼ)れするほど豪快な食べっぷりを肴に酒を飲むこともある。また、感情をあまり表に出さないながらも落ち着いた春日と接するうちに心癒され、彼女に対してふつうの友達とはまた違う、どこかキュンキュンした不思議な感情を抱くようになっていく。

春日 (かすが)

野本と同じマンションで暮らす若い女性。野本の部屋と空室を一つ挟んだ二つどなりに住んでいる。非常に背が高くガッシリした体型で、黒髪のロングヘアをひっつめて一つに束ねている。スーパーに勤務していることもあり、力持ちで重い荷物も苦にしない。クールで口数が少なく非常にマイペースで、春日自身が意図的に避けているわけではないが、特に踏み込んだ人付き合いはしないタイプ。生活時間帯があまり合わないため、野本とはあまり面識がなかったが、廊下を歩く大きな足音から、野本にはその存在を認知されていた。ある日、まるでパーティでもするかのごとく大量にフライドチキンを買い込んで帰宅したところで、たまたま野本と遭遇。この量を一人で食べると野本に告げたことで、大量の料理を作りたいという彼女の欲求に火をつけ、以来、何かと食事を共にするようになる。どこか達観したところがあり、春日が意図せず発した言葉が、日々何かと悩み事の多い野本の心に響き、彼女を癒すことも多い。実は密かに卵好きで、野本が卵を使った料理を作ると、いつもと反応が少し異なる。酒は飲めないわけではないがあまり好まず、どちらかといえば食べる専門。

書誌情報

作りたい女と食べたい女 3巻 KADOKAWA〈it COMICS〉

第1巻

(2021-06-15発行、 978-4049136517)

第2巻

(2021-12-15発行、 978-4049140248)

第3巻

(2022-11-15発行、 978-4049144246)

SHARE
EC
Amazon
無料で読む
マンガリスト
logo