異世界につながる居酒屋
現代日本に存在する居酒屋「のぶ」はある日、異世界に存在する古都「アイテーリア」につながってしまう。居酒屋の大将・矢澤信之と看板娘の千家しのぶが、異世界人を相手に居酒屋稼業に従事する姿を描いた異世界グルメファンタジー。のぶは異世界と現代日本の両方を行き来できることから、日本で材料を仕入れ、アイテーリアで店を営業している。アイテーリアではいつの間にか開業した店として扱われており、当初は知る人も少なかったが、物珍しい食材の提供もあって徐々に常連が増えていく。
トリアエズナマ
のぶの大将・矢澤信之は料理と真摯に向き合い、確かな腕を持つ。しかしのぶは居酒屋であるため、必然的にメニューはアルコールや酒の肴が中心となっている。特に異世界人に人気なのが冷えたビールで、「取り合えずナマ」の掛け声がそのまま異世界人のあいだでも定着しており、「トリアエズナマ」とビールを注文する客が多く見られる。おでんや唐揚げ、枝豆と開店当初は酒の肴のメニューが多かったが、次第に店を訪れる異世界人が多くなると、ナポリタンやチキン南蛮といった肴以外のメニューも人気を集めるようになる。
広がる交流の輪
居酒屋「のぶ」は異世界にない食事メニューが多く、異世界の住人たちは店の料理を楽しんで満足して帰っていく。中にはのぶの従業員として雇われる者もおり、話数を重ねていくごとに店は賑やかさを増していく。のぶが経営危機に陥った際には、常連たちと力を合わせて、危機に立ち向かう姿も見られた。また、単純に日本料理を出すだけではなく、矢澤信之も料理人として自分はまだまだ未熟と考えており、お客さんの希望を可能な限り叶えようと考え、矢澤自身も料理の勉強を怠ることなく、新たなメニューを考案している。
登場人物・キャラクター
千家 しのぶ (せんけ しのぶ)
異世界「アイテーリア」に通じる居酒屋「のぶ」の看板娘。実家が京都で老舗の料亭を営んでおり、幼い頃から料亭の女将になるべく教育されてきた。かわいらしい容姿と、こまやかな気遣いの接客が異世界人のお客にも好評で、のぶで提供する料理だけでなく、千家しのぶ自身も人気を集めている。ふだんはおっとりとした性格ながら、のぶを馬鹿にされたり侮辱されると相手をとことんやり込める気の強さを持つ。店を思う気持ちが非常に強く、料亭の女将として育てられてきた経緯から、店主である矢澤信之に対しても妥協はいっさいしない。また繊細な味覚の持ち主で、店の料理に対するしのぶの評価の信頼性は高い。
矢澤 信之 (やざわ のぶゆき)
異世界「アイテーリア」に通じる居酒屋「のぶ」を経営している男性。もともと千家しのぶの実家である京都の老舗料亭で料理人を務めていた。寡黙で、納得するまで料理を追求する職人気質ながら、自分の店や料理を批判されるとムキになる負けず嫌いな一面もある。一流の料理職人で、異世界で初めて耳にする料理や食材にも柔軟に対応する。矢澤信之の作る現代の料理は、中世ヨーロッパ時代の異世界人たちからすると異次元の美味しさで、突如としてアイテーリアの裏路地に現れた店にもかかわらず大繁盛している。当初は店のメニューは日本語表記だったが、お客の好みの料理を提供したいという矢澤の気持ちから、のちに異世界語のメニューが主体となる。居酒屋の「大将」を務めているが、異世界人のお客からは大将までが名前だと思われ、「ノブ・タイショー」と呼ばれている。のぶの2階に居を構えており、晩酌のアテに厚切りベーコンをよく食べている。
クレジット
- 原作
-
蝉川 夏哉
- キャラクター原案
-
転
関連
異世界居酒屋「げん」
蝉川夏哉原作の小説『異世界居酒屋「のぶ」』のスピンオフ作品。舞台となるのは中世ヨーロッパ風の異世界で、異世界居酒屋「のぶ」が帝国につながっているのに対して、異世界居酒屋「げん」は東王国につながっている... 関連ページ:異世界居酒屋「げん」
書誌情報
異世界居酒屋「のぶ」 18巻 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉
第1巻
(2015-12-29発行、 978-4041037805)
第2巻
(2016-07-04発行、 978-4041044254)
第3巻
(2017-02-04発行、 978-4041044261)
第4巻
(2017-07-04発行、 978-4041057933)
第5巻
(2017-12-29発行、 978-4041057940)
第6巻
(2018-05-02発行、 978-4041068427)
第7巻
(2018-10-04発行、 978-4041073650)
第8巻
(2019-03-04発行、 978-4041079164)
第9巻
(2019-09-04発行、 978-4041085981)
第10巻
(2020-03-03発行、 978-4041085998)
第11巻
(2020-10-02発行、 978-4041098189)
第12巻
(2021-04-02発行、 978-4041098196)
第15巻
(2022-07-04発行、 978-4041127131)
第16巻
(2022-12-28発行、 978-4041134214)
第17巻
(2023-10-04発行、 978-4041141298)
第18巻
(2024-05-02発行、 978-4041148266)