スケ番あらし

スケ番あらし

男勝りな女子高校生を主人公にした異色の学園スポーツもの。戦前にヒットした浪曲や映画「血煙荒神山」が物語の下地となっている。「週刊少年ジャンプ」で読切スタート後、本連載となり、1975年22号~42号まで掲載された。

正式名称
スケ番あらし
ふりがな
すけばんあらし
作者
ジャンル
学園
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概要・あらすじ

荒神山麗は女だてらに喧嘩好きでスポーツ万能という姫城高校一のおてんば娘。ある日クラスに東京の名門女子高から綾小路静香という大金持ちで美しい女子生徒が転校してくる。一時は心を通い合わせた麗と静香であったが、明るい家庭を持つ麗を静香が嫉妬したことから2人は対立していく。やがて静香は金にものをいわせて学校を乗っ取り、反発する麗に対してはボディーガードの藤堂オサムに命じてさまざまな卑劣な手段を用いた嫌がらせをする。

麗は得意のヌンチャクを使って襲い掛かる敵を撃退するが、水泳の試合では静香に敗れる。そして両者の対立は、ローラーサッカーの試合で決着することとなり、麗のチームは彼女の活躍で勝利目前となる。だが、試合を観戦していた静香は麗に1対1の直接対決を挑む。

登場人物・キャラクター

荒神山 麗 (こうじんやま れい)

男勝りの性格で、勉強はからきしダメだが喧嘩とスポーツは大の得意。いつもヌンチャクを太ももに巻いて、いざという時に備えており、スケ番との決闘では華麗なヌンチャクさばきで、たった1人で数十人を撃退する。家庭は大工の父と妹の3人家族。サッカー部の主将である森田に恋焦がれており、彼の前では頬を赤らめ女らしさをみせるなど純情な一面もある。 負けず嫌いで、ローラーサッカーの試合前には、体中傷だらけになりながら特訓する根性をみせる。巨乳の持ち主。

綾小路 静香 (あやこうじ しずか)

東京出身で大財閥の一人娘。勉学は優秀で、外を歩けば誰もが振り返る美しい容姿の持ち主。幼いころに両親を亡くし、豪邸に大勢の召使と住む。寂しさで心が癒やされない孤独な毎日を過ごすうちに傲慢な性格となる。「人間は平等ではなく生まれつき差がついており、貧乏人は金持ちの奴隷となる運命」という歪んだ考えを持っている。水泳やサッカーの試合では隠された才能を披露し荒神山麗を驚かせる。 麗と同じく巨乳でナイスバディ。

大河内 徳三郎 (おおこうち とくさぶろう)

幼なじみの荒神山麗といつも喧嘩している力自慢の番長。貧乏な母子家庭に育ち、病気の母を抱えている。綾小路静香の色香とカネの力に惑わされ、一時は静香の手下となり麗とは対立するが、本来は麗と同じく義侠心を持ち、気は優しくて力持ちのタイプ。名前は戦前・戦後の時代劇スターである大河内傳次郎のもじり。

藤堂 オサム (とうどう おさむ)

拓士館大学OBで元学年番。2段ハゲで眉毛がなく、いかつい顔で巨体。社会人ではあるが、いつも学ラン姿。極貧の家庭に育ち、村人から疎まれていたところを綾小路静香の父に救われ、綾小路静香のボディーガードとなる。綾小路家には多大な恩義を感じており、静香の忠実な下僕。両腕で木刀を真二つにする怪力だが、荒神山麗には弱く、何度も急所を蹴り上げられて悶絶する。

麗の父親 (れいのちちおや)

粗野で下品な振る舞いをする大柄の中年男。髭面でいつも胸毛をさらした腹巻き姿。大工仕事を生業とし、妻亡きあと2人の娘を男手一つで育てている。木造平屋建てのあばら家に住み、食事の献立は毎日つながったタクアンと納豆だけのおかずで荒神山麗を嘆かせる。若いころは「姫城の若乃花」と呼ばれていたと自称する力自慢。

森田 (もりた)

姫城高校サッカー部のキャプテン。短髪で眉毛が太く凛々しい顔立ちの少年。荒神山麗が彼のために女らしくなる努力をするほど、想いを寄せている相手。サッカー部廃部の危機を救うため、麗と共にローラー部との試合に臨む。麗にはローラーサッカー最大の秘技といわれる「ミラクル・オーバー・ヘッドキック」の習得を進言する。連載当時人気絶頂だったタレント森田健作をイメージしたキャラクター。

荒神山 美香 (こうじんやま みか)

荒神山麗の妹。髪をリボンで結い、パンダのシャツを着る、一見幼い小学生だが、母親代わりとなって一家を取り仕切っている。粗野な父親とおっちょこちょいの姉がしでかす騒動を、いつも嘆かわしく思っている。犬好きで常に冷静な大人びた性格。

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