概要・あらすじ
宮本友也は神奈川県に暮らす高校生。素行不良の問題児だったが、幼馴染で一緒に暮らす伊藤ユキにはなぜか弱かった。日本は戦争に突入し、自衛隊が前線に立って戦っている。ある日、伊藤ユキは突然姿を消す。宮本友也は学校の集会で彼女が自衛隊に志願し、中退したことを知る。さらに、この志願が無ければ自分が自衛隊に半ば強制的に入隊させられていたことも聞かされた。
宮本友也は彼女を追って武見駐屯地に向かう。鉄条網越しに再会し、以後も連絡を取り合う2人だったが、戦況は膠着したまま長期化する。そんな中、武見駐屯地は突然空爆を受ける。
登場人物・キャラクター
宮本 友也 (みやもと ともや)
髪を逆立てた男子。神奈川県に住む高校3年生で、日野高校に在学中。直情型で単純な性格。素行不良で二度の停学を受けており、退学も時間の問題といわれるほどの問題児。このため、戦争が長期化する中で各高校から1名は自衛隊に志願させなければならない状況となった際、教員達から強制的に送り出されるところだった。 母と幼馴染の伊藤ユキと3人で暮らし、幼い頃から一緒に暮らした伊藤ユキに好意を持っているが、素直に伝えられないままだった。ブルースハープをいつも持ち歩いている。自衛隊に入隊した伊藤ユキを追って、武見駐屯地に向かう。
伊藤ユキ (いとうゆき)
セミロングの黒髪の女子。神奈川県に住む高校3年生で、日野高校に在学中。幼馴染の宮本友也の家に居候している。幼い頃両親を亡くすが、明るくマイペースな性格。いざというには周囲を引っ張る精神力も持ち合わせている。漬物が好物。自衛隊に志願し、高校を中退。武見駐屯地の武見教育隊に編入される。
矢島 進 (やじま すすむ)
眼鏡をかけた小柄で気弱そうな男子。高校生3年生で、宮本友也とは武見駐屯地を見下ろす丘の上で出会った。 自衛隊に志願し入隊した田村陽子の元同級生で、彼女に片思いしていた。
田村 陽子 (たむら ようこ)
ショートヘアーの活発な女子。自衛隊に入隊し、武見駐屯地の武見教育隊に編入された。高校に在学中、同じクラスの徳永に片想いしており、自衛隊に入隊する前に携帯電話と手紙を置いていくが、間違えて矢島進の机に入れてしまう。徳永から受け取った「会いたい」というメールの末尾に、伊藤ユキに案内してもらうように書いてあり、彼女と一緒に待ち合わせの場所に向かう。
徳永 (とくなが)
高校3年生の男子。自衛隊に入隊した田村陽子から想われていたが、当人は気づいていなかった。矢島進と仲が良い。
武蔵野 始 (むさしの はじめ)
坊主頭の男性。戦争ジャーナリスト。爆撃された武見駐屯地を撮影中に宮本友也と知り合い、共に行動する。元は自衛隊の隊員であり、戦車中隊の中隊長だった。「実においしい」が口癖。
木下 (きのした)
染めたロン毛の男子。宮本友也の悪友。宮本友也が伊藤ユキを好きな事を知っていて早く告白するよう彼をせっついていた。伊藤ユキが自衛隊に入隊した後は、駒宮と共に宮本友也に付き合い、武見駐屯地まで足を運んでいる。
駒宮 (こまみや)
帽子を被って髭を生やした男子。宮本友也の悪友で、よく木下とつるんでいる。のちに矢島進とも仲良くなる。
涼子 (りょうこ)
染めたロングヘアーの女子。武見駐屯地での伊藤ユキの同僚。伊藤ユキからは「涼ちん」と呼ばれている。地元出身で、周囲に詳しい。他に行くアテが無く、気が付いたら入隊していたという。
伊丹 (いたみ)
口髭を生やした男性。自衛隊の隊員で階級は曹長。武見駐屯地の武見教育隊を率いている。髭を生やした男性。武見駐屯地が爆撃された際、伊藤ユキ達を何とか生かしてやりたいと奮戦する。
飯島 (いいじま)
ニキビ顔の男子。自衛隊の武見教育隊に所属する伊藤ユキの同僚。武見駐屯地が爆撃され、脱出を試みる中で狙撃されそうだったところを伊藤ユキに助けられる。
小松 (こまつ)
戦争ジャーナリスト・武蔵野始が自衛隊の戦車中隊長として前線に出ていた時の部下。乗っていた戦車が待ち伏せに合い、敵の集中砲火を浴びた。
水島 (みずしま)
自衛隊の武見教育隊に所属する伊藤ユキの同僚。武見駐屯地が爆撃され、敵の狙撃で足を負傷する。
宮本友也の母 (みやもとともやのはは)
宮本友也の母親。夫と伊藤ユキの親とはかつてのバンド仲間。伊藤ユキの両親が交通事故で亡くなった後、彼女を引き取る。その後夫も亡くなるが、夜勤の仕事などをして懸命に二人を育てた。