スターダスト3年め

3年前のロックスターの死を巡って、彼との思い出を大切にしている少女と弟、彼の昔の恋人などが、それぞれの想いを秘めて繰り広げる物語。彼らの切ない想いが丁寧に描かれており、ロックスターの死を各々が受け入れていく過程が印象的。「別冊マーガレット」1983年2月号から5月号にかけて連載された。

正式名称
スターダスト3年め
作者
ジャンル
その他
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
全1巻完結
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概要・あらすじ

3年前、池畑睦はロックバンドのスターであった八田敏哉に握手を求めるが、スタッフに拒否されてしまう。しかし敏哉は、後ろ手でそっと睦に手を差し伸べる。それから3年、その思い出を大切にしている睦は、クラスメイトの八田一美に敏哉の姿を重ね、何となく気になる存在としていた。そんなある日、睦は3年前の2月14日に敏哉が亡くなっていたことを知って、ショックを受ける。

さらに一美が敏哉の弟だということを知り、それをきっかけに睦と一美は距離を縮めていく。一方、敏哉の昔の恋人である未世子は、彼との間にできた子供のいちこと暮らしていたが、過去の敏哉の死にわだかまりを残していた。睦をはじめとする人々は、敏哉への想いを交錯させるうちに、徐々に各々が敏哉の死を受け入れていく。

登場人物・キャラクター

池畑 睦 (いけはた ちか)

女子高生。3年前、憧れていた人気ロックバンド「トラッシュ」のボーカルである八田敏哉に、スタッフに拒否されながらも、そっと握手をしてもらった思い出を大切にしている。クラスメイトの八田一美のことが気になっており、敏哉の姿を一美と重ねていた。ある日、雑誌で敏哉が3年前の2月14日に事故死していたことを知り、ショックを受ける。 その様子を見た一美から、自分は敏哉の弟だと告げられ、それをきっかけに一美との距離を縮めていく。だが、親友の紗弓が一美に想いを寄せており、それ以降紗弓の友人に嫌がらせを受けることになってしまう。そんななか、敏哉の昔の恋人である未世子と、その忘れ形見であるいちこに出会い、3年前の敏哉の死を巡って、彼や一美、未世子の間に何があったのかを徐々に知ることになる。 一方で、一美とすれ違いを続けながらも、彼への想いを募らせていく。

八田 一美 (はった かずみ)

八田敏哉の弟で、池畑睦のクラスメイトの男子高生。派手な髪色をした、クラスでもひときわ目立つ存在。女子からはモテるが、告白を受け入れることはない。紗弓から告白された時にも、「睦の方が好み」と言って断った。睦が敏哉に特別な想い抱いていることを知り、自分の家に招いて敏哉の写真を見せたことをきっかけに、徐々に睦との距離を縮めていく。 敏哉の生前から未世子に想いを寄せており、現在も複雑な感情を抱いたままでいる。昔は考えていることを何でも口にする熱血漢だったが、敏哉の死を境に冷めた性格になってしまった。

八田 敏哉 (はった としや)

八田一美の兄で、人気ロックバンド「トラッシュ」のボーカル。3年前の2月14日に事故で亡くなった。生前に未世子との間にいちこをもうけるが、娘の顔を見ることなく夭逝した。「トラッシュ」として人気を得るが、出演していたライブハウス「GEMBAKU-INU」のオーナー、関川と音楽の方向性が合わないことに悩んでいた。 自分の想いを内に秘めるタイプで、関川ともめた時も強くは言い返せず、未世子の親に交際を反対された時にも、未世子の幸せを願って黙って身を引こうとする。また一美と未世子の関係について薄々気付いていながらも、何も言うことはなかった。

未世子 (みよこ)

生前八田敏哉の恋人だった女性。現在は敏哉の忘れ形見でもあるいちこと二人暮らしをしている。もともと、ロックバンド「トラッシュ」のファン。楽屋にバラの花を持って行ったことがきっかけで、敏哉と付き合うようになった。しかし、自らの親に交際を反対され、距離を置こうとする彼に対し、自分がいることが重荷になるのではと思い悩む。 その頃にはいちこを妊娠していたが、失意に暮れる自分を支えてくれた八田一美に徐々に惹かれていく。その後敏哉が亡くなってしまったため、自分の想いが揺れたことと敏哉の死を重ね、割り切れない気持ちを抱え続けている。

いちこ

八田敏哉と未世子との間にできた子供で、まだ幼い少女。いちこが生まれる前に敏哉が亡くなってしまったため、自分の父親と触れ合ったことはない。未世子に大事に育てられており、いちこが事故で大怪我を負ってしまった時は、未世子は敏哉の事故と重ねて激しく取り乱してしまう。

関川 (せきかわ)

ライブハウス「GEMBAKU-INU」のオーナーの男性。ロックバンド「トラッシュ」は、当時このライブハウスにレギュラーで出演していた。しかし音楽性の違いで八田敏哉ともめた際、「トラッシュ」を切り捨てようとした。この時、同席していた八田一美が関川に強く反発していたこともあり、3年後に再会した時にも、一美のことを覚えていた。

洋光 (ようこう)

ライブハウス「GEMBAKU-INU」に出演しているバンドのメンバー。八田一美と同い年の少年。ロックバンド「トラッシュ」に憧れており、コピー演奏もたびたび行っている。八田敏哉が遺した未発表曲があることを知り、この曲をアレンジして一美をボーカルに立て、敏哉の追悼ライブの開催を提案する。

紗弓 (さゆみ)

池畑睦の親友でクラスメイトの女子高生。八田一美に想いを寄せており、睦を同行させて一美に告白するが、あっさり振られてしまう。その後すぐに睦と一美が親しくなったため、紗弓の周りの友人たちが睦に嫌がらせを仕掛けるようになった。当初紗弓はそれを黙認していたが、それは紗弓の本意ではなく、その後、紗弓からの働きかけで睦と仲直りする。

うっちゃん

池畑睦や紗弓の友人で、クラスメイトの女子高生。紗弓が八田一美に告白して振られて、睦が一美と親しくなったため、クラスの女子が睦に嫌がらせをしていた時も、睦と一緒に昼食を食べたり、気軽に声を掛けたりするなど、仲良くしていた。

山本 (やまもと)

八田一美の友人で、クラスメイトの男子高生。いつも陽気でおちゃめな性格。頑なに彼女を作ろうとしない一美を見て、「変な方向」に行ってしまうのではないかと心配している。一美が敏哉の死と未世子のことで沈んでいた時も、「何でも言ってほしい」と一美を気にかけていた。

集団・組織

トラッシュ

八田敏哉がボーカルを務めていたロックバンド。当時かなりの人気を博しており、多くのロックファンの憧れだった。現在でも洋光をはじめとして根強いファンがいる。3年前に敏哉が亡くなってから特に活動はしていないが、敏哉の3回忌にあたる2月14日に、未発表のライブテープを発売した。池畑睦は、このニュースが掲載されている雑誌を見て、敏哉の死を知ることになった。

場所

GEMBAKU-INU

かつてロックバンド「トラッシュ」が、レギュラーで出演していたライブハウス。関川がオーナーを務めている。「トラッシュ」が出演していた当時、音楽性の違いで関川と八田敏哉がもめたことがある。敏哉の死から3年後、敏哉の未発表曲が収録されたテープを、スタッフが偶然に発見する。

書誌情報

スターダスト3年め 全1巻 集英社〈マーガレットコミックス〉 完結

第1巻

(1991年12月発行、 978-4088508092)

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