概要・あらすじ
アパレルショップでアルバイトをしている井出はある日、「特別好きではないけれど、好きになられたら応えるつもりだった」男性から、共通の友人である女性と付き合っているという報告を受ける。さらにアルバイト先の後輩男性から「いつも怖い靴を履いている」と言われたことや、美容室で「モテ」ファッションの女性を見たことで、自身の恋愛がうまくいかないことについて漠然と悩み始める。
登場人物・キャラクター
井出 (いで)
第1話の主人公。25歳の女性。西浦、本美優が本社で働いているアパレルブランドのショップでアルバイトをしている。母親からおしゃれをすることを暗黙裡に禁じられて育ち、その反動で実家を出てからは服オタクになった。「モテ」ばかりを意識したファッションや、そういう格好をしている女性が嫌い。やや気が強く、プライドが高い。 刈田のことを密かに憎からず思っていた。担当の美容師は小野房。
刈田
地味な外見でおとなしい性格の男性。井出とは付き合いの長い友人。書店で働いている。井出から密かに憎からず思われていたが、井出のことを好きになることはなく、井出との共通の友人である女性と付き合っている。
宮木 (みやぎ)
井出と同じショップでアルバイトをしている男性。井出より年下で、ノリは軽く、髪の毛を明るい色に染めている。井出に好意を寄せ、不器用ながらまっすぐな言葉で井出の心を動かす。
小野房 (おのふさ)
第2話の主人公。秋田県出身の31歳の女性で、井出、三上を担当している美容師。仕事ばかりしているうちに独り身のまま年を取ってしまうことに強い恐怖感を抱いている。
三上 (みかみ)
小野房の働いている美容室に通う男性。既婚者で小さな子供もいるが、ひどい浮気性で、何人もの女性と並行して関係を持っている。自身でも病的だという自覚がありながらやめられずにいる。
西鶴 こずえ (にしつる こずえ)
第3話の主人公。16歳の高校2年生。ユウキと付き合っている。クラスの友人達の間で浮いてしまうことを恐れ、平穏に毎日を過ごすよう努めている。ガーデニングが好きだが、変な奴だと思われないよう、友人には言っていない。自身の「西鶴」という名字を「ダサい」と感じ、嫌っている。
武山 佳子 (たけやま よしこ)
西鶴こずえの隣家に一人で住む、年配の女性カメラマン。レズビアンである。こずえ同様にガーデニングが好きで、それをきっかけにこずえと言葉を交わすようになる。真っ白な長い髪を一つに縛っている。
ユウキ
西鶴こずえと同じ学校に通う男子高校生。クラスはこずえと別。こずえと付き合っていたが、うまく意思の疎通ができず距離を置くことになり、こずえの失望を買う。
西浦 (にしうら)
第4話の主人公。アパレルブランドの本社で働く女性。外見は地味だが、一人で酒を飲んで酔っぱらっては、行きずりの男と関係を持つことを繰り返す癖がある。中学生の頃、母親の浮気現場を目撃してしまったこと、それを母親本人に言わずに秘密にしていることが、ずっと心の中でひっかかっている。
立原 裕 (たちはら ゆたか)
西浦がある日たまたま入った居酒屋の従業員の男性。その際に泥酔した西浦と関係を持ち、その後西浦と交際するようになる。長めの髪でピアスをしており、ひげを生やしている。
花河 まみ (はなかわ まみ)
第5話の主人公。本美優の学生時代からの男友達と付き合っている女性。「お人形さん」と形容されるようなかわいらしい外見をしている。女性が嫌いで、子供の頃から男性に好かれることを心がけて生きてきた。仕事が楽しいと思ったこともなければ、これといった趣味もない。群馬県出身。本美優に憧れるあまり、嫉妬からくる憎しみを抱く。
本美 優
西浦と同じ会社で主任を務めており、年下ながら西浦の上司でもある。裕福な家庭で何不自由なく育ち、学校を出てからは大手アパレルブランドに就職するという、順風満帆な人生を送ってきた。東京都出身で、いまだに実家暮らしをいている。学生時代の男友達を通じて花河まみと出会い、親しくつき合うようになる。 裏表のないさっぱりした性格。172㎝の長身。
柳井
第6話の主人公。花河まみが飲み屋で本美優のことを責め立て、ケンカのような状況になっていた時に、隣のテーブルに居合わせた男性。メガネをかけており、やや気が弱い。高子と付き合っている。
高子
柳井と付き合っている女性。はっきりとものを言うあっけらかんとした性格だが、つかみどころがないところがあり、柳井にとってはややミステリアスな存在でもある。