概要・あらすじ
戦後三十年経った日本。ビルの窓枠に生えた窓の手に困惑する銀行員たちの前に現れた復員兵。彼はこの手が、イギリス人の元女スパイ・グロリアのものだという。つげ義春が自分の見た夢をもとに描いたシュールリアリズムな作品。
登場人物・キャラクター
復員兵 (ふくいんへい)
貿易会社の社員だったが、戦後まもなく、アメリカ軍のスパイに仕立て上げられる。入れ歯が合致したことで、イギリス人の女スパイ・グロリアと懇意になる。
グロリア
戦後まもなく日本にやってきたイギリス人の女スパイ。重い病気を抱え、ビルの一室に隔離され、やがて行方不明になる。銀行のビルの窓の手の持ち主。
サンダーソン中尉 (さんだーそんちゅうい)
戦後まもなく日本にやってきた、ハンフリー・ボガード似のイギリス人スパイ。復員兵の直属の上司。
窓の手 (まどのて)
『窓の手』に登場する白い両手。銀行ビルの窓枠に生えている。銀行ビルで死んだグロリアが、異郷の地の寂しさに耐えられず窓から出ようとして現れたもの。