世界観
本作『四十七大戦』は、神や神使が実体を持ち、気軽に人間と触れ合える世界を舞台としている。ただし、鳥取など都道府県のゆる神は神としてはまだ格が低く、出雲の神在月には顔を出しておらず、島根も宴会の手配や接待に忙しい日々を送っている。
あらすじ
中国地方編
鳥取は人口流出が止まらないものの、島根と小競り合いをしながらも、出生率がわずかに回復したりと平穏な日常を送っていた。しかし、島根と共にスターベックスジャパンのチーズケーキを食べた瞬間、鳥取たちはスタベちゃんによって闘技場に転送される。そこで聞かされたのは近い将来、地方の人口流出による東京以外の都道府県が消滅し、それによって国が崩壊するという未来だった。この危機を防ぐため、鳥取は東京に匹敵する最強の県を作ることを目的に計画された首都争奪戦に参戦することをうながされる。鳥取県の消滅を防ぐため、襲いかかってきた島根、国を背負う覚悟があるのかと問うてきた山口、そして広島の逆鱗(げきりん)に触れた鳥取を守ろうと善意から決闘を挑んできた岡山を併合し、ついに「中国地方最都会」である広島と対峙(たいじ)する。
九州地方編
中国地方を併合した鳥取は、広島と岡山の仲介で愛媛と香川に対峙し、四国との不可侵条約を結ぶことに成功する。しかし愛媛から「福岡に気をつけて」との忠告を受けた直後、山口が福岡県に行ったまま帰って来ないことに気づき、偵察に向かうことになる。偵察だけのつもりだった鳥取だったが、即座に福岡、佐賀と遭遇したため決闘に発展する。そして福岡が、自県に強い自信を持っている姿を目にして心が折れ、敗北してしまう。後悔する鳥取に対し、スタベちゃんは首都争奪戦に関係する記憶を引き継ぐ権利を譲渡し、鳥取の意識を過去へと戻す。過去に戻った鳥取は、まず愛媛を介して大分と面会し、福岡との仲介を依頼する。ひとまず了承した大分だったが、福岡が佐賀と親密度の紋を持っていることを知り、「あの二人よりも先に中国地方を取る」と、鳥取に決闘を挑んでくる。
北海道独立編
鳥取が九州全域を併合した直後、北海道が日本からの独立宣言をしたことで、日本全土に衝撃が走った。北海道が独立することで日本全体の食糧自給率が惨憺(さんたん)たる有様になることを憂いた各都府県は、北海道を併合および味方にしようと画策し始める。その中で鳥取は鹿児島から、ひそかにあこがれていた沖縄を紹介される。沖縄と仲よくなる中で、沖縄だけは独立宣言後の北海道と連絡を取り合っていることを知った鳥取は、北海道との仲介役になってもらえないかと依頼する。そこで沖縄は、決闘に勝って併合できたら引き受けると返答する。決闘の結果、無事に沖縄を併合した鳥取は沖縄と共に渡道し、北海道と対面する。しかしそこに至り、鳥取は北海道から「北海道が資源と食糧を提供する代わりに、そちらからはなにをくれるのか」と問われ、返答に窮してしまう。
四国分裂編
愛知が静岡を併合し、大都市も首都争奪戦に否応(いやおう)なく向き合わなければならなくなった。そんな中、四国四県における会議で高知は「以前中国地方と締結した不戦協定をどこまで信用できるのか」と議題に挙げる。愛媛と香川から抗議を受けた高知だったが、その直後、徳島が大阪に併合されてしまう。さらにその頃、鳥取のもとに「四国を併合しろ」という脅迫めいた怪文書が届いていた。その文書から鳥取たちは、首都争奪戦には黒幕が存在し、さらにそれは都道府県のゆる神の誰かではないかと疑問を抱く。鳥取たちはこの推測を愛媛たちにも打ち明けるが、このことをきっかけで四国四県の心がバラバラになっていく。
中部・北陸動乱編
静岡をライバル視する山梨がわざわざ、愛知県で暮らす静岡のもとへとやって来た。静岡とつねにライバルでいたいと語った山梨の挑戦を受けて決闘に挑んだ静岡は、その結果、山梨に併合されてしまう。それを目の当たりにした愛知は、新たに商売相手として付き合いのある福井を併合し、勢力の拡大を狙っていた。一方、山梨は衝動的に静岡を併合したことで、両県民から非難を浴び、意気消沈する。そのうえ意地を張って、本音と裏腹の軽口を静岡に叩(たた)いてしまったことで、山梨は静岡との仲も思っていたように行かなくなり、長野に相談する。長野から的確なアドバイスを得た山梨だったが、今度は長野に余計な一言を言ってしまい、長野との決闘を行うことになる。
東京激突編
鳥取は中国地方や九州、四国二県、北海道、新潟を併合したことで、巨大な勢力となっていた。しかし、未(いま)だに弱小県だった気分が抜けず、リーダーとしての自覚を持てずにいた。そのことを福岡に指摘された直後、鳥取はゴシップ誌に捏造(ねつぞう)記事を出されてしまう。一地方にすぎなかった頃から一変し、一挙手一投足まで注目されるという現実に疲弊した鳥取は、鳥取砂丘で鳥取県民でもある、炎上中のYouTuberのYURAと知り合う。YURAとの交流を通じて「自分で自分の責任を負う」という意味を心から理解した鳥取は、東京と面会することにした。これまで日本を牽引(けんいん)する責任を東京に押しつけてきたことを謝罪した鳥取だったが、その会話の中で東京の地雷を踏み抜き、決闘することになってしまう。特別に三県と戦ってもいいという東京に、鳥取は福岡、北海道と共に出撃する。
バグ発生・東北編
鳥取と東京の決闘が決着したかと思った瞬間、鳥取は県庁の自室に戻っていた。しかも決闘に参戦した福岡と北海道が、物理的にも本州に渡れない事態に陥っており、鳥取たちは混乱する。そこに現れたスタベちゃんによると、ゆる神のうちの何者かによってバグが引き起こされ、決闘が強制終了した影響だという。そんな中、北海道は以前、青森と岩手が気になることを言っていたことを思い出し、「スタベちゃんになにか気づかれる前に青森たちを守ってほしい」と依頼する。新潟の伝手で福島に面会することになった鳥取だが、同行した山口はひどく緊張した面持ちで会津と面会する。
休載期間
本作『四十七大戦』は「デジタル版 コミック アース☆スター」で2020年6月まで連載されていたが、その後休載を発表した。2021年2月に作者である一二三のTwitterアカウントで「マガジンポケット」への移籍と、連載再開が発表された。
単行本の装丁
本作『四十七大戦』の本体表紙には、その巻に登場する地元民にしかわからないかもしれない用語や設定、セリフの由来などの解説文が記載されている。これはアーススターコミックス版だけでなく、移籍後のKCデラックス版でも共通の仕様となっている。
メディア化
舞台
2019年10月から11月にかけて、本作『四十七大戦』を原作とした舞台『四十七大戦 開戦!鳥取編』が、東京と鳥取で上演された。中国地方編を忠実に舞台化している。脚本、演出を松崎史也が務め、キャストは、鳥取を永瀬匡、スタベちゃんを田口涼が演じている。また鳥取公演に限り、鳥取県のPRキャラクターであるトリピーがトリピー先輩役として友情出演している。
登場人物・キャラクター
鳥取 (とっとり)
鳥取県のゆる神。銀髪のショートヘアで、毛先が右側に跳ねた男性の姿をしている。基本的な攻撃は、ライフルの「鳥取砂銃」と「鳥取梨弾」で、防御は松葉ガニの甲羅で行っている。県民たちとの距離が近く、慕われている様子が見られる。首都争奪戦についての説明をスタベちゃんから聞かされた際には、真っ先に棄権は可能かどうかを質問するほど戦いに消極的な姿勢を見せていた。しかし棄権しても、やがて都市部への人口流出によって鳥取県は死んでいくと説明されたことで、首都争奪戦に参戦する覚悟を決めた。広島との決闘において島根との合体技を発動させたため、親密度の紋を持っている。また、福岡や佐賀との決闘で自ら勝利をあきらめて敗北したことを後悔した際、スタベちゃんから「記憶を引き継ぐ権利」を委譲され、記憶を保持したまま過去のポイントに戻り、やり直している。中国地方の盟主であり、そのほかの併合した地域をまとめる領主でもある。沖縄からは「トリィ」と呼ばれている。
スタベちゃん
大企業であるスターベックスジャパンのゆる神。ふだんは断熱紙コップに短い手足が生えた姿だが、ヒト型になるとパンキッシュな衣装を身につけた少女の姿になる。また、断熱紙コップ姿の時のみ、語尾に「タベ」を付けて話す。文明化の象徴であり、「ブランド化」を司(つかさど)っている。これまでに何度も首都争奪戦をやり直しており、すべての結果を記録として保持している。初めて鳥取のような弱小県が一地方を制したという過程を見た結果、鳥取がこれまでにない結果を招くのではないかと期待して、鳥取に「記憶を引き継ぐ権利」を委譲した。しかし、それがルール違反と判断されたため、人格が書き換えられる結果となった。
島根 (しまね)
島根県のゆる神。黒髪のショートヘアで、毛先が左側に跳ねており、眼鏡をかけて着物を着た男性の姿をしている。基本的な攻撃は、出雲大社の宝物殿に収められている刀剣を使用した剣戟(けんげき)で行い、防御は「漆黒の緞帳(しじみのだんまく)」で行っている。また銃が得物の相手には、銃口にシジミを詰めて暴発を誘うなどの手段も取る。生真面目すぎるところがあり、ふだんから鳥取とはケンカの絶えない関係。スタベちゃんから首都争奪戦の説明を受けた際、島根県が最速消滅県の一つであることをすばやく理解し、鳥取に決闘を仕掛けている。その結界鳥取に併合されたが、一度はそれを不服とし、自ら広島に人口を差し出したことがある。鳥取と合体技を発動できる、親密度の紋を持っている。
山口 (やまぐち)
山口県のゆる神。黒髪のショートヘアで、毛足だけが外ハネした少年の姿をしている。吉田松陰を敬愛しており、山口の前で吉田松陰を呼び捨てにすると丸一日説教をされたうえ、県中引き回しの刑に処される。基本的な攻撃は、大槍(おおやり)「長州力」とフグ毒針で行う。内閣総理大臣を最も多く輩出しており、その権威で新幹線の駅を5駅も持っていることから、攻撃力を5倍に増幅させる必殺技「総理の加護(プライド・オブ・ヤマグチ)」を持っている。鳥取が島根を併合したと聞いて、鳥取に国を背負う覚悟があるか否かを問い質し、決闘を仕掛けた。のちに中国地方と九州地方の不戦協定を結ぶために一人で福岡と話し合いに出向いたが、鳥取たちに詳細を話していなかったため、逆に中国地方と九州地方の火種となってしまう。廃藩置県以前は背の高い男性の姿だった。鹿児島や福島からは「長州」と呼ばれている。
岡山 (おかやま)
岡山県のゆる神。黒髪を腰まで伸ばしたロングヘアで、モノクルをかけた男性の姿をしている。基本的な攻撃は、被弾した相手に幻覚を見せて錯乱させ、任意の相手に攻撃をさせる「機微弾殺(きびだんご)」で行い、防御は「蒼天結界(アンチ・レインフォール・フィールド)」で行っている。また、全体攻撃スキルはブラジル人サンバダンサーが踊りながらフルーツを投げつける「鷲羽山の狂宴(イーグル・ウイング・カーニバル)」。江戸時代、鳥取と同じく池田家が統治していたため、鳥取と非常に仲がよく、鳥取に対して保護者のように接している。首都争奪戦において島根、山口を併合したため広島に敵視された鳥取を心配し、鳥取を併合しようと決闘を仕掛けた。
広島 (ひろしま)
広島県のゆる神。外ハネした金髪を真ん中分けにした男性の姿をしている。基本的な攻撃は、ソースの香りで人口を引き寄せる「褐色の銃弾(バレット・オブ・オタフク)」と、広島風お好み焼きに相手を挟んで身動きをできなくさせる「金色の銃弾(ソバレット・オブ・パンケイク)」で行う。また、全体攻撃スキルは、広島を本拠地とする球団の選手が投げたバットが豪雨のように襲いかかる「不屈のバット投げ(アライズ・バットスイング)」。華やかで軽薄に見えるが、第二次世界大戦中に負った大きな被害はトラウマとなっており、「華やかな景色しか知らないくせに」などと言われると方言でまくし立ててキレた様子を見せる。
香川 (かがわ)
香川県のゆる神。金髪短髪にスーツを着た男性の姿をしている。基本的な攻撃は、オリーブオイルを射出する「一番搾り織利威舞(エクストラヴァージンオリーブオイル)」で行う。また、「アルティメットうどんモード」では一定時間全パラメーターが覚醒し、射出される物がうどん屋のおでんに変化する。基本的に穏やかな性格ながら、車の運転が非常に荒く、速度オーバーや急ブレーキなど、事故を起こしかねない運転をするため岡山によく注意されている。また、「うどんよりそば」という言葉を聞くと人の心を失って暴走し、無差別に攻撃し始めるが、うどんを心から愛する者のすすり音を聞くことで正気に戻る。
愛媛 (えひめ)
愛媛県のゆる神。ウェーブがかった肩までの黒髪をサイドでまとめ、女性的な男性の姿をしている。基本的な攻撃は、ロケットランチャーから柑橘類全般を射出する「POM弾(パワーオブミカンショット)」で行う。非常におっとりとしており、鳥取をはじめとする中国地方のゆる神たちとの会議において遅刻した際にも、あまり気にする様子を見せなかった。スタベちゃんによって記憶を引き継いだまま過去に戻った鳥取から福岡攻略の相談を受け、まずは大分に仲介を頼むことを勧めた。徳島が大阪に、香川が鳥取に併合されたことを受け、精神的に不安定になり、暴走モードに陥った。
福岡 (ふくおか)
福岡県のゆる神。金髪をツーブロックヘアにしており、サングラスとレザージャケットを身につけた男性の姿をしている。佐賀と合体技を発動できる親密度の紋を持っている。基本的な攻撃は、マシンガンの「壱殺壱壊(いちごいちえ)」で行う。また、全体攻撃スキルは、西鉄バスが豚骨ラーメンの魔法陣を描き、召喚されたラーメン店主が大量の豚骨ラーメンを浴びせる「鋼鉄の集中砲火(バリカタ・オカワリファイア)」。戦闘スタイルは守りをいっさい考えない特攻タイプ。島根県と鳥取県の区別がいまいちついておらず、「鳥根県」と言い間違えることもある。福岡を日本の三大都市だと豪語しており、愛知の有する名古屋が三大都市とは認めていない。
佐賀 (さが)
佐賀県のゆる神。黒髪で眉毛が太く、右目の下に泣きぼくろがある男性の姿をしている。福岡と合体技を発動できる親密度の紋を持っている。基本的な攻撃は、カッターのような刀ですべてを生イカのように切り刻む「呼子斬(よぶこスラッシュ)」で行う。九州出身者でも佐賀県の位置を把握できていない人たちがいるなど、無口で存在感が薄い。
大分 (おおいた)
大分県のゆる神。金髪で、つねにヘッドフォンを身につけた男性の姿をしている。基本的な攻撃は、回転時に棘を出して真空を生み出すヨーヨー「KABOS」を使って対戦者を切り刻む「地産地消(アルティメット・オオイタ・サーキュレーション)」と、地獄温泉の高熱とガスで行う。馴(な)れ合うことを嫌い、むやみに他人から話しかけられるのも苦手としている。九州地方としての連帯感を持ち合わせていないため、鳥取から福岡攻略の相談を受けた際には、面倒くさがりながらも了承しようとした。しかし福岡が、佐賀と親密度の紋を持っていると知ってショックを受け、福岡より先に中国地方を手に入れようと、鳥取に決闘を挑んだ。
長崎 (ながさき)
長崎県のゆる神。肩までの金髪に前髪で左目が隠れており、書生服を着た男性の姿をしている。基本的な攻撃は花の種を放ち、敵に被弾させたところで開花させて人口を奪う「百花葬送(ガーデン・オブ・テンボスアルカディア)」で行う。悪気はないが一言多く、よく大分を怒らせている。痛みに弱く泣き虫ながら、他人の評価に晒(さら)されることに対する覚悟は強く持っている。大分が鳥取に併合されたと知って激怒した福岡に代わり、大分の様子を見るために大分県庁を訪れた。
鹿児島 (かごしま)
鹿児島県のゆる神。肩までの白髪をうなじでまとめて羽織袴(はおりはかま)を身につけ、浅黒い肌をした精悍(せいかん)な男性の姿をしている。基本的な攻撃は、日本刀による斬撃を受けた相手が3分間鹿児島弁しかしゃべれなくなる「薩摩示言流」で行う。山口と親交が深く、山口が九州地方と組むべきか悩んでいた際、最初に相談していた。鳥取が来訪した際には、話しをするに値する相手か、まずは一升瓶を飲み干せるかどうかで見極めようとした。宮崎からは「かごさん」、山口からは「薩摩」、沖縄からは「おやじ」と呼ばれている。
宮崎 (みやざき)
宮崎県のゆる神。ショートボブヘアの茶髪に、麦わら帽子とオーバーオールを身につけた男性の姿をしている。基本的な攻撃は、竹弓で完熟マンゴーを撃ち出しておいしさを爆発させる「陽果破射(サンシャイン・ブラスト・アロー)」で行う。非常にマイペースな性格で人の話を話半分に聞いており、つねに笑顔を絶やさない。鹿児島からは「宮」、沖縄からは「みゃー」と呼ばれている。
熊本 (くまもと)
熊本県のゆる神。黒髪のショートヘアに大きな吊(つ)り目で、左頰に医療用テープを貼った男性の姿をしている。基本的な攻撃は、バトルアックスつきライフルから射出する「いきなり弾GO」で行う。また、全体攻撃スキルは、熊本城の一口城主たちの思いを纏(まと)めて射出する「熊本城勇気玉(もっこす・ブレイブ・ファイア)」。熊本こそが九州のリーダーであると考えており、福岡が九州のトップではないのかと言われると、激怒して辛子れんこんを丸ごと口に突っ込んでくる。鳥取が来訪した際、まずは鳥取の信念を聞くべく酒の席を設けた。鹿児島からは「もっこす」と呼ばれている。
東京 (とうきょう)
東京都のゆる神。ハネ癖のある黒髪に王冠とマントを身につけており、オッドアイの瞳を持つ少年の姿をしている。基本的な攻撃は、東京を走る電車交通網をサイコロの目の数だけ召喚する「東京包囲路線網」で行い、防御はもんじゃ焼きの土手で行う。また、政令指定都市以上の攻撃スキルである23(ニーサン)特別区攻撃を持っており、「包囲網<東京侵喰>(オーバーリライト)」では、対戦者陣営の住民票データを直接書き換え、一地方全体に匹敵する人口を一撃で奪うことができる。めったに人前に姿を現さないため、ゆる神同士でも東京の姿を見たことのある者は少ない。また、長期休暇の際には都の職員に両親役を頼み、ふつうの人間の子供として「タカシ」と名乗り、さまざまな地方を観光しつつ、偵察している。好ましい状況を作り出すまで何度も繰り返し行われている首都争奪戦の記憶を保持している管理者だが、多くの記憶が混濁し、今時点の記憶がどれかわからなくなる時がある。
神奈川 (かながわ)
神奈川県のゆる神。グラデーションカラーにした金髪を、アシンメトリーなポニーテールにした男性の姿をしている。東京の補佐役を担い、東京が現場に来られない会議などには名代として出席している。そのため、愛知からは疎ましがられている様子もある。東京が何度も首都争奪戦をループしているとは知らされていなかったが、知ってからはつねに東京の身を案じている。
埼玉 (さいたま)
埼玉県のゆる神。外ハネの黒髪に眼鏡をかけており、ダウンベストを着た男性の姿をしている。県民に地元愛があまりなく、さらに個性もないことを悩んでいる。東京が何度も首都争奪戦をループしているとは知らされていない。
千葉 (ちば)
千葉県のゆる神。茶髪をツーブロックヘアにした男性の姿をしている。実は二十世紀梨の発祥が千葉県であることから、梨に関しては鳥取にライバル意識を持っている。千葉県内で場所を説明する必要がある際、千葉県のマスコットキャラクターのチーバくんの体の部位で説明する癖がある。東京が何度も首都争奪戦をループしているとは知らされていない。
大阪 (おおさか)
大阪府のゆる神。黒髪のベリーショートヘアに、つねに鉢巻を巻いた男性の姿をしている。いつも虎の「道頓堀」をつれているが、本来この虎は兵庫のもので、名前も勝手に付けた。人情に厚く、西日本の兄貴分を自負していたが、鳥取による勢力の拡大を受け、頼ってもらえなかったことに強く動揺していた。首都争奪戦の目的が新しい首都を作ることではなく、現在ある都道府県のヒエラルキーを破壊することではないかと考えている。スキあらばボケる癖がある。
兵庫 (ひょうご)
兵庫県のゆる神。茶髪で大きく段をつけた髪型に、眼鏡をかけた男性の姿をしている。大阪の補佐役を担い、大阪が繰り出す数多くのボケにも律儀に突っ込んでいる。手に持った本に書かれた詠唱術によって攻撃が可能で、時間を操作する「第135頁“標準時変更(クロノ・シフト)”」を使うことができる。
京都 (きょうと)
京都府のゆる神。茶髪で大きく段をつけた髪をうなじでまとめており、一部の横髪を三つ編みにした男性の姿をしている。基本的な攻撃は、細い剣から繰り出す「京都タワー景観違和(はんぶんビルやないか)スラッシュ」で行う。大阪といっしょにされることは嫌がるが、大阪が関西のトップであることは認めており、大阪が鳥取による勢力の拡大に動揺していることを知って叱責した。福井からは「京社長」と呼ばれている。
滋賀 (しが)
滋賀県のゆる神。白髪でつねにヘッドフォンをつけた男性の姿をしており、いつも大ナマズの「びわこ」を肩に乗せている。京都の補佐役を担い、京都に文句を言いながらも求められるとびわこから水を差し出している。決闘時にはびわこがスナイパーライフルに変形し、小鮎(こあゆ)を射出する。またつねにいっしょに行動しているびわこが姿を消すことから「びわこなしで僕の位置を捉えられる者はいない」と豪語している。
三重 (みえ)
三重県のゆる神。黒髪のベリーショートヘアをアシンメトリーカットにし、眼鏡をかけた男性の姿をしている。基本的な攻撃は巨大な鎖分銅を使って「赤福」を召喚する「朔日裂餅(さくじつれっぺい)」で行う。愛知からの命令で大阪を偵察していた際、京都に察知されて決闘となった。忍者の里として知られる「伊賀」「甲賀」を持っていた関係から、滋賀には対抗心を持っている。京都に併合されたあと、関西の偵察をするスパイを演じたまま、東海地方の情報を大阪、京都に流すダブルスパイを命じられた。
愛知 (あいち)
愛知県のゆる神。赤毛のポニーテールの髪型で、セーラーカラーのコルセットワンピースを身につけた女性の姿をしている。お嬢様言葉でしゃべる。基本的な攻撃は、剣型の扇子からエビフライを撃ち出す「海老跳躍の舞(エビFLY・ダンス)」で行う。岐阜と合体技を発動できる親密度の紋を持っている。自分の手元にあったはずのものが、他人のものになるという事態に耐えられず、静岡に決闘を仕掛けた。静岡からは「お嬢」、福井からは「愛社長」、石川からは「扇の君」と呼ばれている。
岐阜 (ぎふ)
岐阜県のゆる神。腰下まである長い金髪を長い三つ編みにした女性の姿をしている。基本的な攻撃はチェーンソーで行い、防御は一定の確率でダメージを無効化する効果を持つ「さるぼぼ」で行う。また、愛知と合体技を発動できる親密度の紋を持っている。愛知の補佐役を担い、ふだんはメイド服を着せられているが、最初は恥ずかしがっていたものの徐々に慣れていった様子が見られる。愛知が岐阜なしに生活していられなくなることに快感を覚えている。海に面していないため海産物に弱く、福井のカニを使った攻撃にはかなり心揺さぶられる様子を見せていた。
北海道 (ほっかいどう)
北海道のゆる神。長い白髪を三つ編みにまとめており、背の高い男性の姿をしている。都道府県の中で最後に生まれたため気ままな末っ子気質で、独立心が強い。基本的な攻撃は、ショットガンで「北海道が一位を誇る物」をランダムで9発撃ち出す「一位の暴力(パワープレイオブガイア)」で行い、防御はジンギスカン鍋で行う。また首都争奪戦に興味がないという理由から、「北海道共和国」の樹立と独立を宣言し、他府県と連絡を取らずにほぼ鎖国状態となっていたが、沖縄とだけは連絡を取り合っていた。秘密をばらしたりすると、北海道の魔の土産の一つに数えられる「ジンギスカンキャラメル」を口に放り込まれる。沖縄からは「ドー」と呼ばれている。
沖縄 (おきなわ)
沖縄県のゆる神。浅黒い肌の少年の姿をしている。基本的な攻撃は、マンゴーを射出する「ダイナミック☆琉球奄羅(りゅうきゅうマンゴー)」で行う。バラエティ番組や全国CMにも出演しており、日本で一番有名なゆる神ランキングではつねにトップ圏内に入っている。首都争奪戦のことはどうでもいいと思っているが、九州地方とは民間、行政共に連携している部分が多いため、無関心すぎると省いて考えられてしまうかもしれないという危機感は持っている。北海道とは共通点が多いため、北海道の独立宣言後もひそかに連絡を取り合っていたため、鳥取に併合されたあとは北海道との連絡役を担った。
静岡 (しずおか)
静岡県のゆる神。黒髪のショートヘアで長身のため、一見すると男性に見間違えるほどボーイッシュな女性の姿をしている。基本的な攻撃は、サッカーボールの攻撃と効果音で静岡県に本社を持つ大企業をPRする「大企業in静岡(ジャイアント・ハットトリック)ショット」で行う。1日に4回は日本茶を飲まないと精神に異常をきたすという特徴がある。また楽観的で、言葉にされていない他人の心情などは読まないところがある。一度は愛知との決闘に負けて併合されたが、その後勝負を挑んできた山梨に敗北し、山梨に併合されている。
徳島 (とくしま)
徳島県のゆる神。長い黒髪にポニーテールの髪型で、前髪で右目を隠した女性の姿をしている。ストレスが溜まると高速でそろばんを弾く癖がある。強制的に阿波(あわ)踊りをさせることで筋肉疲労で人口を奪う「強制阿波踊り」や、すだち果汁を全身に浴びることで一定時間全パラメーターを上昇させる「爽緑の叢雨」を使用することができる。腐女子でもあり、大阪などのゆる神たちの関係性を妄想している様子がある。また、すだちとかぼすを混同されると激怒する。
高知 (こうち)
高知県のゆる神。ドレッドヘアにポニーテールの髪型で、無精ひげを生やした男性の姿をしている。基本的な攻撃は、日本刀を振るごとにカツオによる追撃を加える「雷撃・黒潮一本」で行う。趣味でカフェバーを営んでおり、公務が面倒くさくなった時に開店している。鳥取が次々と各県を併合していることに危機感を覚え、中国地方と四国地方は本当に不戦協定を守っていけるのかと疑問を抱いていた。徳島が大阪に、香川と愛媛が鳥取に併合されてから、単身で東京、神奈川に決闘を挑んだ。
山梨 (やまなし)
山梨県のゆる神。白髪のベリーショートヘアに、ニット帽をかぶった少年の姿をしている。基本的な攻撃は、円刀で攻撃しながら発酵した葡萄(ぶどう)の香りを振りまく「爆斬・天地人(グレート・ビンテージ・アロマ)」で行う。強がりで意地っ張りだが打たれ弱く、精神的に不安定な一面がある。富士山の所有権などを巡り、なにかと静岡に食ってかかっている。静岡のライバルは山梨自身であると自負しており、静岡に決闘を挑んだ。
福井 (ふくい)
福井県のゆる神。ハネ癖のある茶髪で、眼鏡をかけた少年の姿をしている。基本的な攻撃は、鯖丸というメカから発射される「魚雷・潮空威(ヘシコ・シオカライ)」で行う。眼鏡を中心とした商品を扱う商人で、愛知と京都を相手に商売をしている。愛知から中部地方入りを勧誘された際、「せめて嶺南は京都に捧げたい」と反抗したが、強引に決闘を始められた。
石川 (いしかわ)
石川県のゆる神。金髪のマッシュルームボブを一部のみ三つ編みにした男性の姿をしている。基本的な攻撃は、雷と共に金箔を降らせて対戦者の行動を阻害する「金箔の嵐(KAGA百万石ブリザード)」で行う。実用性よりも優雅さを大切にしており、「本気で挑むとしたら京都だけであり、ほかの都市は歯牙にもかける気はない」と言い放っている。富山と合体技を発動できる親密度の紋を持っている。
富山 (とやま)
富山県のゆる神。大きく段のついた黒髪をした男性の姿をしている。攻撃を受けると発動する特別効果薬を大量に所持しており、特に胃薬「反魂丹」の効果によって、食品によるダメージを3回まで完全に無効化することができる。また、石川と合体技を発動できる親密度の紋を持っている。比喩表現や慣用表現を素直に受け取ってしまうところがあるため、石川からは「盆暗」とも呼ばれている。
青森 (あおもり)
青森県のゆる神。つねにフードをかぶり、ガスマスクのような物を付けた男性の姿をしている。方言が強すぎるため、マスクで自動的に標準語に翻訳して話しているからか、非常に文学的な表現となっている。首都争奪戦から離脱する抜け穴を探していたが、バグを起こしてしまい、人口流出が止まらなくなっている。
岩手 (いわて)
岩手県のゆる神。白髪で、前髪を右下がりにカットした男性の姿をしている。基本的な攻撃は、パチンコで撃ち出す南部鉄器で行う。青森と共に首都争奪戦から離脱する抜け穴を探していたため、青森が人口流出バグに見舞われているのも理解しており、このバグを維持しているあいだに首都争奪戦を中断、初期化させる手段を探そうと考えている。
秋田 (あきた)
秋田県のゆる神。真ん中分けした金髪で、前髪を一房だけ垂らした少年の姿をしている。鬼の仮面をかぶることで「なまはげ仮面(イネーガー)」に変身でき、基本的な攻撃は巨大なきりたんぽで行う。「課長」と呼ばれる秋田犬を世話しており、ババヘラアイスに引き寄せられる習性を持っている。首都争奪戦におけるバグの発生と、その犯人についてなんらかの情報を握っているのではないかと考えられており、鳥取に問い詰められた。しかし精神的に追い詰められた結果、鳥取に決闘を挑んでいる。
長野 (ながの)
長野県のゆる神。白髪をオールバックにして、眼鏡をかけた中年男性の姿をしている。基本的な攻撃は、日本アルプスから高原野菜を射出する「アルプス一万撃」で行う。山梨の兄貴分でもあり、山梨が静岡を併合したあと、世間からバッシングを受けてヘコんだ際にはアドバイスを与えている。しかし、山梨が決闘を「ただの数字の取り合い」だと語ったことが逆鱗に触れ、山梨に決闘を挑んでいる。山梨からは「兄貴」と呼ばれている。
新潟 (にいがた)
新潟県のゆる神。黒髪のおかっぱ頭で、非常に太短い眉毛をした男性の姿をしている。基本的な攻撃は、十手の先端から大量の米を噴出する「全力米百俵(ライスオブゴールデングラウンド)」で行う。趣味でゆる神をモチーフとした二次創作漫画を描いており、その内容が首都争奪戦の状況を予言したようだと話題になった。アイドルオタクでもあり、SNSではオタクとしての交流用アカウントも運用している。福島からは「長岡」と呼ばれている。
福島 (ふくしま)
福島県のゆる神。黒髪のロングヘアを姫カットにした女性の姿をしているが、戊(ぼしん)辰戦争の頃は男性の姿をしていた。基本的な攻撃は、大量のフルーツで対戦者を押し流す「甘露芳醇果物行列(うんとうんめぇ・ふるーつらいん)」で行う。「長州」と呼ばれていた頃の山口を強く恨んでおり、山口が味方でいる限り鳥取にも協力する気はないと言い放った。山口からは「会津」と呼ばれている。
宮城 (みやぎ)
宮城県のゆる神。ウェーブがかった長い金髪を、うなじでまとめた男性の姿をしている。伊達(だて)男を自負しており、つねに格好をつけた言い回しをする癖がある。首都争奪戦の最中に起こったバグと、バグを起こした犯人を捜すため鳥取たちから協力を求められ、快く引き受けている。
山形 (やまがた)
山形県のゆる神。濃い茶髪をおかっぱ頭にした少女の姿をしている。宮城の相棒として、格好をつけた言い回しをする宮城の言葉を簡単に翻訳し、鳥取たちに伝えている。あまり目立たないが宮城への信頼感は強く、つねに宮城をフォローしている。
猿飼部 (さるかいべ)
岡山が使役している使い魔のゴリラ。「桃太郎」と書かれたTシャツとジーンズを身につけており、人語を話す。鳥取、岡山が大分と決闘した際、大分が召喚した高崎山自然動物公園のサルを叱り飛ばすために召喚された。非番だったが、鳥取県産のスイカを時間外手当として受け取っている。
YURA (ゆら)
YouTuberをしている人間の男性。金髪の長髪で、貴族をモチーフにした衣装を身につけている。現代の転生貴族という設定で配信しており、動画の総再生回数は1億回、チャンネル登録者数は300万人を超えている。幼少期から母親の足を揉(も)んで労っていた生活を続けていたため、生放送で初対面の女性に対し「足を揉んでやろう」と発言したことで炎上した。鳥取が捏造記事で炎上し、鳥取砂丘を眺めて虚無に陥っていた際に同じ理由で知り合った。鳥取県民だがふだんからテレビをほとんど見ないため、鳥取の顔を知らず、鳥取のことは同じく炎上に悩む動画配信者だと思い込んで会話していた。本名は「下北条由良」。
集団・組織
四天王 (してんのう)
日本の中枢を担う、四都府県のゆる神の総称。東京、大阪、京都、愛知で構成されており、その補佐役として神奈川、兵庫、滋賀、岐阜が任命されている。首都争奪戦においてたびたび集まって会議を開いており、鳥取らの動向を観察している。ただし首都争奪戦についての詳細や、目的について理解しているのは東京のみであり、ほかの府県は東京からもスタベちゃんからも説明されることなく、各地の戦況に振り回されている。
場所
闘技場 (でゅえるすぺーす)
首都争奪戦における決闘が行われる場所。鎖状の光で対戦者との初期スペースが区切られており、遠目から見ると、横倒しになった砂時計の形になっている。砂時計の左右の背景にはそれぞれの県の特徴的な場所が映し出され、昼と夜で分かれている。砂時計の底面部分には決闘に参戦する県の人口や、文明、資本、権力を視覚化したものが表示される。決闘中は現実の時間は止まり、首都争奪戦の対戦結果は平和的な合併として扱われている。
闘技場ver1.1 (ばとるふぃーるどばーじょんいってんいち)
首都争奪戦における決闘が行われる闘技場が、福岡の要望に応じてバージョンアップしたもの。外見はほとんど変わらないが、フィールド上にボルトの付いた立方体ブロックが大量に浮遊している。これらのブロックは、鳥取の使用するライフル「鳥取砂銃」で何度も打たなければ破壊できないが、福岡の使用するマシンガン「壱殺壱壊(いちごいちえ)」だと一瞬で破壊できる。
闘技場ver1.2 (ばとるふぃーるどばーじょんいってんに)
首都争奪戦における決闘が行われる闘技場が、北海道の要望に応じてバージョンアップしたもの。氷の結晶型のオブジェクトが大量に浮遊しており、フィールド全体を吹雪(ふぶき)が包んでいる。また、氷の結晶型のオブジェクトを破壊するとその周囲が一時的に凍結し、一定時間移動速度がダウンする。
その他キーワード
ゆる神 (ゆるがみ)
さまざまなものから生まれる神。大企業や日本の各都道府県に1柱ずつ存在しているため「ご当地神」とも呼ばれており、会いに行ける神として親しまれている。自県、自企業のPR活動で会見したり、テレビ出演することもあるため、半ば公人と同じように考えられ、ゴシップ誌に記事が載せられることもある。また、都道府県のゆる神は、自県エリアの範囲内であれば瞬間移動で好きな場所に行くことができる。簡単にケガをすることはないが、ゆる神同士が争うとケガを負ってしまう。ただし、各都道府県のゆる神のケガや不調は県の観光業や漁業にダメージを及ぼすため、控えるのが好ましいとされる。このため各都道府県のゆる神は、「土地のすべてを揺るがす神」という意味合いから「揺神」とも称されている。市町村のゆる神は、都道府県のゆる神の部下として生み出されることが多いが、土地の歴史や住民意識が反映されるため、都道府県のゆる神に懐かないこともある。また見た目の年齢や性別は、時代によって変化する場合がある。
決闘 (でゅえる)
首都争奪戦における戦闘形式。基本的には都道府県のゆる神同士が戦闘を行い、負傷すると相手の県に人口が移動する。対戦相手の人口を臨界点まで吸収し、限界集落化させた県のゆる神が勝者となり、敗者の県を併合していく。併合した県のゆる神は、併合された県のゆる神を補佐として召喚し、共闘させることも可能となる。その場合は、敗者側の人口を加算した人口で決闘に臨むことができるが、併合された県の県民たちや敗者となったゆる神が併合に納得していない場合、人口が加算されない。補佐に選ばれたゆる神に割り振られた人口が、対戦者に流出すると「凍結状態」となって行動不能に陥るが、領主であるゆる神が再度人口を割り振れば復活させることができる。
合体技 (たっぐすきる)
都道府県のゆる神同士の親密さが最高値になると解放されるスキル。合体技が解放された2県のゆる神に共通する事象、歴史、伝承がモチーフとなった技であり、ゆる神個人のステータスに関係なく強い威力を発揮することができる。このスキルが解放されたゆる神の左手の甲には、親密度の紋が浮かび上がる。
親密度の紋 (しんみつどのもん)
都道府県のゆる神同士の親密さが最高値になると浮かび上がる紋章。「aliacce」の文字と「x」に似た模様で構成されている。戦闘に及ばなくても、経済や交通、歴史などでつながりの深い県のゆる神同士なら勝手に浮かび上がる。基本的に、一県に対して一県のみを対象としている。
人口リセット (じんこうりせっと)
首都争奪戦の過程で、一地方を併合し終えてから解禁される新ルール。他地方の県を併合する際、最初の1県を併合するまではそれまでの人口を使用できるが、2県目からは地方盟主となった県の初期人口と、その地方で併合した県の人口のみを使用することができる。
二県選択 (にけんせんたく)
首都争奪戦の過程で、戦闘に参加する都道府県が半数を超えてから解禁される新ルール。領主は自分以外の2県を選択して戦わせることができる。この場合、戦闘時には併合前の人数が割り振られ、人口の多い方が戦闘時の仮領主扱いとなる。この仮領主が撃破されて敗北した場合は、戦った2県が相手に併合されてしまう。
邂逅 (こんふろんと)
四国の分裂後、鳥取にのみ解禁された新しいスキル。首都争奪戦のシステムを管理しているスタベちゃんも、邂逅については知らされていなかった。対戦者が特に大切にしているものを目にし、心を開かせることで、決闘で傷を負わせることなく対戦者を併合することができる。
首都争奪戦 (しゅとそうだつせん)
スタベちゃんが審判を務める、各都道府県のゆる神同士の戦い。スターベックスジャパンのフードメニューを口にすることで参加条件を満たす。近い将来、地方の人口流出による東京以外の都道府県の消滅と、それによる国の崩壊を防ぐため、東京に匹敵する最強の県を作ることを目的に計画された。各都道府県がそれぞれの特産品や特性を生かして決闘を行い、勝者が敗者を併合する。政令指定都市を持つ県は全体攻撃スキルを持ち、対戦者に全方位から攻撃を加えることができる。また東京に限っては「23(ニーサン)特別区攻撃」が許可されており、政令指定都市の全体攻撃スキル以上のダメージを対戦者に与えることができる。
書誌情報
四十七大戦 14巻 講談社〈KCデラックス〉
第1巻
(2021-12-09発行、 978-4065262924)
第2巻
(2021-12-09発行、 978-4065262931)
第3巻
(2022-01-07発行、 978-4065262986)
第4巻
(2022-01-07発行、 978-4065262993)
第5巻
(2022-02-09発行、 978-4065263006)
第6巻
(2022-02-09発行、 978-4065263013)
第7巻
(2022-03-09発行、 978-4065263020)
第8巻
(2022-03-09発行、 978-4065263037)
第9巻
(2022-04-07発行、 978-4065263099)
第10巻
(2022-04-07発行、 978-4065275368)
第11巻
(2022-06-09発行、 978-4065281703)
第12巻
(2022-08-09発行、 978-4065288276)
第13巻
(2022-11-09発行、 978-4065297131)
第14巻
(2023-05-09発行、 978-4065316689)