スパニッシュ・ハーレム

スパニッシュ・ハーレム

ロンドンに建つフラット(アパート)「スパニッシュ・ハーレム」の住民達の恋愛模様と成長を丁寧に描いた作品。男女の恋だけでなく、同性愛や兄弟間の愛など、さまざまな形の愛情が描かれている。「ASUKA」1988年8月号から1990年11月号に掲載された。

正式名称
スパニッシュ・ハーレム
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
あすかコミックス(角川書店)
巻数
全6巻
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あらすじ

スパニッシュ・ハーレムへ(第1巻)

シャーロット・テイトシャーロットの母が亡くなったため、兄であるアリステア・テイトに知らせるために、自身が住むロンドンからマンチェスターへと探しに行く。またシャーロットの母親が経営していたフラット(アパート)「スパニッシュ・ハーレム」を引き継いでもらおうと伝えるためでもあった。何とかアリステアを探し出したシャーロットであったが、アリステアからは「自由でいたい」と断られてしまう。どうしてもアリステアを連れ戻したいシャーロットは、しばらくマンチェスターに滞在するものの、アリステアの荒れた生活に辟易する。そんな時、アリステアと同棲していた家出少年、アーサー・クレイトンが、実家に連れ戻されそうになる。アーサーは父親から激しい暴力を受け、さらに抱いていた夢を反対されて家出していたのだ。アーサーを守るため、アリステアはシャーロットと共にロンドンへと戻り、「スパニッシュ・ハーレム」の経営者となる。しかし、実質はシャーロットが経営しているようなもので、その手伝いをアーサーがしている状態になり、シャーロットは大きな不満を抱く。そんな中、「スパニッシュ・ハーレム」に、新入りのエドワード・フィールディングがやって来る。早速歓迎パーティーが行われ、アルコールも入り、「スパニッシュ・ハーレム」の夜は大いに盛り上がるのであった。

アリステアの気持ちとアーサーの演劇への道(第2巻)

アーサー・クレイトンに好意を抱いているエドワード・フィールディングは、アーサーが演劇へ興味を抱いているのを知り、劇団の雑用アルバイトを紹介する。喜ぶアーサーであったが、アリステア・テイトは、エドワードにアーサーを取られたようで気分を悪くする。もしかして恋なのではないかと疑い、同性愛者のピーターに相談するものの答えは出なかった。そんな時、「スパニッシュ・ハーレム」に住むセイラ・カニングスはエドワードに恋心を抱き、アプローチをしようと努力するが、偶然にもエドワードが同性愛者である事実を知ってしまう。エドワードを忘れなければと思うものの、セイラはどうしても諦めきれずにいた。そんな中、ロナルド・ハービーの恋人と名乗る美少女、ナタリア・D・オーバーンが「スパニッシュ・ハーレム」を訪れる。しかし、トーマス・ティパートはナタリアに一目惚れしてしまい、「スパニッシュ・ハーレム」の住民はそれぞれの恋心に悩むのであった。その一方で、アーサーは劇団の雑用アルバイト中に劇団の主演女優、エリザベス・オコーネルから気に入られ、舞台に立つ機会をもらう。アリステアは自分のもとから離れていくアーサーに不安と嫉妬心を覚えながらも、役がもらえた記念パーティーを計画する。アーサーには内緒で計画をしていたため、帰り道にエリザベスから食事に誘われたアーサーはそちらを優先し、いつまで経っても帰宅しなかった。自分の思い通りにならずに気分を損ねたアリステアは、雨の中「スパニッシュ・ハーレム」を飛び出すのだった。

エドワードの過去とアーサーの失恋(第3巻)

いつまでも帰らないアーサー・クレイトンに落胆と怒りを覚えたアリステア・テイトは、ピーターの自宅で暮らすようになる。ピーターとの生活の中で「自分は男を抱きたいとは思わない。しかしアーサーは大切な存在だ」と自分の気持ちを理解したアリステアは「スパニッシュ・ハーレム」へと戻って行った。その後、アリステアはピーターが働くバーでスレイトと出会う。そこでスレイトからエドワード・フィールディングが過去に付き合っていた少年、マイルズを裏切り、エリザベス・オコーネルに心を奪われていた事実を知る。しかし、エリザベスはあくまで優れた脚本を書いてもらうためにエドワードに接近しただけで、目的が達成されたあとはあっさり別れてしまう。裏切られたマイルズは刃物でエドワードを切りつけようとし、逆に自分の手首を深く切ってしまう。さらに自暴自棄になったマイルズは、不特定多数の男性と身体の関係を持ち、エイズに感染して入院することとなった。エドワードの過去、そしてエリザベスのことを知ったアリステアはアーサーが心配になり、エリザベスに接近する。するとやはりエリザベスは舞台を成功させるために、アーサーに近づいただけであった。普通であれば怒るところであるものの、エリザベスの毅然とした態度から、アリステアは彼女を認め、奇妙な友情が芽生えるのであった。一方、アーサーはエリザベスの態度が変わったことと、周りからの噂により、自分が失恋したと知る。それからは演劇に没頭しようとするものの、誘われた舞台鑑賞でプロとの差を思い知らされ、落ち込むのだった。

アーサーの初舞台と告白(第4巻)

アーサー・クレイトンの初舞台が決まり、シャーロット・テイトら「スパニッシュ・ハーレム」の住民達は彼の舞台を観に行く。舞台は大成功をおさめ、アーサーがチケットを送っていた母親も涙するほど素晴しい出来映えだった。しかし、舞台の途中で引き留めるナタリア・D・オーバーンの話も聞かず、トーマス・ティパートが「約束がある」と帰ってしまう。そんな行動を怪しく感じたロナルド・ハービーは、トーマスに懐いているナタリアのためにも、アリステア・テイトに彼の素性調査を依頼する。バーなどでトーマスの情報を集めるアリステアであったが、調査は行き詰ってしまう。そんな中、エリザベス・オコーネルから母親の演劇界のパーティーをエスコートしてほしいと、アーサーとアリステアの二人に依頼が入る。そこで演劇界のさまざまな人間関係を知ったアーサーは圧倒される。その最中、「スパニッシュ・ハーレム」には家出したナタリアを連れ戻すために、家政婦長のマージが乗り込んで来た。自宅に戻りたくないナタリアはトーマスに「どこかに連れていって」と依頼をし、二人は行方をくらますのであった。ゴタゴタの最中、アーサーはベス・シーダーからエリザベスがいるというバーを聞き出し、バーを訪ねたアーサーは、エリザベスに告白をする。「恋人は恋をしている者同士がなるものだから、恋を前提としてお付き合いする」と返答され、舞い上がってしまう。早速アリステアに報告をしたアーサーであったが、アリステアは「エリザベスが損得なしにアーサーと本気で付き合うわけがない」と怒り、真実を知るために「スパニッシュ・ハーレム」を出ていくのであった。

アリステア・アーサー・エリザベスの三角関係(第5巻)

ナタリア・D・オーバーントーマス・ティパートの失踪は、トーマスの実家でナタリアが農業体験をしているだけだったと判明し、事件は解決した。一方でエドワード・フィールディングの元恋人の少年、マイルズが死亡したとの連絡が入る。エドワードは取り乱し、精神的にも肉体的にも追い詰められていく。そしてついに自殺未遂を起こし、アーサー・クレイトンが彼女に付きそう。その日は偶然にもエリザベス・オコーネルとのデートの日でもあり、約束をすっぽかしてしまう。エドワードの看病やエリザベスとの関係が悪化したため、アーサーは劇団の稽古にも顔を出さなくなる。このままではいけないと感じたアリステア・テイトは、エリザベスと話をつけにいく。エリザベスはそんなアリステアがますます気に入り、恋人のような関係になる。しかし、エリザベスはアリステアがアーサーを愛していると気づき、指摘をする。そこではじめてアリステアは「自分は男が好きというわけではないが、アーサーは特別に愛している」と気づく。そしてアリステアはアーサーに告白をするが、突然のことにアーサーは受け入れられずに終わる。しかし、アリステアの心は晴れやかであった。時を同じくして、トーマス・ティパートを尾行していたロナルド・ハービーは、彼が薬物の売買に関わっているのではないかと疑念を抱く。

住民たちの恋の行方(第6巻)

ロナルド・ハービーの想像通り、トーマス・ティパートダッド卿を介して薬物の売買にかかわっていると知ったアリステア・テイトとロナルド。そしてトーマスはナタリア・D・オーバーンのためにも、ダッド卿の支配から抜けようとするのであった。そんな中、エドワード・フィールディングは体調を崩してそのまま亡くなってしまう。セイラ・カニングスは、最期まで自分に気持ちが向かなかった彼を懸命に看取るのであった。エドワードの死にショックを受けるアーサー・クレイトンに対しアリステアは、「一度でいいから抱かせて欲しい」と迫る。しかし、アーサーはアリステアが好きではあるものの、恋心ではないと、受け入れられない。「いつか抱かせてほしい」と告白し、アリステアの恋はひと段落するのであった。そしてエリザベス・オコーネルはアリステアの心がアーサーにあると知りつつも、アリステアを愛している自分に気づき、「いつか自分も抱いて欲しい」と伝えるのであった。そしてダッド卿がかかわる薬物の売買は、アリステアの警察への密告により、壊滅状態になる。薬物にかかわった人物達の内部分裂が起こり、トーマスは激しい暴行を受ける。その時、アリステアとナタリアが力を合せてトーマスを救出し、彼は無事組織から抜け出ることができた。そしてトーマスは実家で農家を継ごうと決意し、ナタリアは「また会いましょう」と、優しくキスをするのであった。落ち着いた日々を送る中、アーサーの実父が倒れたと「スパニッシュ・ハーレム」に連絡が入り、アーサーは急遽帰郷することとなる。見送りに来たアリステアに対し、アーサーは「帰ってくるよ」と優しくキスをするのであった。

登場人物・キャラクター

シャーロット・テイト

第6学年(高校1年生)になったばかりのロンドン出身の少女。周囲からは「シャーリー」と呼ばれている。早くに父親を亡くし、フラット(アパート)「スパニッシュ・ハーレム」経営をしていた母親が他界したため、兄であるアリステア・テイトを連れ戻しにマンチェスターまでやって来た。料理上手で、普段は食の細いアーサー・クレイトンも、シャーロット・テイトが作ったものであればよく食べる。 現在はアリステアと共にシャーロットの母のあとを引き継ぎ、「スパニッシュ・ハーレム」の運営をしている。経営はもちろん「スパニッシュ・ハーレム」にかかわるすべてに対して非協力的なアリステアに対してイライラが募り、つい優しくしてくれるアーサーに八つ当たりをしてしまい、深く反省している。 どんなに酷い態度でも昔からアリステアが大好きで、ほかの女性と仲よくするのを心の底では嫉妬している。正義感が強く曲がったことが嫌いな性格をしており、同年代の男性からは「お高くとまってる」と陰口を叩かれることもある。

アリステア・テイト

シャーロット・テイトの実兄。年齢は18歳。実家は落ちぶれてしまっているものの、男爵の爵位を持っている。ロンドン出身であるが、専門学校に進学するためにマンチェスターで暮らしている。小さな頃から優秀で容姿も整っているので、女性達に人気があった。しかし、シャーロットの母が経営していた「テイト・ホテル」の経営が悪化。 アリステア・テイトの素行も荒れ、希望の大学にも落ちてしまう。そして逃げるように実家から離れ、シャーロットにも一切連絡を取らずにいた。その後は荒れた生活を送っており、いかがわしい場所にも出入りし、その際は「バロン」と名前を変えている。腕っぷしが強く、ケンカで負けたことがない。ロンドンへと連れ戻しに来たシャーロットに対しては「自由でいたい」と断っている。 アーサー・クレイトンと共に暮らしており、ケンカの弱いアーサーを守るため、恋人関係だと誤解されても気にせず、キスマークをつけたりして、アーサーをからかって遊んでいる。アーサーと共にロンドンへと戻り、シャーロットと「スパニッシュ・ハーレム」を経営することになった。 劇場でのバイトを始め、以前より意見をはっきり言うようになったアーサーに食ってかかることが多くなり、もしかして自分はアーサーが好きなのではないかと悩み始める。「スパニッシュ・ハーレム」の経営者になったあとも素行が悪く、シャーロットが困っていても基本は手を貸さずに遊んでいるだけである。

アーサー・クレイトン

アリステア・テイトと同棲している少年。年齢は17歳。周囲にはアリステアの恋人ということになっているが、ケンカの弱いアーサー・クレイトンを守るためにわざと誤解させているだけであり、正式な恋人ではない。おとなしく、いつもオドオドとしているので、不良達からは「しょうが頭」と呼ばれてからかわれ、「ジンジャー」という愛称で呼ばれている。 低血圧で朝早く起きられないため、アルバイトをしてもすぐにクビになってしまうほど要領が悪い。弱いところばかりが目に付くが、優しい性格の持ち主で、母親を亡くして落ち込むシャーロット・テイトに声をかけるなど、何かと気遣っている。代々軍人の家系であり、演劇の世界で生きていきたいと父親に打ち明けたところ、もともと折り合いが悪かった父親から、殴る蹴るの激しい暴力を受けたために家出をした。 アリステアに誘われ、シャーロットと共にロンドンの「スパニッシュ・ハーレム」で暮らすようになった。その後、エドワード・フィールディングから劇場の雑用バイトを紹介されて働いていたところ、エリザベス・オコーネルから劇団員の欠員を埋めるかたちで舞台に立たないかと誘われる。 舞台に立つ快感が忘れられなくなり、本格的に役者を目指し始める。

エリザベス・オコーネル

劇団で主演を務める女優。年齢は19歳。周囲からは「リジー」と呼ばれている。美しい容姿と高い演技力、そして著名な舞台演出家と女優のあいだに生まれたサラブレッドであり、劇団内では女王様扱いされている。主演舞台で劇団員に欠員が出た際、偶然雑用アルバイトをしていたアーサー・クレイトンに目を付け、推薦をした。非常に気の強い性格で、努力家でもある。 舞台の完成度を高めるためならば人の心も利用し、自分に恋する役柄であるアーサーを本気にさせて翻弄している。これまでも何度も同じ手を使って共演者をその気にさせており、界隈では「手段を選ばない恐ろしい女」として有名。ただし、そのことについてはエリザベス・オコーネル自身も罪悪感を抱いており、舞台の本番前には、過去を思い出して「絶対に失敗できない」と震えが止まらなくなっている。 アーサーを心配して訪ねて来たアリステア・テイトの気の強さと育ちのよさを気に入り、以降仲よくしている。

エドワード・フィールディング

同性愛者の男性。フラット(アパート)「スパニッシュ・ハーレム」に入居したいとやって来た。年齢は23歳で、ロンドン大学の文学部に所属している大学院生。年齢のわりに落ち着いており、初対面のアーサー・クレイトンが思わず年齢確認をしてしまったほど。内見を依頼した際、シャーロット・テイトが外出中であったため、代わりに応対したアーサーを一目で気に入り、以降何かとかかわりを持とうとしている。 その後、アーサーにエリザベス・オコーネルの劇団の雑用アルバイトを紹介した。かつて、交際していた少年、マイルズを、心変わりして裏切り、彼が刃傷沙汰の事件を起こすきっかけを作った。アーサーが気になるのは、どことなく彼がマイルズに似ているためである。 また、スレイトから、過去の事件を周りに暴露すると脅されており、さまざまなストレスから身体を壊している。

トーマス・ティパート

フラット(アパート)「スパニッシュ・ハーレム」に住む少年。年齢は17歳。自らを「T・T」と名乗り、周囲からもそう呼ばれている。人懐っこく明るい性格の持ち主。髪の毛を四方に逆立てたパンクファッションを好んでいる。実家は農家であり、自身も農業系の大学に通っている。「スパニッシュ・ハーレム」にやって来た同じ年のアーサー・クレイトンに親近感を抱き、友情を育んでいるものの、ポーカーのカモにしようとしている節もある。 アリステア・テイトは怖いから苦手としている。「スパニッシュ・ハーレム」への道を聞いてきたナタリア・D・オーバーンに一目惚れをする。

ロナルド・ハービー

フラット(アパート)「スパニッシュ・ハーレム」に住む男性。年齢は20歳。芸術系の大学に通っており、ミステリアスな雰囲気を漂わせている。身長は2メートルと非常に大柄で、オス猫、ブランシュと暮らしている。美術雑誌に評論を寄せるなど、学生でありながらも有名な存在である。性格につかみどころがなく、アリステア・テイトが苦手としている人物でもある。 洞察力に優れており、エドワード・フィールディングがアーサー・クレイトンに好意を抱いている事実に最初に気づくなど、「スパニッシュ・ハーレム」内の人間関係を熟知している。ナタリア・D・オーバーンは実妹である。

ナタリア・D・オーバーン

フラット(アパート)「スパニッシュ・ハーレム」に住むロナルド・ハービーを訪ねてやって来た少女。年齢は16歳。まるでフランス人形のような可愛らしい容姿をしている。生粋のお嬢様であり、世間知らずなところがある。そのため、大胆でストレートな性格の持ち主でもある。ハービーの恋人だと言ってやって来たものの、実際には実妹。 兄であるハービーを愛しており、彼を追うように「スパニッシュ・ハーレム」へと入居した。初めて「スパニッシュ・ハーレム」を訪ねる際、道に迷ってしまったため、偶然外にいたトーマス・ティパートに話しかけ、一目で好意をもたれている。実家が農家で野菜に詳しいなど、自分の知らないことを知っているトーマスに懐いている。

セイラ・カニングス

フラット(アパート)「スパニッシュ・ハーレム」に住む少女。年齢は17歳。くせ者ばかりの「スパニッシュ・ハーレム」において、唯一のまともな人物。可愛らしい容姿をしており、明るく真面目で素直な性格。大学で文学を専攻しており、成績優秀である。同じ文学好きのエドワード・フィールディングに親近感を抱き、片想いをしていたが、彼がスレイトに脅されてキスをしている場面を偶然目撃してしまい、失恋した。 しかしその後も体調を崩したり、深酒をして倒れたりするなど、自暴自棄な行動をしているエドワードに対し、献身的に尽くしている。

アリス・ドーヴル

フラット(アパート)「スパニッシュ・ハーレム」に住む女性。年齢は20歳。リサ・メイプルの同居人である。一見遊び慣れた娼婦風の外見であるが、男性関係は至って真面目である。リサと月ごとに交代で家賃を払う約束をしているものの、何度もその約束を破られて困っている。ブライアン・ホリーに、暗に身体の関係をもてば家賃を貸してやると誘われているが、「男に金を借りるとろくでもないことになる」と毅然とした態度で断る。

リサ・メイプル

フラット(アパート)「スパニッシュ・ハーレム」に住む女性。年齢は20歳。アリス・ドーヴルの同居人である。派手な外見をしているかなりの遊び人で、金銭面は非常にルーズ。ドーヴルと月ごとに交代で家賃を払う約束をしているものの、何度もその約束を破っている。男性の家に入り浸っており、「スパニッシュ・ハーレム」にもあまり帰って来ない。

ブライアン・ホリー

フラット(アパート)「スパニッシュ・ハーレム」に住む男性。年齢は20歳。アリス・ドーヴルを狙っており、家賃が払えなくて困っているドーヴルに、暗に身体の関係を持てば家賃を貸してやると誘っている。ただしそれは好意を抱いているアリスを口説くためでもあり、他の人には面倒見のいい人物として知られている。「スパニッシュ・ハーレム」には自慢のオウムといっしょに住んでいる。

ピーター

アリステア・テイトの行きつけのバーで、バーテンダーとして働く少年。年齢は18歳。明るく話し上手である。同性愛者を公言しており、アーサー・クレイトンとの関係に迷ったアリステア・テイトから、男同士の恋愛とはどのようなものなのかと、質問を受ける。

スターキー

アリステア・テイトがロンドンにいた頃の悪友。異常にノリが軽い少年。マンチェスターから戻って来たアリステアと行動を共にし、アーサー・クレイトンを交えて夜遊びをしている。

イブリン

アリステア・テイトがロンドンにいた頃の悪友。スタイル抜群のセクシーな女性。アリステアが落ち込んだ時だけ電話してくる、という都合のいい存在に甘んじているが、イブリン自身も、男性とのそういった関係を楽しんでいる。

マイルズ

エドワード・フィールディングの元恋人の少年。年齢は16歳。もともとは同性愛者ではなかったものの、エドワードを好きになり、恋人同士となった。幸せな交際をしていたが、エリザベス・オコーネルに恋をしたエドワードに裏切られてしまう。この時、激しく傷ついたマイルズが、エドワードを切りつけようとして、逆に自分の手首を深く切ってしまう事件を起こした。 エドワードと別れたあとは自暴自棄になり、不特定多数の男性と身体の関係を持っていた。それによりエイズに感染し、そのまま死去してしまう。

スレイト

エドワード・フィールディングに好意を寄せている同性愛者の男性。エドワードが過去の恋人、マイルズを裏切り、刃物沙汰のうえにエイズ感染の原因を作った事実を周囲に暴露すると脅し、自分の恋人になるように迫る。

ベス・シーダー

エリザベス・オコーネルの付き人を務める女性。エリザベスが世界で最も信用している人物でもある。エリザベスとは10年来の付き合いがあり、3年間いっしょに住んでいる。女王様のような振る舞いをしているエリザベスに対して、苦言を呈することのできる唯一の人物でもある。エリザベスには男性は必要ないと考えているが、アーサー・クレイトンならば害がなさそうだし、芸の肥やしにもなるだろうという理由から、彼に対してのみ好意的。 逆にアリステア・テイトは、悪影響を与えそうだと嫌っている。ちなみに、もともとはエリザベスの一ファンであった。

マージ

ナタリア・D・オーバーンが住む屋敷で家政婦長をしている高齢の女性。ナタリアが家出をして兄、ロナルド・ハービーの住む「スパニッシュ・ハーレム」を訪ねて来た。大変厳格な性格であり、ナタリアのようなお嬢様が「スパニッシュ・ハーレム」のようなフラット(アパート)に滞在している事実が許せず、住民ともかかわってほしくないと思っている。

ダッド卿

ロンドンでは有名な金持ち。絵画や劇など芸術を愛しており、パトロンとしてさまざまな人や集団に寄付をしている。表向きは善人を装っているが、裏ではコカインなど薬物密売の元締めをしている。トーマス・ティパートのような何も知らない若者を巻き込んで、いつの間にか薬の密売をさせ、組織から抜けられないようにしている。

シャーロットの母

シャーロット・テイトとアリステア・テイトの実母で故人。夫が早くに亡くなり、二人の子供を女手一つで育ててきたものの、経営していた「テイト・ホテル」の経営が悪化している。辛い現実から逃げるためにアルコールと男に逃げ、その結果、さらにホテルの経営は傾き、従業員を雇う金も尽きて、ホテルはフラット(アパート)「スパニッシュ・ハーレム」になってしまった。 その後の生活はますます荒れ、恋人とセックスをしている最中に心臓発作を起こし、そのまま亡くなってしまう。

ブランシュ

ロナルド・ハービーの愛猫で、黒猫のオス。ハービーにとてもよく懐いているが、それ以外の人や物に対してはいたずらをすることも多い。

場所

テイト・ホテル

シャーロット・テイトの住む、ロンドンでは有名なホテル。シャーロットの父親が経営していたが、彼の死後、シャーロットの母が経営を引き継いだ。その後、経営状態が悪化して従業員を雇う資金もなくなり、フラット(アパート)になってしまった。その際に名前を「スパニッシュ・ハーレム」と改めた。

スパニッシュ・ハーレム

かつてテイト・ホテルだったフラット(アパート)。テイト・ホテルの経営悪化に伴い、ホテル業をやめてフラットとして営業を開始し、同時に名称も「スパニッシュ・ハーレム」と変更された。シャーロットの母がアルコールと男におぼれて管理を放置していたので、住民の質はよくない。シャーロットの母が死去したあとは、アリステア・テイトが経営者となり、シャーロット・テイトが運営を担う。 アーサー・クレイトンも「スパニッシュ・ハーレム」に住みながら、時々シャーロットの手伝いをしている。現在は経営者・運営共に10代であるため、トラブル防止のためにも、居住者は年の近い25歳以下と決めている。

書誌情報

スパニッシュ・ハーレム 全6巻 角川書店〈あすかコミックス〉 完結

第1巻

(1989年1月発行、 978-4049240795)

第2巻

(1989年5月発行、 978-4049240962)

第3巻

(1989年10月発行、 978-4049241181)

第4巻

(1990年4月発行、 978-4049241563)

第5巻

(1990年7月発行、 978-4049241761)

第6巻

(1990年11月発行、 978-4049241990)

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