概要・あらすじ
メキシコで暮らす日系2世の少年・岡崎タブロは、馬に乗って遠出している途中で崖から落ち、足を怪我して動けなくなってしまう。そこでタブロは、落ちた時に崩れた石の下敷きになっていたサボテンに語りかけられ、サボテンを助けた代わりに自分も命を救われる。タブロはサボテンをノーチェスと名付けて特別な絆を結ぶが、父親の転勤で日本へ行くことになり、離ればなれとなる。
タブロは昔から日本への憧れを抱いていたものの、実際の日本での生活は周囲から苛めを受けるという辛いものだった。一方でノーチェスはタブロに会うために、メキシコから何万キロも離れた日本を目指し、長い長い旅に出る。
登場人物・キャラクター
岡崎 タブロ (おかざき たぶろ)
日系2世の少年。15年前に仕事でメキシコを訪れた父親の岡崎と、彼が現地で結婚したインディオ女性の間に生まれ、以降ずっとメキシコで育った。馬に乗って遠出した時に崖から落ち、死にそうになっていたところ、不思議な力を持つサボテンに助けられ、「ノーチェス」と名付ける。父親の祖国である日本に憧れており、東京の本社へ戻る父親に付いて行ったが、周囲になじめずに苦しんでいる。
ノーチェス
崖から落ちて倒れていた岡崎タブロに語りかけたサボテン。タブロが落ちた時に崩れた石の下敷きになっており、タブロに石をどけてもらったことに恩義を感じ、好意を抱くようになる。食べ物も飲み物もない状態で救助も来ず、命の危機に瀕していたタブロに、自らの体を削って体内の水を与えた。タブロが日本へ行ってしまい離ればなれになってからは、長い旅をして彼の後を追う。
岡崎 (おかざき)
岡崎タブロの父親。メキシコのディアス・タルデス市にある日本の商社の支店長として赴任して来た男性。現地のインディオ女性と結婚し、タブロをもうけた。東京の本社に呼び戻されたものの、海外赴任している間に変わってしまった会社の状況について行けず、今では窓際に追いやられている。