メッシュ

メッシュ

父親に反発して家出をし、ギャングの間で暮らしていた少年メッシュは、偶然が重なり贋作画家のミロン・ファレルと同居を始めるようになる。中世的な容姿のメッシュは様々なトラブルを呼び込むが、ミロンとの友情を深める中で、次第に精神的自立への道を見出していく。基本的に一話完結の読みきりによる連作シリーズ。中にはセリフがほとんどないものなど、実験的な手法を使った回もある。

正式名称
メッシュ
ふりがな
めっしゅ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

パリに住む贋作画家のミロン・ファレルは、ある夜ギャングのボス・バンの制裁で腕を折られた少年メッシュを拾う。アパートの階下に住む医師ルイ・シラノに診せ、面倒を見ているうちになんとなくふたりの同居生活が始まった。メッシュと生活するうちにミロンは、普段は感受性豊かなメッシュが、父であるギャングの大ボスジャン・サムソン・ホルヘスのことになると激しい怒りと殺意を現すのを知る。

登場人物・キャラクター

フランソワーズ・マリー・アロワージュ・ホルヘス

女性名で中性的な容姿を持つ少年。金髪だが、前髪の両サイドが銀髪となっているため、メッシュと呼ばれている。銀髪は12歳の頃から出てきた天然の地毛。17歳。ギャングの大ボスである父ジャン・サムソン・ホルヘスと、母マルセリーナはすでに離婚している。12歳まで寄宿舎にいたがその後サムソンのオルレアンの家に引き取られる。 しかし父への反発から14歳で家出をし、15歳ごろからドルーなどギャングの下っ端をやっているチンピラの間で生活をしていた。容姿から女性に間違えられることも多く、本人も女性の振りをすることに抵抗がない。性自認が不安定であるという自覚はある。

ミロン・ファレル

パリに住む贋作画家。ユトリロやシャガールなど、様々な画家の作品のの贋作を描き、贋作専門の画廊に下ろしている。多少癇癪持ちで気分にムラがあるタイプだが、空気を読むのがうまいメッシュとは問題も少なく、概ね平穏な同居生活を送れている。異性愛者だが、メッシュの言動のせいで同性愛カップルに見られることが多く困っている。

ジャン・サムソン・ホルヘス

メッシュの父親。パリのギャングに絶大な影響力を及ぼす、大ボス的な存在。メッシュの母親であるマルセリーナと結婚する前から、現在の妻であるエーメ・ホルヘスを恋人にしていたが、エーメが子供が生めない体質であることから、マルセリーナと結婚。メッシュが2歳の時にマルセリーナが別の恋人とかけおちをしたことから、メッシュを山奥の寄宿舎に預けて顧みることをしなかった。 しかしメッシュ12歳の時に、父方の遺伝である銀髪が生えてきたことから、実の息子であるという確信を持ち、手元に引き戻した。

エーメ・ホルヘス

ジャン・サムソン・ホルヘスの現在の妻で、メッシュにとっては義母にあたる女性。子供を産めない体質で、3人の養女を迎えている。家出をしたメッシュを心配し、折に触れてメッシュの同居人であるミロン・ファレルの元を訪れては、様子を聞いたり仕送りを渡したりしている。

ドルー

パリのギャングのボス・バンの片腕。泥棒をして捕まりリンチを受けていたメッシュを助け、そのまま家に住まわせていた。メッシュがバンのボスであるジャン・サムソン・ホルヘスの「お気に入り」であると勘違いし、その伝手を利用して下克上を企むが、それが露見してバンに始末される。

バン

パリのギャング。ドルーのボス。さらに上のルートを管理しているジャン・サムソン・ホルヘスの下請けのような立ち位置。ドルーの反逆に気付き、見張りをつけていた。

カティ

ジュジュの友人。背が高く大柄な体格で、男性風の服装をしていたため、メッシュから最初男性と間違えられていたが、女性。ジュジュとはローザンヌの小学校からの付き合い。穏やかな性格で、洞察力に優れている。出版関係の仕事をしている。メッシュを経由してミロン・ファレルと出会い、恋人として付き合うようになった。

ジュヌヴィエーヴ・クールトワ

ローザンヌ出身の元歌手の女性。酔っ払って公園で歌っていたところをメッシュと出会い、友人となる。最初はメッシュを女性だと勘違いしていた。一年前にローザンヌのコンクールで入賞し、ラジオなどでも歌がよく流れたが、恋人であったジュノーの言葉に傷つき、歌わなくなってしまった。友人のカティのところへ居候している。

ジュノー

ジュジュの元恋人の男性。ローザンヌでカルテットのセロ弾きをしている。ジュジュに歌を教えたが、彼女がコンクールで入賞し、成功して自分から離れていくのではないかと不安になる。

ルイード・ルビエ

メッシュの母マルセリーナがジャン・サムソン・ホルヘスと離婚した後に再婚したルビエの連れ子。メッシュにとっては義兄にあたる。雑誌に偶然載ったメッシュがモデルをしている写真を見て、パリのメッシュを尋ね、マルセリーナの故郷聖モーゼルへと連れて行く。幼い頃からマルセリーナに「娘」の話を聞かされていたため、メッシュを女性だと思い込んでいた。

マルセリーナ

メッシュの母親。メッシュが2歳の時、別の男性と駆け落ちをしてジャン・サムソン・ホルヘスとは離婚。故郷聖モーゼルに戻って幼馴染のルビエと再婚する。体が弱く、また精神失調を起こしており、メッシュを知らない娘だと思いこんだり、12歳で死んだ弟だと思いこんだりし、自分の息子であるという認識を持たない。

ルビエ

メッシュの母マルセリーナの再婚相手。初老の男性。マルセリーナとは聖モーゼルでの幼馴染だった。マルセリーナの精神状態をよく理解している。ジャン・サムソン・ホルヘスの家ともつながりがあり、エーメ・ホルヘスにメッシュが聖モーゼルの家に来ていることを伝えた。

アラン

メッシュの祖父。聖モーゼルに住んでいる。マルセリーナとは縁を切った状態にあるため、街の神父に連れられてきたメッシュを一度は拒むが、深夜に足をくじいたメッシュを助け、それ以降は親しく接するようになる。

ルイ・シラノ

メッシュとミロン・ファレルが暮らすアパートの階下で医師をしている初老の男性。メッシュの骨折した腕を治療するなど、何かとメッシュとミロンの世話を焼く。

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