スライムドーン!!

スライムドーン!!

しずく型で弾力のある身体を持つスライムのスラヨンと、億万長者になってモテモテになるのを夢見る青年、ゼニまるを主人公にしたコミカルな冒険物語。「最強ジャンプ」2016年7月号掲載分と、「Vジャンプ」2016年2月号から連載の作品。

正式名称
スライムドーン!!
ふりがな
すらいむどーん
作者
ジャンル
ファンタジー
関連商品
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概要・あらすじ

昔々あるところで、スラヨンゼニまるは億万長者を目指して旅を続けていた。彼らはお宝を探して山賊ウルフやランプの魔神と戦うが、手にするものはレプリカのいなずまの剣や伝説のアイテム・ラーの鏡に似たヲーの鏡だったりと、成果はいまいち。戦うたびに機械鎧勇機の力を借りるため、むしろ赤字になる事の方が多いくらいだった。

しかも、かつてゼニまるとパーティを組んでいた青年、ディネーロが、スラヨン達の宝探しの邪魔をしようと、宝石獣を使って攻撃を繰り返す。そんな旅の途中、ゼニまるはモンスターに襲われていたところを女戦士のアスケシュに助けられ、湖の古城へ向かう旅に同行する事となる。実はアスケシュは、コネセロの依頼でボヤークなる人物を探しており、そのボヤークは湖の古城を守るメドーサボールによって、その近くで下半身を石化させられた状態になっていた。

そしてボヤークは、「絶対にコネセロに渡さないでくれ」と言い残し、アスケシュに黒い石を託すのだった。こうしてスラヨン達は、黒い石を巡る騒動に巻き込まれていく事となる。

登場人物・キャラクター

スラヨン

ゼニまると旅を続けている、しずく型で弾力のある身体を持ったモンスター。種族は「スライム」。丸いつぼ型の胴部に平らな両手の付いた浮遊する機械に乗っており、全長はゼニまるの半分くらい。調子に乗りやすいゼニまるを煽って、敵と戦う気力を高める盛り上げ上手な性格。乗っている機械は、お金を入れる事で大型化し、古代の勇者が使っていた機械鎧勇機に変化する事が可能。 戦闘時には、この機械鎧勇機をゼニまるが身にまとって戦う事となる。ちなみに変身時間は、10ゴールドにつきたったの1分なため、お金を貯めたいゼニまるは使うのを躊躇する事も多い。情報通で、独自に仕入れた情報をゼニまるに提供して旅を誘導し、戦闘が発生すると、密かに討伐モンスターの記録をノートにつけているなど、どこかゼニまるを利用している節が見受けられる。

ゼニまる

スラヨンと旅を続けている青年。中央の尖った帽子をかぶり、ゴーグルのような円形が二つ並んだ飾りを額に付けている。陽気でさっぱりした性格だが、後先を考えないところがある。スクーターに似た機械、ノリモに乗り、いつか億万長者になってモテモテになる事を夢見て、お宝を求めて世界を旅している。仲間のスラヨンが乗っている機械鎧勇機を身にまとって戦うと、無敵の強さを誇る。 しかし、1分使うのに10ゴールドと高額のお金を必要とするため、戦闘のたびにお金を使うかどうか頭を悩ませている。

ディネーロ

ゼニまるとスラヨンを敵視している青年。ちなみにその理由は、彼らがディネーロの狙う宝を先回りして入手してしまうため。牛のような角を2本生やしているが、左側の角は先が欠けている。連れている鳥のパクポンに宝石を食べさせる事で、宝石獣を呼び出して戦わせる事ができる。かつてゼニまるとパーティを組んでいた事もあるが、その時はすぐ解散してしまっている。 当時は宝石獣を使う事はできず、腕力でもゼニまるに敵わなかった。

パクポン

ディネーロと行動を共にしている鳥。頭のてっぺんに3本に分かれた突起が立っている。普段はディネーロの肩に乗っており、彼に宝石を与えられるとすぐさま卵を産み、その卵から宝石獣が孵(かえ)る。なお、宝石獣は倒されると元の宝石に戻る。

アスケシュ

かつて、ゼニまると共に旅をしていた若い美人女戦士。モンスターに襲われていたゼニまるを助けた事で再会し、以後は再び行動を共にする事となった。ビスチェ型のトップスの右肩に肩あて、左手に手甲を付け、腰当のある鎧をまとっている。髪型は外はねのボブヘア。男勝りな性格で、手鏡など化粧道具はいっさい持ち歩いていない。またカッとなりやすく、すぐに手が出る性質で、スラヨンにゼニまるの元彼女かと早合点された際には、即座にひのきのヌンチャクでスラヨンが歪むほどの打撃を叩き込んだ。 胸の谷間にアイテムを保管しておく癖があり、よくゼニまるをぎょっとさせている。スラヨンからは「アスケツ」と呼ばれている。

コゼニ

ゼニまるの知人の若い女性。ディネーロから財布を盗み、追いかけられてゼニまるに助けを求めた。眼鏡をかけ、ブラトップに太目のパンツを身につけている。また、後頭部の左右に丸い垂れ耳のようなかたまりがあり、しっぽもある。機械が好きで、ゼニまるのノリモのメンテナンスを請け負っている。スラヨンの乗っていた機械を見たいがために初対面のスラヨンを振り落としたりと、機械がからむと周囲が見えなくなるところがある。 牢屋の見張りから鍵をこっそりくすねるといった、手癖の悪い特技も持つ。アスケシュの胸の豊かさに初対面で対抗意識を燃やし、オンナの色気はくびれとヒップで決まると力説するなど、自分のスタイルに自信を持っている。

山賊ウルフ (さんぞくうるふ)

左目に傷があり、隻眼で狼に似た二足歩行のモンスター。「山賊のアジト」と看板を出した自身の洞穴で寝ていたところ、ゼニまるとスラヨンに勝手に入って来られて家探しされた。しけたアジトだとゼニまるにバカにされ、戦いを挑んだが機械鎧勇機に変化したスラヨンとゼニまるをかっこいいと絶賛し、強さにも感服していなずまの剣を差し出した。

ランプの魔人 (らんぷのまじん)

伝説の秘宝があるというスラヨンの案内で、ゼニまるが探索に入った遺跡にいたモンスター。ターバンを巻き羽根飾りのようなものを額につけ、チョッキを着てハーレムパンツを穿いた恰幅のいい男性の見た目をしている。あからさまに怪しい誘い文句を書いた張り紙を遺跡中に貼って奥へ誘い込み、1ゴールドを手に取らせる罠を仕掛けて待ち構えていた。 ゼニまるとスラヨンは怪しい罠に100年ぶりに引っかかり、ランプの魔人は二人を食べようと、「バギクロス」や炎を吐く攻撃で襲い掛かるが、機械鎧勇機に変化した二人に敗れ、ヲーの鏡を奪われた。

ドラゴン

ゼニまるの倍以上の大きさのモンスター。尖った2本の角に鋭い爪のある4本の手足、長い尾を持つ。ゼニまるとスラヨンの旅の途中で、魔物の巣穴の中で女性のモンスターを食べようとしていた。悲鳴を聞きつけ、美女を期待したゼニまるとスラヨンは魔物の巣穴に飛び込んだ。しかし、ドラゴンが左手に握っていた女性モンスターは、たらこ唇にぼつぼつと斑点のある肌をした魅力を感じない外見だったため、ゼニまるは回れ右をして帰ろうとした。 が、ドラゴンは、お宝があるかも知れないと思い直した二人が変化した機械鎧勇機に倒され、はがねの剣を奪われた。

メドーサボール

湖の古城に生息するモンスター。お宝を探しに城を訪れたゼニまるとスラヨン、コネセロの依頼で人探しに来たアスケシュらに攻撃を仕掛けて来た。一つの大きな目の周りに牙のある蛇を10以上も生やした球状のモンスターで、目が合ったものを石化させる。スラヨンが変化してゼニまるがまとった機械鎧勇機と戦って1分で倒され、超古代文明の利器・銃を奪われた。

ボヤーク

アスケシュに帝国軍の兵士と判断された壮年の男性。八の字髭を蓄え、顔の上半分を覆う形の兜をかぶっている。湖の古城内部で、コネセロの依頼を受けて探しに来たアスケシュに、メドーサボールにより下半身が石化された状態で発見された。手のひらサイズの小箱に入った黒い石を、コネセロに渡さないでほしいとアスケシュに言い残して託し、石化してしまった。

コネセロ

アスケシュにボヤークの捜索依頼をした存在だが、その姿を現してはいない。アスケシュは依頼に従ってボヤークを見つけ出したが、ボヤークから黒い石をコネセロに渡さないでほしいと託されてしまう。黒い石に関して調べを進めたアスケシュが、これがコネセロか帝国軍に渡れば世界の破滅につながると知り、ゼニまるに黒い石を隠す事を依頼。 そのため、コネセロは黒い石を得る目的で三人の部下を新たに派遣した。

マクラクラン将軍 (まくらくらんしょうぐん)

ノガルド帝国の竜帝に仕える将軍で、壮年の男性。二足歩行をし、頭部はカエルそっくりなキャラクターで、竜帝が技術を独占し、私腹を肥やすために稼働している、落雷の電力を直に蓄積して使う電池の生産工場を任されている。重要なアイテムの黒い石の捜索に出した兵は戻らず、またゼニまるとスラヨン、コゼニに泥棒に入られて電池製造機も壊されてしまったが、その失態を竜帝に隠そうとした。

竜帝 (りゅうてい)

ノガルド帝国を統治する支配者。部下にマクラクラン将軍、および多数の兵士からなる帝国軍を抱える、軍事国家を統べる君主。武力で抑えつける圧政を敷いており、民衆を苦しめている。ノリモの動力など、民の暮らしに使用される電池を産み出す技術を独占し、私腹を肥やしている。

ハバリ

ゼニまるやスラヨンにさまざまな情報を提供する情報屋の男性。二足歩行で、狐のような三角形の耳のあいだにランダムに跳ねさせた一塊の髪があり、右目の上に十字型の傷を持ち、つねに平べったい棒アイスの芯のようなものを咥えている。ゼニまるやスラヨンからは、名前ではなく「情報屋」と呼ばれている。黒い石を隠してほしいと、ゼニまるがアスケシュから依頼を受けた時、詳細な情報の入った地図を用意し、女の依頼には丁寧だとゼニまるを怒らせた。 ほとんど表情を変えず、淡々と喋る落ち着いた性格をしている。

地獄の騎士 (じごくのきし)

ゼニまるとスラヨンがアスケシュの依頼で黒い石を隠すために入った洞窟で眠っていた男性のモンスター。人体の骨格に三対の腕を持ち、肩あてと兜を身につけ、剣は4本、楯は2枚持っている。攻撃力も守備力も高く、二人を追い詰めたが、機械鎧勇機に変化したのを見た途端に降伏した。降伏の際に、約1000年前に勇者と戦って敗れた過去を語り、ゼニまるを勇者の末裔と呼んだ。 ゼニまるに黒い石を守るように頼まれ、それを快諾する。

集団・組織

帝国軍 (ていこくぐん)

ノガルド帝国の兵士達。頭部の上半分を覆う竜を模した兜を身につけ、胴当てと腰部分をカバーする三つに分かれた垂れのついた鎧を身につけている。みんな同じ装備をしているのが特徴の集団。

場所

ノガルド帝国 (のがるどていこく)

竜帝が統治する軍事国家。帝国軍を従え、民衆に対して武力で圧政を敷いている。首都からはるか遠くの辺境の地方で暮らすゼニまるやスラヨン達にはあまり影響はなく、関係のない事として過ごしていた。

湖の古城 (みずうみのこじょう)

湖の真ん中に位置する城。ゼニまるとスラヨンは宝を探しに、アスケシュはコネセロから受けたボヤークなる人物の捜索に、それぞれ訪れた。メドーサボールが生息している。荒れ果てており、中にはのけ反ったり口を覆って驚いたような姿勢の石像が多く置かれていた。これらはメドーサボールと目が合い、石像化されてしまった人達。

その他キーワード

機械鎧勇機 (ましんゆうき)

古代の勇者が使っていた機械の鎧。スラヨンが乗っている機械部分にお金を入れる事により変化する。変化する前の数倍の大きさの、逞しい見た目の鎧で、ゼニまるはこれをまとって戦う。変化終了時には「勇機凛臨(ブレイブマシン・クドゥタガン)!!」の決め台詞と共にポーズを決めている。強力な闇の魔法「ドルモーア」を受けても無傷で済む守備力を持ち、肘打ちの攻撃「天肘(ヘブンズ・エルボー)」は、キラーマシンには効かなかったが、それ以外には一撃必殺の攻撃力を誇る。 一旦変化が解除されると、続けては使用できない弱点もある。だが10ゴールドにたった1分しか変化できないため、お金を1ゴールドも無駄にしたくないゼニまるは、いつもお金を使うかどうかを悩む。 スラヨンは何分あれば倒せるかを予め告知するが、その見込み時間よりも短く敵を倒せる事もあり、その都度ゼニまるは、使ったゴールドがあれば何ができたかを悔やんでいる。

いなずまの剣 (いなずまのけん)

ゼニまるが最初に戦った相手、山賊ウルフから貰った剣。刀身にはソリがあり、凝った装飾が施されている。ゼニまるは伝説のローレシア王子が使っていた愛剣だと喜んだが、町の鑑定屋の鑑定で、多数出回っているレプリカ品だった事が判明した。買い取り価格は3ゴールドだった。

はがねの剣 (はがねのつるぎ)

真っ直ぐな刀身の両刃の剣。ゼニまるがドラゴンと戦った魔物の巣穴にあった宝箱から入手した。伝説の武器などではないが、店で1500ゴールドくらいで売られている高級品。入手した後に、旅人のバザー会場で半額の750ゴールドで売ろうとしたが、ディネーロに妨害されて売れなかった。

ヲーの鏡 (をーのかがみ)

ゼニまるがランプの魔神と戦った遺跡の宝箱から入手した鏡。円形の鏡で、中央の鏡部分の周囲を囲むように文字が描かれている。伝説の秘宝「ラーの鏡」かと喜び勇んで町の鑑定屋に持ち込んだが、類似品のヲーの鏡だった。しかし、買い取り価格は70ゴールドと予想よりも高かった。

超古代文明の利器・銃 (ちょうこだいぶんめいのりきじゅう)

ゼニまるがメドーサボールと戦った湖の古城の宝箱から入手した。初めて目にしたゼニまるが、見た目で「刃の折れた剣」だと判断した通り、伏したお椀型の部分の中央に筒があり、その下に持ち手部分のある手のひらサイズのアイテム。買い取り価格は10ゴールドと、予想よりも低額だったため、ゼニまるが持ち歩く事になった。電池式で、電池を入れた事で使えるようになり、発した光線で、ゼニまるの背丈くらいの岩を破壊する威力を示した。

宝石獣34号

パクポンの卵から孵ったモンスター。ディネーロがゼニまるとスラヨンを倒すため使役しようと、手持ちの宝石を連れの鳥、パクポンに食べさせて卵を産ませた。ちなみに「宝石獣」と書いて「カーバンクル」と読む。ゼニまるやスラヨンと一番最初に戦わせた、て額に宝石の付いた「ギガントドラゴン」。一本角で小さな翼があり、長い爪のある手足を持つ。 ゼニまるとスラヨンを一撃でなぎ倒したが、機械鎧勇機のエルボーアタック「天肘」で倒されて宝石に戻った。

宝石獣72号

パクポンの卵から孵ったモンスター。ディネーロが、ゼニまるとスラヨンを倒すため使役しようと、手持ちの宝石を連れの鳥、パクポンに食べさせて卵を産ませた。ちなみに「宝石獣」と書いて「カーバンクル」と読む。ゼニまるやスラヨンと2番目に戦わせた、額に宝石の付いた「ブラウニー」。体はスラヨンと同じくらいに小柄だが、大きな木槌を持つ。 つうこんの一撃を繰り出してゼニまるやスラヨンをダウンさせたが、機械鎧勇機のエルボーアタック「天肘」で倒されて宝石に戻った。

宝石獣78号

パクポンの卵から孵ったモンスター。ディネーロが、ゼニまるとスラヨンを倒すため使役しようと、手持ちの宝石を連れの鳥、パクポンに食べさせて卵を産ませた。ちなみに「宝石獣」と書いて「カーバンクル」と読む。ゼニまるやスラヨンと3番目に戦わせようとした、額に宝石のついた巨躯の魔物「ボストロール」。ボスだから人の命令は聞かないと、ディネーロに逆に肩を揉ませた。 凸凹と突起の多いこん棒を振るってゼニまるやスラヨンをダウンさせたが、機械鎧勇機のエルボーアタック「天肘」で倒されて宝石に戻った。

宝石獣45号

パクポンの卵から孵ったモンスター。ディネーロが、ゼニまるとスラヨンを倒すため使役しようと、手持ちの宝石を連れの鳥、パクポンに食べさせ卵を産ませた。ちなみに「宝石獣」と書いて「カーバンクル」と読む。ゼニまるやスラヨンと4番目に戦わせた。額に宝石のついた「ゲルバトロス」。三つ目で鳥の翼を持ち、鋭い爪のある両手と獅子のような下半身をしている。 強力な闇魔法「ドルモーア」を使う。だが機械鎧勇機には効かず、エルボーアタック「天肘」で倒されて宝石に戻った。

ノリモ

ゼニまるが乗っているスクーターのような形をしたもの、アスケシュが乗っている丸い鳥の頭部から大きな足が2本生えているもの、コゼニが乗っている車輪が両脇に二つついた車のような形のものが、ノリモと呼ばれている。ゼニまるのものはアスケシュに「機械のノリモ」と呼ばれ、アスケシュのノリモは一度帝国軍に捕まりそうになった時に、森にアスケシュ自身が放したが戻って来た。 再会を喜ぶアスケシュ達を見て、機械好きなコゼニは、生き物をノリモにする事自体に驚いていた。

黒い石 (くろいいし)

手のひらサイズの小箱に入る大きさの黒い石。帝国軍とコネセロが狙っているアイテム。アスケシュがコネセロの依頼でボヤークを捜し出した。その時、依頼主のコネセロに渡さないよう頼まれたために、アスケシュが背後関係を調べた結果、彼らの手に渡ると世界が破滅する危険なものと判明した。そのため、アスケシュがゼニまるに10ゴールドの貸しをチャラにする代価として、指定の隠し場所に隠すように依頼した。

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