ゾンビがしたいっ!

ゾンビがしたいっ!

人間となかよくなりたいと純粋に願うゾンビの青年と、ごくふつうの女子高校生が、互いの立場を超えて友情を育んでいく、ほのぼのとした雰囲気が漂うファンタジックな作品。各巻には描き下ろしのエピソードが追加されている。「クロフネ百」で2015年2月から2016年9月まで不定期に配信され、さらに「くろふねピクシブ」で2016年12月に配信された。

正式名称
ゾンビがしたいっ!
ふりがな
ぞんびがしたいっ
作者
ジャンル
ファンタジー
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あらすじ

第1巻

ゾンビなのに人間の事が大好きなゾンは、危険を承知で人間の町へ出入りし、自分の住む森の住所を書いたチラシを配りながら、さまざまな場所で人助けをしていた。しかし、ゾンの顔を見た人間は彼を恐れ、助けられても礼も言わずに逃げ去ってしまう。そんな中、疲れから公園の一角で倒れ込んでいたゾンは、女子高校生のに介抱されるが、ゾンの顔を見た花はパニックに陥り、ゾンの右腕を持ったまま逃げてしまう。自宅で自由気ままに動き回る右腕を持て余した花は、ゾンに右腕を返すために、チラシに書いてあった暗闇の森へと向かう。そこで狼男のウーちゃんを目撃し、恐怖から気絶してしまった花は、ゾンの部屋で目覚め、人間となかよくなりたいと熱望するゾンの純粋な気持ちを知る。この世には優しいゾンビもいるという事実を知った花だったが、帰宅して家族と過ごすうちに、やはりゾンは危険人物であり、花を騙して一家ごと食べようとしていると思い込んでしまう。後日、花に会うために彼女の家を訪問したゾンは、花が決死の思いで振るったバットの一撃によって倒されてしまう。

第2巻

ゾンに酷い仕打ちをしてしまった事を詫びるため、花は暗闇の森の奥にあるゾンの自宅を尋ねる。しかし花は現地にいたウーちゃんから、ゾンの心を傷つけた事を激しく責められ、髪の毛を引っ張られてしまう。それを目撃したゾンは、ウーちゃんと初めての大喧嘩をしてしまう。その後、花はゾンの家で昨日の行いを謝罪。ゾンはウーちゃんとも仲直りしようとするが、人間嫌いなウーちゃんは花の事を許そうとはしなかった。ハム様から招待状をもらい、再びゾンのもとへ出向いた花は、ウーちゃんが花を許そうとせず、そのせいでゾンとの仲もギクシャクしている事を知る。その話を聞いた花は、自分がウーちゃんとなかよくなる事を決意。全員でいっしょにピクニックへと行く事を提案する。頑なに警戒を解こうとしないウーちゃんに対し、ゾンが作った生肉入りのおむすびを無理やり食べて、ウーちゃんの心を開こうとする花。その心意気に感化され、ウーちゃんはついに花の事を許すのだった。後日、ゾン達の知人であるヴァンちゃんがゾンの家を訪問。人間である花が敬愛するハム様と仲がいいという事実に驚愕し、どちらがハムさまの近くにいるのがふさわしいかを競うが、花の圧勝に終わる。紆余曲折の末、種族の違いを超えてなかよくなった四人は、潮干狩りへと出発して平穏なひと時を過ごすのだった。

登場人物・キャラクター

ゾン

顔や体に継ぎはぎがあるゾンビの青年。暗闇の森の奥にある一軒家で、ハムスターのハム様といっしょに暮らしている。純粋かつ朗らかで、とても心優しい性格をしており、たとえつらい事があっても誰を恨む事もなく、前向きに考えるタイプ。ゾンビだが人間の事が大好きで、人間の友達がほしいと常々思っている。そのため、頻繁に街に出かけて人助けをしているが、いつも最終的にゾンビである事がバレて恐れられ、逃げられるというパターンを繰り返していた。几帳面なため、自室は掃除が行き届き、家具も整理整頓されている。街中で偶然知り合った女子高校生の花と、紆余曲折を経てなかよくなるが、そのせいで人間嫌いな友人の狼男のウーちゃんと仲たがいしてしまう。花が体を張ったとりなしでウーちゃんの信頼を勝ち取ったあとは、三人で種族を超えてなかよく過ごすようになる。

(はな)

ごくふつうの女子高校生。眼鏡をかけている。几帳面で律儀な性格の持ち主。公園で倒れていたゾンを介抱しようとした際、その姿に驚き、パニックに陥ってゾンの右腕を自宅へと持ち帰ってしまう。右腕を返すためにゾンの自宅まで出向くが、そこで人間が大好きなゾンの純粋な内面を知る事になった。しかし、家族と話しているうちに、やはりゾンビは悪い存在であると思い直し、自宅までやって来たゾンをバットで傷つけてしまう。ゾンが持っていた手作りのクッキーを見て自分が間違っていた事に気づき、ゾンの家まで謝罪をしに行く。最終的にゾンやウーちゃんと、いっしょに遊びに行くほどなかよくなる。恋愛に関しては奥手だが、実は恋愛に対して興味津々で、隠れて恋愛漫画を読み漁っている。

ハム様 (はむさま)

背中にファスナーが付いているハムスター。性別は不詳。ゾンの家でゾンといっしょに暮らしている。体は小さいが非常に攻撃的で、かなり怒りっぽい。ゾンの一挙手一投足に対してすぐにイラつき、ひまわりの種を投げつけたり、ぶん殴ったりしていた。その反面、人間の花にはよく懐いていた。ゾン曰く、誰かの手によって作られた「フランケンハムスター」であるとの事。そのため、体の内部からぜんまいの音がしている。雑誌のモデルなどの仕事をこなしており、日中は出かけている事が多い。ヴァンちゃんからは、高貴な存在として崇拝されていた。

ウーちゃん

狼男の青年。ゾンとは幼なじみの親友同士。本名は「ウルフ」。暗闇の森の中にある家で一人暮らしをしている。頭から狼の耳が生えており、嗅覚が非常に鋭いのが特徴。ヒマがあればゾンの家を訪れ、時に肉を振る舞ったりするなど、色々と世話を焼いている。人間が大嫌いで、人間臭いのも苦手。ゾンビやモンスターを恐れる人間の残虐性を警戒しており、人間好きなゾンが、街に出かけて酷い目に遭わされ、傷つくのを非常に恐れている。そのため、人間には近づきすぎないようにと、たびたびゾンを諭していた。のちに人間の花が誤解からゾンの心を傷つけてしまった時は、花に対し敵意をむき出しにしていた。

ヴァンちゃん

尊大な態度を取る吸血鬼の青年。美しい長髪の持ち主。ゾンとウーちゃんの知人。現代の生活に適応しており、人間の血液ではなく熟れた実の果汁や甘い花の蜜を主食にしている。ヴァンちゃん曰く、人間の血液はまずいとの事。ハム様を崇拝しており、ハム様が人間の花と仲がいい事に大きなショックを受けていた。ハム様のような高貴な存在を目指しており、現在は芸能界で活躍している。必要以上に他者を見下し、態度が大きい事から、友達ができないのが大きなコンプレックスになっている。

ポンちゃん

ポメラニアンのオス。花の自宅で飼われている。非常に人懐っこい性格で、ゾンの身体から離れた右腕のハンド先生といっしょに遊んだ事で、なかよくなっていた。それ以後もハンド先生と会うたびじゃれついてた。ゾンとは会うたびに、彼の腹部からあばら骨を取るのが癖になっている。

ハンド先生 (はんどせんせい)

意思を持つ右腕。もともとはゾンの右腕で、公園で倒れていたゾンから花が引っこ抜いてしまった事で独立した存在になり、ハンド先生という名前を付けられた。自分の意思で動く事ができ、花の飼い犬であるポンちゃんとなかよくなっていた。

葉介 (ようすけ)

小学生の男子。花の弟。とても明るく活発な性格をしている。少々生意気な性格で、奥手の花がたくさんの恋愛漫画を隠れて読み漁っているのに気づいており、それをネタに花をからかっていた。ゾンビの事は怖くないと、いつも強がっている。

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